JR北海道は2026年8月7日、道内と青森県内の11駅で「みどりの窓口」の対面販売を終え、セルフ方式のきっぷ販売に移行すると発表しました。営業終了日は2026年8月31日です。北海道新幹線の駅を含む主要駅が並んでおり、旅行で立ち寄る可能性のある駅も少なくありません。
対象となる11駅
みどりの窓口の営業を終えるのは、当別、白老、伊達紋別、長万部、八雲、森、七飯、木古内、奥津軽いまべつ、追分、新得の11駅です。函館本線・室蘭本線・石勝線・根室本線・学園都市線と、路線もエリアも広く分散しています。木古内と奥津軽いまべつは北海道新幹線の駅で、奥津軽いまべつは青森県今別町に位置しながらJR北海道が管理する駅です。
営業終了後も、駅係員によるきっぷの精算や案内は継続されるとJR北海道は説明しています。無人化されるわけではなく、あくまで対面での発券をやめるという内容です。
話せる券売機の稼働時間は窓口より長い
各駅には、利用者自身の操作で特急券などを購入したり、えきねっとで予約したきっぷを受け取ったりできる「話せる券売機」が設置されています。オペレーターを呼び出せば、遠隔できっぷの購入をサポートしてもらえます。
注目したいのは稼働時間です。現在のみどりの窓口の営業時間と比べると、券売機のほうが大幅に長く動いています。
| 駅名 | 話せる券売機の稼働時間 | みどりの窓口の営業時間(現在) |
|---|---|---|
| 当別 | 5:10〜23:15 | 7:00〜16:00 |
| 白老 | 5:50〜22:30 | 7:00〜18:30(一部の日は20:30まで) |
| 伊達紋別 | 6:20〜21:00 | 7:00〜16:00 |
| 長万部 | 7:00〜21:30 | 8:50〜16:40 |
| 八雲 | 6:45〜22:00 | 8:10〜16:10 |
| 森 | 5:00〜22:00 | 8:00〜15:50 |
| 七飯 | 6:30〜17:00 | 7:20〜14:00 |
| 木古内 | 6:20〜22:10 | 6:30〜17:00 |
| 奥津軽いまべつ | 6:20〜22:45 | 7:00〜17:10 |
| 追分 | 6:20〜22:40 | 7:45〜18:30(日・祝休み) |
| 新得 | 5:50〜23:20 | 8:00〜18:20 |
このうち6時00分から23時00分の時間帯は、オペレーターによる遠隔対応も受けられます。つまり利用者から見ると、「窓口が閉まっていて特急券が買えない」という状況は、むしろ減る方向に動きます。
話せる券売機でできること
JR北海道が挙げているのは次のような内容です。新幹線・在来線の指定席特急券が購入でき、快速エアポートの「uシート」も買えます。えきねっとで予約したきっぷの受け取りも簡単にできます。申込書を書かずに定期券が買え(一部定期券を除く)、Kitacaなどの交通系ICカードへのチャージも可能です。判断に迷う手続きは、オペレーターを呼び出して相談する形になります。
なぜ今、地方の主要駅まで一気に進めるのか
JR北海道のみどりの窓口削減は今回が初めてではありません。2026年4月30日には札幌市内の学園都市線6駅(八軒、新川、新琴似、篠路、拓北、あいの里教育大)で営業を終えています。今回の11駅は、それに比べると対象が一気に広域化し、しかも都市部の通勤駅ではなく地方の拠点駅が中心という点が大きく異なります。
JR北海道はその理由を「お客さまのご利用状況を踏まえ」と説明しています。ただ、これを人手不足という一言で片付けるのは実態を見誤ることになりそうです。窓口業務には、係員の人件費に加えて、発券端末の保守費用、現金を扱うための管理コストがかかります。1日あたりの発券枚数が限られる駅では、この固定費が輸送収入に対して重くのしかかります。話せる券売機であれば、1人のオペレーターが複数駅を遠隔で担当できますから、要員の総数を大きく減らせます。人手が足りないという事情と、人件費を削りたいという経営判断は、この件では同じ方向を向いていると見るべきでしょう。
対象駅の顔ぶれにも意味があります。長万部は函館本線と室蘭本線が分かれる要衝で、特急も停まる駅です。木古内と奥津軽いまべつは北海道新幹線の駅です。こうした「拠点性のある駅」まで対象に含めたということは、JR北海道が窓口を残す基準をかなり厳しく引き直したことを意味します。裏を返せば、今後さらに対象駅が広がる可能性は十分にあります。
一方で、今回の措置には利用者にとって明確な利点もあります。前述のとおり、券売機の稼働時間は窓口より長く、追分では日曜・祝日も使えるようになります。窓口の営業時間が短く、早朝や夜の列車に間に合わないという不便は、これまで地方駅の利用者が抱えていた大きな不満でした。単に「窓口が減って不便になる」という話ではなく、対面での安心感と引き換えに、営業時間の長さと日曜・祝日の対応を得たと整理するのが正確なところです。この交換が割に合うかどうかは、駅ごと、そして利用者ごとに評価が分かれるはずです。
旅行者はどう備えるか
北海道を鉄道で旅する予定がある方は、いくつか押さえておきたい点があります。
まず、指定席は出発前にえきねっとで手配しておくのが確実です。えきねっとは全国の新幹線・特急がインターネットで予約でき、新幹線eチケットサービスや在来線チケットレスサービスを使えば、きっぷを受け取らずに交通系ICカードのままで乗れます。券売機に並ぶ必要すらなくなりますので、対象駅を発着に使う場合はこの方式が最も手間がかかりません。
券売機の稼働時間外に列車を利用する場合は、事前の手配が必須になります。たとえば七飯駅の券売機は17時00分で終了しますので、それ以降の列車に乗る際に駅できっぷを買うことはできません。夕方以降に対象駅から特急に乗る予定があるなら、前日までに手配を済ませておいてください。
複雑な経路の乗車券や、条件の込み入った変更・払い戻しが必要な場合は、オペレーターの対応時間である6時00分から23時00分のうちに手続きすることをおすすめします。時間に余裕を持って駅に着くようにしておくと安心です。あるいは、札幌駅や函館駅など窓口が残る大きな駅でまとめて手配してしまうのも手です。
海外から来る方や、慣れない路線を乗り継ぐ方は特に注意が必要です。話せる券売機はオペレーターを呼び出せるとはいえ、対面のカウンターとは操作感が違います。時間的な余裕を多めに見ておくか、出発前にオンラインで完結させておくほうが無難でしょう。
まとめ
今回の変更は、JR北海道が窓口を残す駅の基準を引き締めたことを示しています。対象には特急停車駅や新幹線の駅も含まれており、影響を受ける旅行者は決して少なくありません。ただし券売機の稼働時間は窓口より長く、休日の対応も改善されます。8月31日という期限は目前です。9月以降に北海道を鉄道で旅する予定があるなら、きっぷをどこでどう手配するかを、出発前に一度整理しておいてください。


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