スターラックス航空が新千歳〜台中線をデイリー化 10月2日の就航時から1日1往復に

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就航後の運航スケジュールと機材

新千歳〜台中線の就航日は2026年10月2日、運航は毎日1往復です。

便名 区間 時刻 運航日
JX319 新千歳→台中 15時00分発/18時25分着 毎日
JX318 台中→新千歳 09時00分発/13時55分着 毎日

所要時間は新千歳発が4時間25分、台中発が3時間55分です。使用機材はエアバスA321neo型機で、座席はビジネスクラス8席とエコノミークラス180席の合わせて188席という構成になっています。

週5往復から週7往復への変更なので、片道あたりの提供座席は週940席から週1,316席へ、376席分増えることになります。

就航前に計画を書き換えた異例の増便です

この路線の開設が発表されたのは2026年7月1日でした。そのときの計画は月曜・火曜・水曜・金曜・土曜の週5往復で、木曜と日曜には飛ばないダイヤです。8月11日に明らかになった変更は、この週5往復を毎日運航に切り替えるというものです。増便の終了時期は示されておらず、期間限定という説明もありません。

航空会社が増便を決めるのは、通常は一定期間その路線を飛ばして搭乗率や予約の入り方を見たあとです。就航前、つまり実績が1便もない段階で便数を積み増すのは、予約の動きが計画を上回っているか、そもそも週5往復では取りこぼすと判断した場合に限られます。

スターラックス航空が台中を日本路線の拠点に育てています

今回の増便を理解するには、この会社が台中という都市をどう位置づけているかを見る必要があります。

スターラックス航空は2026年に入ってから、台中を発着する日本路線を立て続けに開設してきました。2月13日に宮古/下地島〜台中線、3月30日に成田〜台中線、3月31日に熊本〜台中線が就航し、10月2日には新千歳線が加わります。さらに2027年には仙台〜台中線の開設も計画されていることが明らかになっています。1年あまりのあいだに、台中発の日本路線を5つ並べる勢いです。

台中市の人口は2026年6月末時点で2,867,468人と、台湾で2番目に多い都市です。それにもかかわらず、これまで日本と台中を結ぶ直行便は台北に比べて圧倒的に少ないままでした。台湾を訪れる日本人も、日本を訪れる台湾人も、その多くが台北の桃園国際空港を経由してきたのが実情です。台中周辺には日月潭や高美湿地といった観光地があり、台湾中部を目的地にする旅行者にとっては、台北から2時間近くかけて南下する必要がありました。

スターラックス航空は、この「台北に集中しすぎている状態」に別の入口を作ろうとしています。台北路線は各社がひしめく激戦区です。新千歳〜台北線だけを見ても、チャイナエアライン、エバー航空、スターラックス航空、タイガーエア台湾、スクートなどが飛んでいます。ここで便数を増やしても運賃競争になりやすい一方、台中線には競合がいません。同じ機材を投入するなら、価格を叩き合わない市場に置くほうが1便あたりの利益は残ります。

なぜ就航前に毎日運航へ切り替えたのでしょうか

具体的な数字を並べると、この判断の背景が見えてきます。

スターラックス航空の日本路線は、平均搭乗率がおよそ90%で推移しており、なかでも名古屋、北海道、那覇が好調とされています。すでに北海道が「強い市場」に数えられている状態で、その北海道に台中という2本目の入口を作るのですから、慎重に週5往復から入る理由が薄かったと考えられます。

北海道側の数字も裏付けになります。2025年の北海道における外国人延べ宿泊者数は1,330万人泊で、国・地域別では台湾が240万人泊と最も多く、韓国の237万人泊、中国の199万人泊を上回りました。北海道にとって台湾は、人数の面で最大の顧客です。新千歳空港の2025年度の旅客数は2,601万5,370人で前年度比4.8%増、2年連続で過去最多を更新しました。このうち国際線は23%増の434万人で、路線別では韓国の184万人に次いで台湾が88万人、13%増と伸びています。

台湾側から見ても勢いは続いています。2025年の訪日台湾人は676万人で過去最高を更新し、旅行消費額は1兆2,033億円に達しました。人口2,300万人あまりの市場から、その3割近い人数が1年で日本を訪れている計算になります。リピーターの比率が高く、台北や大阪をひととおり回った層が地方へ向かうという流れも指摘されています。

そのうえで、週5往復と毎日運航では旅行商品の作りやすさがまったく違います。木曜と日曜に便がないダイヤでは、「金曜発の3泊4日」は組めても「木曜発」や「日曜発」は組めません。台湾の旅行会社が団体やパッケージを作るとき、曜日が抜けているダイヤは扱いにくく、そこで販売機会を落とします。毎日飛ぶなら、どの曜日を起点にしても日程を組めます。就航前に増便したのは、旅行商品の造成が本格化する前に「毎日飛ぶ路線」として売り込みたかったからではないでしょうか。

もうひとつ、時期の意味も見逃せません。10月2日という就航日は、2026年冬ダイヤ(10月25日開始)の直前です。台湾からの北海道旅行は雪を目的にした冬が最需要期で、就航してすぐ最も客の入る季節に入ります。同社は新千歳〜台北線にも2026年12月1日から2027年3月26日まで最上位機材のA350-1000型機を投入する計画を示しており、冬の北海道に台北・台中の両方から輸送力を集める構図です。北海道路線を、日本路線のなかでも優先度の高い市場として扱っていることがうかがえます。

旅行者にとって何が変わり、どう使えばよいのでしょうか

まず、出発曜日の制約がなくなります。当初計画のままなら木曜発と日曜発は選べませんでしたが、毎日運航なら日程を自由に組めます。週末をはさむ短い日程を作りやすくなるのは、休みを取りにくい人ほど恩恵が大きい変更です。

次に、台北と台中を組み合わせた旅程が現実的になります。スターラックス航空は新千歳〜台北/桃園線もすでに1日1往復で運航しており、両路線が毎日飛ぶことで、行きは台北へ、帰りは台中からという乗り方(オープンジョー)を曜日を気にせず組めるようになります。台湾は西側を台湾高鉄が縦断しているので、台北から台中までは最速45分、15分から30分間隔で走っています。台北で街歩きをしてから台中・日月潭方面へ南下し、そのまま台中から帰るという流れが取りやすくなります。

一方で、ダイヤには注意が必要です。台中発のJX318便は09時00分発なので、台中市内から空港へは早朝の移動になります。台中国際空港(清泉崗空港)から台中駅方面へは302系統のバスで1時間から1時間10分ほど、料金はICカードで30元です。タクシーなら市内中心部まで40分前後が目安になります。朝9時の便に乗るには2時間前には空港に着いておきたいので、逆算すると台中市内を朝5時台に出る計算です。前夜は空港に近いエリアに泊まるか、送迎の手配を先に決めておくほうが安全でしょう。

新千歳発のJX319便は15時00分発です。道内各地から当日移動で間に合う時間帯なので、札幌以外に住んでいる人でも前泊なしで乗れます。帰りのJX318便は新千歳13時55分着なので、その日のうちに道内の自宅へ戻る、あるいは国内線に乗り継ぐこともできます。

機材で選ぶという考え方もあります。台中線はA321neo型機で、ビジネスクラスは8席のみです。冬季の台北線にはA350-1000型機が入る計画なので、上位クラスの快適さを重視するなら台北線を選ぶという判断もあり得ます。

すでに週5往復の前提で予約を済ませた人は、新しく設定される木曜・日曜の便を含めて日程を組み直せる可能性があります。就航前の変更なので、予約済みの便が動くわけではありませんが、より都合のよい曜日が選べるようになったかどうかは一度確認してみる価値があります。

まとめ

スターラックス航空の札幌/新千歳〜台中線は、2026年10月2日の就航時点から1日1往復で運航されます。当初計画の週5往復から毎日運航への変更で、片道あたり週376席分の輸送力が上積みされる形です。機材はA321neo型機、新千歳発15時00分、台中発09時00分というダイヤになっています。

台湾中部を目的地にしたい人、台北はもう何度も行ったという北海道在住のリピーター、そして台北inと台中outを組み合わせて台湾を縦に移動したい人には、使い勝手のよい路線です。逆に、台北だけを目的地にするなら既存の台北線のほうが便利ですし、冬季は上位機材が入る点でも台北線に分があります。台中発が朝9時と早いので、帰国日の朝の動き方だけは先に決めておいてください。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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