小田急箱根、箱根ロープウェイに有料優先改札 2026年11月21日・22日に実証実験

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紅葉シーズンの2日間限定 500円で優先的に改札を通過

株式会社小田急箱根は2026年11月4日、箱根ロープウェイで有料の優先改札予約(有料ファストレーン)を実証実験すると発表しました。実施日は紅葉シーズンの2026年11月21日(土)・22日(日)の2日間です。

対象となるのは早雲山駅(早雲山→大涌谷、11時~15時)と大涌谷駅(大涌谷→姥子・桃源台、11時~16時)の2駅です。15分ごとに100名、1組5名までの枠で予約を受け付け、予約は2026年11月13日(金)18時から公式サイト「箱根ナビ」で乗車駅を選んで行います。料金は小学生以上一律500円で、乗車券は別途必要です。支払いは当日、乗車駅の改札口で予約画面を提示したうえで現金で行い、キャンセルは無料です。

あくまで「優先的に改札を通過できる」サービスであり、座席の保証ではない点には注意してください。同じ期間、箱根登山ケーブルカー(強羅→早雲山、片道)でも優先改札予約を実施しますが、こちらは無料です。11時台~14時台の各1便30名限定で、予約開始は11月4日(水)14時からとなっています。

なぜ有料化するのか 小田急箱根の経営判断

9月のシルバーウィーク施策との違いは「初の有料化」

小田急箱根は2026年9月20日・21日のシルバーウィークにも、箱根登山電車の着席確約券(箱根湯本11時58分発の強羅行き臨時列車、定員60人、通常運賃に500円を加算してEMotで販売)と、ロープウェイ・登山ケーブルカーの優先改札予約(いずれも無料)を実施していました。

今回11月の施策との最大の違いは、ロープウェイの優先改札予約を初めて有料にした点です。これまでは混雑対策として無料で提供してきたサービスに課金する形に変えたことになり、業界メディアも「公共交通での有料ファストレーンの導入は珍しい試み」と取り上げています。座席の保証がないサービスに課金するという点では、他の鉄道会社にもあまり前例のない取り組みです。

好調なインバウンドと混雑の板挟み

箱根エリアは2025年の観光客数が2112万人となり、新型コロナ禍以降7年ぶりに2100万人台を回復しました。箱根エリアの売上高は2025年度で297億円と、小田急グループ全体の連結売上高の7%程度を占める主力事業です。

訪日外国人の存在感も大きくなっています。2024年度の箱根フリーパスの外国人向け販売枚数は2018年度比で32.1%増え、過去最高を記録しました。国別では中国・アメリカ・韓国が上位を占めています。インバウンドの回復が箱根エリアの収益を支える一方で、ロープウェイや登山電車の混雑も深刻化しており、紅葉シーズンの3連休(11月21日~23日)は大涌谷方面と強羅・小涌谷方面の紅葉が同時に見頃を迎えるため、箱根全体で最も混み合う時期の一つとされています。大涌谷の駐車場は9時開場で、正午から15時ごろにピークを迎え、渋滞が三叉路から1時間以上に及ぶこともあると報じられています。

100億円超の投資と収益化の両立

小田急箱根は主力施設の更新に100億円を超える投資を行う方針を示しています。好調なインバウンドをさらに取り込みつつ、混雑を解消する手段として、無料の優先改札だけでなく、有料でも構わないから快適に移動したいという需要を取り込む有料サービスの導入に動いたと考えられます。混雑対策と収益化を同時に進める経営判断といえるでしょう。

旅行者への影響と対策

今回の実証実験は2日間限定で、予約開始は11月13日18時からです。希望する時間帯の枠は早い者勝ちで埋まっていく可能性が高いため、紅葉シーズンの3連休に箱根を訪れる予定がある場合は、予約開始直後にアクセスすることをおすすめします。

有料の優先改札はあくまで選択制です。500円を払わずに通常の改札に並ぶことも可能なので、予算や待ち時間への考え方に応じて選べます。一方で、箱根登山ケーブルカーの優先改札は無料で予約できるため、こちらは費用をかけずに利用できる手段として覚えておくとよいでしょう。

大涌谷周辺は自動車での来訪者も多く、駐車場の渋滞が正午から15時ごろに集中します。車での移動を考えている場合は、午前の早い時間帯に到着するか、強羅・小田原方面から登山電車とロープウェイを乗り継ぐルートに切り替えることで、渋滞と混雑の両方を避けやすくなります。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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