韓国のLCCであるエアロKが、茨城〜清州線の運航を2026年9月1日に再開します。2026年4月9日から止まっていた路線で、およそ5か月ぶりの復活です。週3往復、エアバスA320型機での運航に戻ります。茨城空港のもう1本の韓国路線である仁川線が10月23日まで運休している時期にあたるため、9月から10月にかけて茨城空港と韓国を結ぶのは、この清州線だけという状態になります。
再開後の運航スケジュール
再開は2026年9月1日から、曜日は火曜、木曜、土曜の週3往復です。使用する機材はエアバスA320型機です。
| 便名 | 区間 | 時刻 | 運航曜日 |
|---|---|---|---|
| RF383 | 茨城→清州 | 17時15分発/19時35分着 | 火・木・土 |
| RF384 | 清州→茨城 | 14時00分発/16時05分着 | 火・木・土 |
所要時間は茨城発が2時間20分、清州発が2時間5分です。茨城発が夕方、清州発が午後というダイヤなので、日本側から見ると出発日は1日使えるかわりに現地到着が夜になり、帰りは昼に清州を出て夕方には茨城へ戻る形になります。
5か月にわたる運休の経緯
この路線が止まったのは2026年4月9日でした。当初の運休期間は5月30日までという発表でしたが、その後7月30日まで、さらに8月29日までと延長が重ねられ、結果として約5か月の運休になりました。
エアロKが挙げた理由は、中東情勢を背景とした燃料価格の高騰にともなう運航計画の見直しです。同社は同じ時期に茨城〜ソウル(仁川)線についても、2026年8月3日から10月23日までの運休を決めています。茨城発着の2路線がどちらも止まる期間があったことになります。
茨城空港の国際線はほかにもタイガーエア台湾の台北線がありましたが、こちらは2025年10月26日から運休が続いています。台北到着が18時ごろから23時ごろに変わって利便性が下がったこと、パイロット不足による路線の組み替えなどが理由として説明されており、再開の時期は示されていません。
エアロKが茨城線を止め、そして9月に戻す理由を考えます
燃料価格が上がったから運休する、というのはニュースの見出しとしては分かりやすいのですが、それだけでは「なぜ茨城線だったのか」「なぜ9月なのか」の説明になりません。
LCCの経営から見ると、燃料費が上がる局面で取れる手は限られています。運賃に転嫁すれば価格優位が失われ、LCCである意味がなくなります。そこで実際に行われるのは、限られた機材を1便あたりの利益が大きい路線に集中させることです。エアロKは清州を拠点に、成田、関西、中部、広島、北九州、札幌など日本各地へ路線を広げてきました。そのなかで茨城線は、首都圏へのアクセスという点で成田・羽田と競合します。首都圏の需要を取りにいくなら、より集客力のある空港に機材を回すほうが合理的です。実際にエアロKは2026年5月、羽田の深夜早朝の発着枠を使って清州線を6月に不定期便として運航する計画を明らかにしており、将来的な定期便化も視野に入れているとしています。茨城線の運休期間中、首都圏側の受け皿を別の空港へ寄せていたと見ることもできます。
では、なぜ9月に戻すのでしょうか。ここで効いてくるのが、この路線の乗客の中身です。茨城空港の2025年度の旅客数は834,265人で、前年度比7.5%増の過去最多でした。内訳は国内線が751,738人で5.9%増、国際線が82,527人で24.8%増と、伸び率では国際線が国内線を大きく上回っています。県はこの国際線の伸びについて、エアロKが2025年5月に清州線をチャーター便から定期便へ切り替え、11月に仁川線を開設したこと、そして訪日ゴルフ需要を取り込んだことを要因として挙げています。
つまり茨城〜清州線には、日本人が韓国へ行くための路線という顔と、韓国からゴルフに来る客を運ぶ路線という顔があります。茨城県は首都圏近郊でゴルフ場の数が多く、韓国からの週末ゴルフ客にとっては、成田や羽田に降りて渋滞のなかを移動するより、茨城空港からそのままコースへ向かうほうが早いという地の利があります。そして韓国からの訪日ゴルフは、猛暑が収まる9月から秋にかけてが本格的な需要期です。9月1日という再開日は、この需要期の入口に合わせたものと考えるのが自然ではないでしょうか。
仁川線ではなく清州線を先に戻したことにも理由がありそうです。清州はエアロKの拠点空港で、自社の国内線・国際線との接続を組みやすい一方、仁川は大手やほかのLCCがひしめく激戦区です。燃料費が高い状況で機材を1路線だけ戻すなら、競合の少ない拠点発の路線を選ぶほうが搭乗率を確保しやすいという判断が働いたと考えられます。
もう一点、地方空港の国際線に共通する構造も無視できません。茨城空港では、県内の自治体や企業でつくる茨城空港利用促進等協議会が、清州便の利用者に空港内で使える独自ポイントを付与する取り組みを続けてきました。2025年には通常の往復600ポイントを25%上乗せして750ポイントにする拡充も行われています。地方空港の国際線は、航空会社の採算だけで成り立っているわけではなく、自治体側の支援とセットで維持されているのが実情です。今回の再開も、航空会社の単独判断というより、地元との協議を経た結果と見るべきでしょう。
旅行者にとって何が変わり、どう使えばよいのでしょうか
まず、9月から茨城空港発の韓国旅行が再び選べるようになります。北関東や茨城県内に住んでいる人にとっては、成田や羽田まで出る手間と時間が省ける意味は大きいはずです。
ただし、行き先はソウルではなく清州です。ソウル中心の旅行を考えているなら、清州からの移動が必要になります。清州国際空港からソウルへは、空港とソウル高速バスターミナルを直接結ぶバスがあり、所要時間は約1時間30分、運賃は片道15,000ウォン前後です。鉄道を使う場合は、市内バスのA1系統やB3系統で五松(オソン)駅まで約50分、そこからKTXでソウル駅まで約57分という経路になります。乗り換えを含めると2時間から2時間30分程度を見ておくとよさそうです。
清州発が14時、茨城着が16時05分というダイヤなので、帰国日にソウルから移動する場合は午前中の早い時間に出る必要があります。ソウル泊の最終日を丸1日使いたい人には向きません。逆に、清州や忠清北道エリアを目的地にするなら、時間の使い方はかなり良くなります。
ソウルだけを目指すのであれば、10月24日以降に再開する予定の茨城〜仁川線を待つか、成田・羽田・関西発の便を選ぶほうが素直です。仁川線の運休は2026年8月3日から10月23日までと発表されていますので、秋以降の日程なら茨城発でソウル直行も選択肢に戻ってきます。
予約にあたっては、この路線が過去5か月のあいだに運休の延長を3回繰り返している点を頭に入れておいてください。燃料価格や機材繰りの事情で運航計画が変わる可能性は残ります。宿や現地の予約を先に固めるより、航空券が確定してから組み立てるほうが安全です。
まとめ
エアロKの茨城〜清州線は2026年9月1日に運航を再開し、火曜・木曜・土曜の週3往復、エアバスA320型機での運航に戻ります。茨城発17時15分、清州発14時というダイヤです。
北関東から韓国へ出かけたい人、清州や忠清北道を目的地にしたい人には使いやすい路線です。ソウル中心の旅行を考えている人は、清州からバスやKTXで1時間30分から2時間30分の移動が加わる点、あるいは10月24日以降の仁川線再開を待つという選択肢も含めて検討してみてください。茨城空港の国際線は2025年度に24.8%増と伸びており、その伸びを支えてきたのがこの清州線です。9月からの再開は、茨城空港にとっても秋の需要期を取り戻すための一手だといえます。


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