何が変わるのか
今回リニューアルされるのは、岡山・高松〜松山間を走る特急「しおかぜ・いしづち」に充当されている8000系のアンパンマン列車です。運転開始は2026年12月12日(土)、特急しおかぜ・いしづち10号からのスタートが予定されています。
最大の変更点は座席です。これまで「アンパンマンシート」は1号車の16席のみでしたが、リニューアル後は2号車の68席も新たにアンパンマンシート化され、合計84席まで拡大されます。シートには瀬戸内海沿いを走る予讃線の風土をモチーフに「山」と「海」の世界観がデザインされ、キャラクターも12種類にリニューアルされる予定です。外装も、先頭から車両全体へ虹が真っすぐ続くデザインに一新されます。
リニューアルを記念した「予讃線8000系アンパンマン列車リニューアル記念ツアー」も同時発売されました。ツアー出発日は運転開始日と同じ2026年12月12日で、リニューアル後の「1番列車」への乗車とアンパンマンシートの利用が確約されています。旅行代金は松山駅発着で大人8,800円、こども(小学生)5,900円、幼児(3歳〜)4,900円で、四国鉄道文化館の入館料とお弁当(こども・幼児は「げんき100ばい!アンパンマン弁当」、おとなは「せとうち日和弁当」)が含まれます。募集人員は40名(最少催行人員18名)で、伊予西条駅でのミニSL乗車会やクイズラリーなど、ツアー限定イベントも予定されています。
なぜこのタイミングでリニューアルするのか
予讃線を走るアンパンマン列車は、2001年に2000系気動車でデビューしたのが始まりで、2026年で導入から25年の節目を迎えます。8000系での運行自体は2016年春に始まったものですが、JR四国はこの25周年を「これまでご愛顧いただいたお客様への感謝」の機会と位置づけ、今回のリニューアルを企画しました。
注目したいのは、座席の拡大幅です。従来16席だったアンパンマンシートを一気に84席へと5倍以上に増やすのは、単なる記念装飾ではなく、繁忙期にアンパンマンシートを希望しても取れなかった家族連れの需要を取り込む狙いがあると見られます。夏休みや連休には予約が集中しやすい人気列車だけに、席数を増やすことで一便あたりの収益機会を広げる意図があると考えられます。
もう一つ見逃せないのが、JR四国が2026年10月2日から「伊予灘ものがたり」「四国まんなか千年ものがたり」など看板観光列車のグリーン料金を値上げし、あわせてグループシートを新設する方針を打ち出していることです。今回のアンパンマン列車リニューアルとは車両・料金体系が異なるものの、時期が重なっていることから、JR四国が観光列車全体で「座席の付加価値を高めて収益性を上げる」という方向に舵を切っていることがうかがえます。子供連れに人気の高いアンパンマン列車で先に大規模な席数拡大を行い、話題性と収益の両方を確保したうえで、他の観光列車でも有料着席サービスの拡充を進めるという流れは、JR四国の経営戦略として一貫性があります。
旅行者への影響と対策
最も注意したいのは、リニューアル工事の期間です。予讃線8000系アンパンマン列車は2026年9月24日から12月12日の運転開始まで、工事のため一般車両で運転されます。この期間はアンパンマンシートを利用できないため、アンパンマン列車としての乗車を楽しみにしている場合は、9月24日以降12月11日までの日程を避けるのが確実です。日程を動かせない場合は、事前にJR四国の公式サイトや列車時刻表で運用状況を確認してから予約することをおすすめします。
記念ツアーへの参加を希望する場合は、募集人員が40名と少ないため早めの申し込みが重要です。申し込みはJR四国旅の予約センター(087-825-1662、平日10時〜18時、土日祝10時〜17時)、JR四国ツアー各支店、またはウェブサイト「JR四国ツアー」から可能です。JR四国ジパング倶楽部の会員は1,000円引きになる特典もあるため、対象になる方は確認しておくとよいでしょう。
ツアーに参加しない場合でも、12月12日の運転開始後であれば、通常の特急券・乗車券でアンパンマンシートを利用できます。ただし「アンパンマンシート」は他の座席と同じ指定席特急券で購入する形式のため、繁忙期には争奪戦になることが予想されます。特に座席数が5倍以上に増える最初の冬休み・年末年始は問い合わせが集中しやすいので、旅行日程が決まり次第、早めに指定席を確保しておくと安心です。


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