ベトジェットエアが関西〜ダナン線を12月20日開設 週4往復、日本〜ダナンにLCCが初参入

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ベトナムのLCCベトジェットエアが、大阪/関西〜ダナン線を2026年12月20日に開設します。運航は火・木・土・日曜の週4往復で、機材はエアバスA321型機です。関西空港発着では、ハノイ線・ホーチミン線に続く3路線目にあたります。

ダナンはベトナム中部のリゾート都市で、日本からの直行便はこれまでベトナム航空のみでした。そこにLCCが入ってくることで、価格の選択肢が一気に増えます。年末年始の直前という就航時期も含めて、旅行の組み立てに影響する内容です。

運航ダイヤと機材

ベトジェットエアが設定するダイヤは次のとおりです。

往路のVJ923便は、大阪/関西を10時10分に出発し、ダナンに13時45分到着します。所要時間は5時間35分です。復路のVJ922便は、ダナンを2時30分に出発し、大阪/関西に8時50分到着します。所要時間は4時間20分です。

運航日は火・木・土・日曜の週4往復で、機材はエアバスA321型機が充てられます。

注目したいのは復路の時刻です。ダナン発が深夜2時30分で、関西着が朝8時50分という設定は、LCCらしい機材の回転を優先したダイヤです。ダナンで最終日の夜まで過ごしてそのまま空港へ向かい、機内で眠って朝に関西へ戻るという使い方ができる一方、深夜の空港移動と機内での睡眠が前提になります。到着後にそのまま出勤したい人には都合がよく、体力に不安がある人にはきつい時間帯です。

往路の関西10時10分発は、朝の移動としては余裕のある時刻です。関西空港へのアクセスを考えると、近畿圏からなら当日の朝出発で間に合います。

日本〜ダナン線の競争環境が変わる

これまで日本とダナンを直行で結んでいたのは、ベトナム航空だけでした。同社は大阪/関西〜ダナン線を2026年7月1日から増便し、水曜を追加して週5便体制にしています。ダイヤはVN337便が関西9時30分発・ダナン12時25分着、VN336便がダナン1時10分発・関西7時55分着で、機材はA321型機です。

ここにベトジェットエアが週4往復で加わると、大阪/関西〜ダナン線は合計で週9往復になります。しかも、往路の出発時刻はベトナム航空が9時30分、ベトジェットエアが10時10分と40分違いで、復路も深夜発・早朝着という点でほぼ同じ形です。同じ時間帯に、フルサービスキャリアとLCCが並ぶ構図になります。

競合するのは時間帯ではなく価格帯です。ベトナム航空は預け入れ手荷物や機内食が運賃に含まれるフルサービスキャリアで、ベトジェットエアは受託手荷物や座席指定を別料金にするLCCです。同じダナン行きでも、荷物が少なく食事にこだわらない旅行者はベトジェットエア、荷物が多く乗り継ぎも使いたい旅行者はベトナム航空と、選び分けが成立します。

ベトジェットエアがダナン線を選んだ背景

ベトジェットエアは関西空港からすでにハノイ線とホーチミン線を運航しています。ベトナムの二大都市を押さえたうえで3路線目にダナンを選んだ理由は、需要の性質が前の2路線と違う点にあると考えられます。

ハノイ線とホーチミン線は、ベトナムの首都と最大都市を結ぶ路線で、ビジネス需要と在留者の往来が需要の土台になっています。日本に暮らすベトナム人は、2024年末時点で63万4,361人と国籍別で中国に次ぐ2位です。そのうち約3分の1にあたる21万2,141人が技能実習の在留資格で、技術・人文知識・国際業務が10万8,334人、家族滞在が6万4,912人と続きます。この規模の在留者がいれば、帰省と家族の来日という往復需要が年間を通じて安定して発生します。ハノイ線・ホーチミン線はこの需要を取りにいった路線です。

一方、ダナンは性格が異なります。ベトナム中部のビーチリゾートで、ホイアンやフエといった世界遺産の観光地への玄関口でもあります。ここは在留者の帰省需要よりも、日本人のレジャー需要が主戦場です。実際、ベトナム航空が7月に増便した際には、予約動向が前年同期比116パーセントで推移していると説明されており、日本人旅行者を中心にダナンへの渡航需要が伸びていることがうかがえます。

つまりベトジェットエアは、既存2路線で押さえた在留者・ビジネス需要に加えて、日本人のレジャー需要という別の柱を取りにきたということではないでしょうか。同じ関西空港から3路線目を出すなら、需要の性質が重ならない路線を選ぶほうが、既存路線の乗客を奪い合わずに総取扱人数を増やせます。

もうひとつ見逃せないのが、就航日を12月20日に置いたことです。年末年始の繁忙期がすぐ後に控えるタイミングで、路線としては最も高い単価が取れる時期に立ち上がることになります。新規路線は認知が広がるまで搭乗率が伸び悩むのが普通ですが、年末年始需要にぶつければ、初期の空席リスクをかなり抑えられます。就航直後の実績が良ければ、次のダイヤでの増便判断もしやすくなるはずです。冬ダイヤの途中から入れるという判断は、路線を軌道に乗せるうえで計算された設定だと考えられます。

なお、日本とベトナムの間の人の流れは往復ともに拡大しています。訪日ベトナム人は2025年に67万8,594人、消費額2,055億円といずれも過去最高を記録し、2026年4月も7万6,000人と前年同月比18.6パーセント増で4月として過去最高でした。ベトジェットエアにとって、この路線は日本人のダナン旅行だけでなく、ベトナム中部から日本を訪れる需要も同時に取れる構造になっています。片道の需要だけに依存しない路線設計は、LCCが新規路線を継続させるうえでの条件でもあります。

旅行者への影響と、いま考えておきたいこと

ダナン旅行を検討している人にとって、選択肢が増えるのは素直な朗報です。押さえておきたい点を挙げます。

価格を優先するなら、就航直後のセール運賃を狙う価値があります。ベトジェットエアは新規路線の就航時にセールを打つことが多い航空会社です。年末年始の日程は例外的に高くなるとしても、1月中旬以降の閑散期であれば、フルサービスキャリアとの価格差はかなり大きくなると考えられます。

一方で、LCCを選ぶ場合の前提条件は事前に確認してください。受託手荷物は基本的に別料金で、ベトナム土産をまとめ買いする予定があるなら、預け荷物の追加料金を含めた総額でベトナム航空と比べる必要があります。手荷物代を足した結果、フルサービスキャリアと大差ないという計算になることは珍しくありません。

深夜発の復路については、ダナンでの最終日の過ごし方を先に決めておくのが賢明です。ダナン発2時30分ということは、空港到着は0時台になります。ホテルのチェックアウト後の荷物預かりと、深夜の空港移動をどうするかを、予約の段階で確認しておいてください。リゾートホテルによっては深夜のタクシー手配が難しい場合があります。

そして、ベトナム航空の週5便と合わせて週9往復になることは、繁忙期の座席確保という点で意味があります。年末年始やゴールデンウィークのダナン便はこれまで取りにくい状態が続いていましたが、供給が増えることで確保のしやすさは改善するはずです。逆に言えば、閑散期には座席が余りやすくなるので、時期をずらせる人ほど安く行けるようになります。

まとめ

日本とダナンを結ぶ路線に、初めてLCCが入ります。ベトナム航空の週5便に週4往復が加わり、大阪/関西〜ダナンは週9往復体制です。荷物が少なく価格を優先する旅行者にはベトジェットエア、荷物と快適さを取るならベトナム航空という選び分けが、この12月から実際にできるようになります。ダナンやホイアンを訪ねたいと考えていた人は、就航後の運賃が出そろうタイミングで両社を並べて比べてみてください。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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