大韓航空とアシアナ航空の統合が正式承認 12月17日に「統合大韓航空」が発足します

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8月12日に何が決まったのか

大韓航空は取締役会で統合契約の締結を承認しました。韓国の商法が定める小規模合併の要件を満たしているため、株主総会に諮る必要はありませんでした。

一方、アシアナ航空は臨時株主総会を開きました。全株主の81.86%が出席し、そのうち99.3%にあたる1億6743万6677株の賛成で議案が可決されています。反対はほとんど出ませんでした。

合併比率は大韓航空1に対してアシアナ航空0.2736432と確定しています。大韓航空がアシアナ航空を吸収合併する形で、存続会社は大韓航空です。

ここに至るまでの経緯を並べると、手続きの重さがわかります。2024年12月に大韓航空がアシアナ航空の株式63.88%を取得して子会社化し、2026年6月25日に韓国国土交通部から条件付きの承認を得て、7月24日には金融当局への証券届出書が効力を発生しました。そして8月12日の最終決議です。今後は債権者保護手続きを進めつつ、運航証明の取得や海外の航空当局からの運航許可取得を並行して進め、12月17日の統合登記完了を目指します。

現場ではすでに準備が進んでいます。両社はシステムや各種マニュアルの統一を進め、旅客・貨物の担当者教育や、合同での緊急脱出訓練も実施しています。12月17日は書類上の日付であって、実務の融合はすでに始まっているということです。

日本の旅行者に直接効いてくる3つの変化

この統合で日本側にもっとも大きく影響するのは、マイルとアライアンスの扱いです。

第一に、アシアナ航空は韓国標準時の2026年12月16日23時59分をもってスターアライアンスを脱退します。大韓航空はスカイチームに加盟しているため、統合後のアシアナ路線はスカイチーム側に移ります。ANAのマイルを貯めている方にとっては、これまで使えていた提携先が1つ消えることになります。

第二に、ANAとアシアナ航空のマイル提携が終わります。アシアナ便に搭乗してANAマイルを積算できるのは2026年10月15日搭乗分までで、事後登録の受付は10月31日までです。アシアナ便を使う提携航空会社特典航空券とスターアライアンスアップグレード特典は12月16日搭乗分まで利用でき、17日以降は予約変更も払い戻しもできなくなります。日程が12月17日をまたぐ旅程を組んでいる方は、この日付を基準に見直しておく必要があります。

第三に、マイレージプログラムそのものが統合されます。アシアナ航空の「アシアナクラブ」は大韓航空の「スカイパス」へ統合される方針が示されていますが、既存会員が長年貯めてきたマイルを守るため、合併後10年間は旧アシアナマイルとして別途運営されるとしています。急いで使い切らなければ失効するという話ではありませんが、10年という期限が示された以上、使い道は考えておいたほうがよいでしょう。

韓国の空はどこまで寡占になるのでしょうか

統合後の姿を数字で見ると、規模の大きさが見えてきます。

大韓航空は現在、日韓間で14都市21路線を運航していますが、アシアナとのブランド統一後は17都市24路線に広がる計画です。傘下のLCCを含めると23都市33路線、1日あたりおよそ110往復という体制になります。日本の地方空港を含めて、これだけの路線網を1つのグループが持つことになります。

LCC側の再編も進みます。大韓航空傘下のジンエアーと、アシアナ航空傘下のエアソウル、エアプサンは、2027年第1四半期にジンエアーへ統合される予定です。エアソウルとエアプサンのブランドは消滅します。エアソウルは福岡、高松、米子といった日本の地方空港とソウル/仁川を結ぶ路線を中心に展開してきた会社なので、地方在住の方にとっては、いま乗っている航空会社の名前が変わるという話になります。

ここで気になるのは、寡占が運賃に跳ね返るかどうかです。韓国の公正取引委員会は、この統合によって国際26路線と国内14路線が独占状態になると評価し、10年間の条件付き承認としました。条件には、国内線・国際線のスロットと運航権を10年間にわたって他社へ譲渡すること、航空運賃の引き上げ制限、供給の削減禁止が含まれています。実際に欧州4路線はティーウェイ航空へ、アシアナ航空の貨物事業はエアインチョンへ引き継がれてきました。

つまり、統合しても運賃を自由に上げられる仕組みにはなっていません。加えて日韓路線には、ティーウェイ航空、イースター航空、チェジュ航空、エアプレミア、そして日本側のピーチやZIPAIRといった会社が多数参入しています。日韓路線は世界でも有数の過当競争市場で、統合大韓航空が値上げを仕掛ければ、そのままLCCへ客が流れる構造です。日韓の近距離路線について言えば、統合による値上げを心配する必要は当面小さいと考えられます。

むしろ注意すべきは長距離路線のほうではないでしょうか。日本の地方都市からソウル/仁川で乗り継いで欧米へ向かうルートは、成田や羽田を経由するより安く済むことが多く、実際に使っている人も少なくありません。ここは大韓航空とアシアナ航空が競合していた領域で、統合すれば同じグループの中での価格競争はなくなります。是正措置で運賃引き上げには制限がかかりますが、便数の組み方や座席の配分といった、価格表に出てこない部分での調整は起こり得ます。

路線の整理はこれから起こる

統合で最初に手が入るのは、重複する路線です。大韓航空とアシアナ航空が同じ区間を同じ時間帯に飛ばしているケースでは、片方を別の時間帯に移すか、機材を大型化して便数を減らすという判断が出てきます。大韓航空は重複路線の運航時間帯を分散させ、あわせて新規路線も開設する方針を示しています。

これは旅行者にとって、必ずしも悪い話ではありません。同じ時間帯に2社が飛んでいた区間で時間帯が分かれれば、朝と夕方の両方に選択肢ができます。一方、需要が細い地方路線では、統合を機に整理される可能性も残ります。

象徴的なのが神戸空港です。ジンエアーが2026年8月7日に神戸〜ソウル/仁川線に就航したばかりで、アシアナ航空も9月1日の就航を予定しています。同じグループの2社が、開港間もない国際線市場に相次いで入る形です。統合とLCC再編が完了する2027年には、この2つがどう整理されるのかという問題が出てきます。神戸発の韓国線を計画している方は、就航直後の路線であることを踏まえて、予約前に運航スケジュールを確認しておくのが安全でしょう。

旅行者は年内に何をすべきか

やるべきことははっきりしています。

まず、ANAのマイルを貯めている方でアシアナ便に乗る予定があるなら、10月15日搭乗分までに済ませてください。それ以降の搭乗はANAマイルの積算対象外です。事後登録も10月31日で締め切られます。

次に、アシアナ便を使う特典航空券やアップグレード特典を持っている方は、12月16日搭乗分までという期限を確認してください。17日以降の便は予約変更も払い戻しもできなくなるため、統合日をまたぐ旅程は年内に整理しておくのが賢明です。

アシアナクラブにマイルを貯めている方は、10年間は旧アシアナマイルとして扱われるので、慌てて使い切る必要はありません。ただし統合後は特典航空券の必要マイル数や取り方が変わる可能性があるため、統合大韓航空からの案内には目を通しておいてください。

12月17日以降にアシアナ便で予約している方は、便名や運航会社の表示が変わることが考えられます。搭乗券やeチケットの記載が予約時と違っていても慌てないよう、出発前に予約内容を確認しておくとよいでしょう。空港のチェックインカウンターの場所が変わる可能性もあります。

日本の地方空港からエアソウル、エアプサンを利用している方は、2027年第1四半期のジンエアーへの統合を頭に入れておいてください。ブランドは消えますが、路線がすぐになくなるとは限りません。年明け以降の運航計画の発表を待つ形になります。

まとめ

大韓航空とアシアナ航空の統合は2026年8月12日に正式承認され、12月17日の統合登記で「統合大韓航空」が発足します。合併比率は大韓航空1に対しアシアナ航空0.2736432で、アシアナ航空は存続会社に吸収されます。

日本の旅行者にとっての要点は3つです。アシアナ航空は12月16日にスターアライアンスを脱退します。ANAマイルの積算は10月15日搭乗分までです。アシアナ便の特典航空券は12月16日搭乗分までしか使えません。

日韓の近距離路線は競争相手が多く、韓国当局の是正措置で運賃引き上げにも制限がかかっているため、統合による値上げの心配は当面小さいと考えられます。注意しておきたいのは、日本の地方空港発の路線とソウル乗り継ぎの長距離路線です。エアソウルとエアプサンが2027年にジンエアーへ統合されることも含め、これから1年ほどは路線の組み替えが続きます。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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