大韓航空、機内Wi-Fiを全クラス無料化 Starlink導入で9月15日開始

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大韓航空は2026年9月15日、米スペースXの衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」を使った新しい機内Wi-Fiサービスを開始しました。Starlinkを搭載した機材の対象便では、ファーストクラスからエコノミークラスまで全クラスで無料提供されます。羽田・成田・関西・福岡など日本各地から多数の便を飛ばす大韓航空だけに、日本の旅行者にとっても身近な変化です。

何が変わるのか

今回導入されたのは、低軌道衛星を使ったStarlinkによる機内インターネットサービスです。搭載機材はエアバスA350-900型機やボーイング777-300ER型機などの大型機からで、2027年末までにほぼすべての機材への搭載を終える計画になっています。対象路線は米国や欧州、東南アジアなどの中長距離路線が中心で、一部の短距離路線でも順次提供される予定です。

利用できる内容も従来より広がりました。ウェブ検索やメッセージの送受信だけでなく、動画視聴やオンラインゲーム、大容量ファイルの転送、クラウドツールの利用など、地上のブロードバンド回線に近い使い方ができるとされています。接続方法は、機内で電子機器を機内モードに設定したうえで機内ネットワーク「wifi.koreanair.com」に接続し、搭乗券に記載された姓のローマ字表記と座席番号を入力する仕組みです。広告動画の視聴が接続の条件になる場合もあります。

大韓航空の機内Wi-Fiは、2023年6月に国際線の一部機材から有料サービスとして提供が始まっていました。今回のStarlink導入によって、料金体系そのものが有料から無料へと切り替わり、あわせて通信速度も大きく向上する形です。なお、Starlinkがまだ搭載されていない機材では、従来どおりの有料Wi-Fiが引き続き提供されます。

なぜ今、大韓航空が無料化に踏み切ったのか

機内Wi-Fiの無料化・高速化は、大韓航空だけの動きではありません。日本発着路線を飛ばす外国の大手航空会社では、ユナイテッド航空が太平洋線でStarlinkの導入を進めているほか、カタール航空やエミレーツ航空もドーハ・ドバイ経由便でStarlink対応機材を投入しています。日系のフルサービスキャリアであるANA・JALはStarlinkの正式導入をまだ発表しておらず、日本を拠点とする格安航空会社ZIPAIRが2026年5月に保有する787型機全8機へのStarlink搭載を完了させているのが、日本路線における先行例です。つまり大韓航空は、日本路線を含む国際線市場で「機内Wi-Fiが無料で速い」ことが標準になりつつある競争環境に合わせた形になります。

日韓路線というマーケットで見ると、大韓航空は羽田・成田・関西・福岡をはじめ日本の主要空港・地方空港に多数の便を飛ばしており、ビジネス利用者や乗り継ぎ利用者の比率が高い路線です。機内で仕事のメールを処理したり、オンライン会議に近い作業をしたりする需要は、レジャー客中心の路線よりも大きいと考えられます。無料で実用的な速度のWi-Fiを提供できることは、こうしたビジネス需要の高い路線での競争力に直結します。

タイミングにも意味があります。大韓航空は2026年8月12日にアシアナ航空との統合を正式決議し、12月17日に「統合大韓航空」として発足する予定です。統合後は日韓間で14都市21路線から17都市24路線へと路線網が広がり、傘下のLCCを含めると23都市33路線、1日およそ110往復という規模になります。統合によって日本路線での存在感がいっそう大きくなる大韓航空にとって、機内サービスの質を先に底上げしておくことは、規模の拡大と同時に「選ばれる理由」を作っておく取り組みだったと見ることができます。

旅行者への影響と利用時の注意点

大韓航空を利用する予定がある方は、搭乗する便の機材がStarlink対応かどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。同じ大韓航空でも、Starlink未搭載の機材に当たった場合は引き続き有料Wi-Fiとなるため、無料利用を前提に旅程を組んでいると想定と異なる場合があります。搭乗予定便の機材情報は、予約確認時やチェックイン時に確認できます。

接続時には搭乗券に記載された姓のローマ字表記と座席番号の入力が必要になるため、搭乗券を手元に用意しておくとスムーズです。動画視聴やオンラインゲームまで利用できる速度が想定されているとはいえ、実際の通信環境は搭乗率や飛行経路によって変動する可能性があるため、重要な用務については過度に依存しない備えをしておくと安心です。長距離の日韓路線や乗り継ぎ便を利用する方にとっては、移動時間を有効に使える環境が整ったことになるので、今後の搭乗時にはぜひ試してみてください。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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