大韓航空が広島〜ソウル線に12月23日就航 広島空港へは1993年の移転以来はじめて

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大韓航空は2026年8月24日、広島空港とソウル(仁川)を結ぶ路線を12月23日に開設すると正式に発表しました。運航は1日1往復の毎日運航で、機材はエアバスA321neoです。大韓航空が広島空港に定期便を就航させるのは、1993年に現在の場所へ空港が移転して以来はじめてとなります。既存のチェジュ航空便とあわせると、広島とソウルを結ぶ便は1日3往復に増えます。

就航の概要

運航スケジュールは次のとおりです。

便名 区間 出発 到着
KE2183 ソウル(仁川)→ 広島 10:35 12:15
KE2184 広島 → ソウル(仁川) 13:25 15:25

就航日は2026年12月23日で、週7往復の毎日運航です。使用機材はエアバスA321neoで、座席数は2クラス182席(プレステージクラス8席、エコノミークラス174席)となります。

注目したいのは、このA321neoに搭載されているプレステージクラスです。大韓航空のビジネスクラスとしては初めて180度リクライニングするフルフラットシートを採用しており、パーソナルモニターとワイヤレス充電器を備えています。単通路機のビジネスクラスとしては上位の設備です。

広島空港を運営する広島国際空港によると、大韓航空の定期便就航は1993年の空港移転以来はじめてとのことです。広島とソウルの間ではチェジュ航空がすでに1日2往復を運航しており、今回の就航によって両社合計で週21往復、1日3往復体制になります。

なぜいま広島なのか

この就航には、大韓航空が置かれている状況が反映されています。

ひとつは、アシアナ航空との統合です。大韓航空は2026年12月17日に統合の手続きを進めることになっており、今回の就航日である12月23日は、その直後にあたります。統合によって大韓航空グループが抱える路線網は大きく広がりますが、同時に重複する路線の整理も避けられません。傘下のLCCについても、ジンエアー・エアプサン・エアソウルの3社を2027年3月17日にジンエアーを存続会社として統合することが決まっています。日本路線の再編は、この一連の動きの中に位置づけられます。

日本の地方空港とソウルを結ぶ路線は、この数年で完全にLCCの主戦場になりました。鹿児島、大分、広島、静岡といった空港に入っているのは、チェジュ航空やエアプサンといったLCCです。運賃は安く、需要も取れていますが、単価は高くありません。その市場に、フルサービスキャリアである大韓航空があえてビジネスクラス付きの機材で入るというのが今回の判断です。

鍵になるのは時刻の設定だと考えられます。広島発のKE2184便は13時25分に出て、仁川に15時25分に着きます。仁川空港は夕方から夜にかけて欧米・東南アジア方面への長距離便が集中的に出るハブ空港です。15時25分着という時刻は、そこへ乗り継ぐには具合のよい時間帯です。逆に、広島に12時15分に着くKE2183便は、朝に欧米各地から仁川に到着した便からの乗り継ぎを受けられます。つまりこの路線は、広島とソウルの間を往復する客だけを狙ったものではなく、仁川を経由して第三国へ抜ける客を取りにいく路線だと読むのが自然です。

広島側の事情も後押しします。広島は訪日客に対して強い集客力を持つ都市です。広島市の平和記念資料館を訪れた外国人は2025年度に94万5000人で、来館者全体の4割近くを占めました。平和記念公園と宮島を巡るツアーは、旅行口コミサイトの体験部門で2026年に世界2位の評価を得ています。素材の力は十分にあります。

一方で、広島県の訪日客には「通過型」だという指摘が以前からあります。日本政策投資銀行の調査では、宿泊数や消費水準で他地域に見劣りするとされてきました。人は来るが、泊まらず、使わないという構図です。この状況を変えるには、京都や大阪から日帰りで来る客ではなく、広島に直接降りる客を増やす必要があります。国際線の直行便が細いままでは、その動線が作れません。今回の就航は、広島空港にとって国際線の質を上げる意味を持ちます。

韓国からのインバウンド需要という面でも読み解けます。韓国からの旅行者は日本の地方都市への関心が高く、リピーターが多い層です。ただ、韓国線は運賃競争が激しく、単価が上がりにくい市場でもあります。大韓航空がフルフラットシートを備えた機材を投入するのは、この路線を単純な韓国往復の需要だけで評価していないことの表れでしょう。ビジネスクラス8席という規模は、広島とソウルの間の商用需要だけでは埋めきれません。仁川乗り継ぎの長距離客と、日本発の出張需要を合わせて成立させる設計だと考えられます。

旅行者にとって何が変わるのか

まず、広島からソウルへ行く選択肢が単純に増えます。これまで広島発のソウル線はチェジュ航空の1日2往復だけでした。ここに毎日1往復が加わり、時間帯の選択肢が広がります。

大きいのは乗り継ぎです。広島から欧州や北米へ行く場合、これまでは羽田・成田・関西のいずれかまで国内線か新幹線で移動し、そこから国際線に乗るのが基本でした。仁川経由という選択肢が加わることで、広島空港から直接海外へ抜ける行程が組めるようになります。所要時間で羽田・関西経由に勝てるかはケースによりますが、乗り継ぎ回数と国内移動の負担を減らせる場面はあるはずです。

運賃面では、フルサービスキャリアであるためチェジュ航空より高くなるのが基本です。ただ、大韓航空はスカイチームに加盟しており、デルタ航空などとの提携があります。マイルを貯めている方や、預け入れ手荷物・座席指定・機内食を含めた総額で比較したい方にとっては、単純な運賃比較では見えない差が出てきます。

日程を組むうえで注意したいのは、就航日が12月23日だという点です。年末年始の直前で、この時期の韓国線は例年混み合います。就航直後の便は座席の埋まりが早い可能性があるので、年末年始に使いたい方は早めに動いたほうがよいでしょう。

また、広島空港は広島市中心部から離れており、リムジンバスで50分前後かかります。仁川発の便は広島に12時15分着、広島発の便は13時25分発なので、市内からの移動時間を含めた行程を立てておく必要があります。

チェジュ航空便との使い分けも考えどころです。安く行きたい、荷物が少ない、日帰りに近い短い滞在という条件ならLCCが有利です。長時間フライトへの乗り継ぎ、荷物が多い、快適性を重視するといった条件なら大韓航空が向きます。1日3往復になったことで、目的に応じて選べる状態になったといえます。

まとめ

大韓航空の広島就航は、地方空港とソウルを結ぶ路線がLCC中心になっている中で、フルサービスキャリアがビジネスクラス付きの機材で入ってくるという点に特徴があります。仁川着15時25分という時刻から見て、韓国往復の需要だけでなく、仁川ハブ経由の長距離乗り継ぎを取りにいく路線だと考えられます。広島とソウルの間は1日3往復になり、目的に応じて航空会社を選べるようになります。年末年始に韓国や、その先の海外へ向かう予定のある方は、12月23日の就航日と予約の時期を意識しておいてください。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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