米アラスカ航空は2026年10月28日、東京/成田〜アンカレッジ線を2027年5月13日に季節定期便として新規開設すると発表しました。日本とアラスカ州を結ぶ定期直行便は現時点でなく、今回の開設が実現すれば初の路線になります。使用機材はボーイング737MAX8で、夏季の2027年5月13日から9月7日(アンカレッジ発基準)まで毎日運航する計画です。
路線の内容
スケジュールは、成田発がAS22便(成田21:45発、翌日アンカレッジ12:00着)、アンカレッジ発がAS21便(アンカレッジ14:10発、翌日成田15:25着)です。成田〜アンカレッジ間は、太平洋を横断して北米本土へ向かう既存路線と比べて飛行距離が短く、単通路機(ナローボディ)での運航が成立する数少ない日米間の直行路線になります。アラスカ航空は、自社が保有する737型機のフリートの中でMAX8が最も航続距離が長く、この路線を運航できる唯一の機材だとしています。
夏季にデイリー運航した後、2027年9月8日以降は一旦運休し、2028年1月から週3便体制で運航を再開する計画です。つまり夏季はほぼ毎日、冬季の一部期間は運休を挟みながら季節運航する形になり、年間を通じた常設路線ではなく、需要の高い時期に重点を置いた運航形態です。
なぜ今、アラスカ直行便なのか
成田とアンカレッジを結ぶ直行便には、実は長い前史があります。1950年代から1960年代にかけて、日本とヨーロッパを結ぶ航空路は、当時のソビエト連邦の領空を避けるため北極圏を経由する「北回りルート」が使われており、燃料補給地としてアンカレッジが選ばれていました。1960年代から1980年代にかけては、日本航空をはじめとするアジア・ヨーロッパの航空会社の大型機がアンカレッジに次々と着陸し、空港内には一時寄港する日本人乗客向けの免税店やうどん店まで登場するほど賑わいました。しかし航空機の性能向上で長距離の直行便が主流になり、日本航空は1991年にアンカレッジ経由の北回り欧州線を完全に廃止しています。
今回の路線は、その「燃料補給のための経由地」としてのアンカレッジとは性格が異なります。737MAX8という単通路機でも長距離運航が可能になったことで、ワイドボディ機を使うほどの需要がなくても採算が取れる路線として、アンカレッジそのものを目的地とする直行便が成立するようになりました。アラスカ州は5月から氷河が見られる時期に入り、クルーズ船の寄港も本格化します。氷河観光や野生動物ウォッチングを目的とした日本からの観光需要を想定し、観光がピークを迎える夏季にデイリー運航を設定したとみられます。冬季に週3便へ減便する計画も、観光需要が夏季に比べて下がることを踏まえた判断と考えられます。
旅行者への影響と対処法
これまで日本からアラスカへ向かう場合、シアトルやアンカレッジ以外の都市を経由する乗り継ぎが基本でした。直行便ができることで、乗り継ぎ時間や空港での待ち時間を減らし、より短い日程でアラスカ観光を組み立てられるようになります。特にアラスカクルーズに参加する場合、クルーズの出発地であるアンカレッジやシアトル周辺への移動がシンプルになる点は大きなメリットです。
便はまだ2027年5月開設予定で、現時点では予約開始時期は発表されていません。夏季はデイリー運航ですが冬季は運休を挟んで週3便に減るため、渡航時期によって便数が大きく変わる点に注意が必要です。アラスカ観光を計画する場合は、氷河観光のベストシーズンである5月から9月の間で日程を組み、運航開始後の予約開始情報や価格をアラスカ航空の公式サイトで確認することをおすすめします。単通路機での長距離運航になるため、座席の広さやアメニティは大型ワイドボディ機とは異なる点も踏まえ、長時間フライトに備えた機内での過ごし方を事前に考えておくとよいでしょう。


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