スカイマークの茨城―新千歳直行便、朝どれ玉里れんこんを8時間で札幌へ空輸

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スカイマークは2026年11月6日、茨城県・新ひたち野農業協同組合(JA新ひたち野)・株式会社フレッシュワンとの共同リリースで、茨城空港発新千歳空港行きの直行便を使い、収穫からわずか8時間で茨城県小美玉市玉里地区の「玉里(たまり)れんこん」を札幌市内の大丸札幌店へ空輸する取り組みを発表しました。実施日は茨城県民の日にあたる11月13日と、翌週16日の2日間です。物流の話題ではありますが、使われるのはスカイマークが実際に飛ばしている定期旅客便であり、茨城空港と新千歳空港を結ぶ路線そのものを知ってもらうきっかけにもなる企画です。この記事では、今回の取り組みの内容と背景に加えて、旅行者としてこの直行便をどう使えるかも合わせて紹介します。

スカイマーク茨城―新千歳直行便の運航状況

茨城空港と新千歳空港を結ぶスカイマークの直行便は、2026年度冬ダイヤ(2026年10月25日~2027年3月27日)で1日3往復、6便の体制で運航されています。今回のれんこん空輸に使われるのは、茨城空港を午前9時35分に出発し、新千歳空港に午前11時に到着するSKY791便です。飛行時間は1時間25分で、東京から北海道へ飛ぶ定番ルートである羽田―新千歳間と比べても遜色のない所要時間です。

区間便名出発到着
茨城発新千歳行きSKY791便9:3511:00

茨城空港は、入口から搭乗口までの移動距離が短く、保安検査場も混雑しにくい小規模な空港です。羽田や成田で大型連休のたびに経験する行列や移動の煩わしさが少ない点は、茨城空港を使う旅行者にとって実質的なメリットになります。

一方でアクセス面には注意が必要です。東京駅八重洲南口と茨城空港を結んでいた直行の高速バスは、2026年8月3日から運休が続いています。現在、茨城空港への主なアクセス手段は、水戸駅南口からの空港バス(所要約40分、片道1500円)、石岡駅からの空港バス(所要約30分から35分、片道680円)、または自家用車(北関東自動車道の空港インターチェンジから直結、無料駐車場約3600台分あり)です。東京方面から向かう場合は、常磐線で水戸駅か石岡駅まで出てバスに乗り継ぐルートが現実的な選択肢になります。

事業者の意図、地方路線を軸にした貨客混載と地域連携戦略

今回の企画は、茨城県とスカイマークが2026年2月に締結した包括連携協定に基づく、茨城県産品の販路拡大策のひとつです。発表では「朝どれれんこんの空輸」と「茨城空港の定期便を利用した生鮮品貨物の輸送」の2点が、日本一のれんこん産地である茨城県においても初の取り組みだと説明されています。

スカイマークは2026年5月29日から、茨城発新千歳行きの旅客便の貨物室を使い、ヤマト運輸と連携して精密機器などを運ぶ貨客混載をすでに始めていました。今回はその対象を生鮮食品に広げ、新千歳空港到着後は佐川急便のチャーター車両で大丸札幌店まで陸送する体制を新たに組んでいます。地方路線は旅客需要だけでは収益を確保しにくく、貨物室の空きスペースを有効活用できれば、路線単体の収益構造を補強できます。茨城空港発着便を持つスカイマークにとって、貨客混載は路線を維持するための現実的な収益補完策であり、同時に「茨城空港発の便で荷物を送れる」という実例を積み重ねることにもなります。

地域PRという面では、11月13日の水掘り収穫から13時の試食販売開始までの全工程をメディアに密着取材可能な形で公開している点が特徴的です。収穫・空輸・店頭販売という一連の流れをストーリーとして見せることで、茨城空港そのものの認知度向上につながる無料の広告効果が期待できます。大丸札幌店の「茨城フェア」は今回で3回目、春のメロン、夏の梨に続く秋の企画であり、1回限りの話題作りではなく、茨城県とスカイマーク、百貨店側が続けている定例の取り組みという位置づけです。

背景として発表資料で触れられているのが、茨城と北海道の100年を超えるつながりです。玉里地区のれんこん栽培は100年以上の歴史を持ち、水戸藩主だった徳川光圀(水戸黄門)が玉里地区かられんこんを取り寄せ、庭園の池に白蓮と赤蓮を植えたという言い伝えが残っています。さらに、明治末期の時点ですでに玉里産のれんこんが北海道へ出荷されていた記録が、JA新ひたち野の前身にあたる組合の四十年史に残っているとされています。茨城から北海道へ農産物を送るという行為自体が、すでに百年以上前から存在していたわけです。今回の企画は、その歴史的なつながりを、トラックや船ではなく航空機という現代の手段で結び直したものと位置づけられます。もっとも、水戸藩と北海道の開拓史における関わり全体について見ると、分領支配の時期に水戸藩が天塩国などの一部を統治した経緯はあるものの、明治期以降に茨城県から北海道へ実際に移住した人数は他県と比べて多くはなかったとされており、移住・開拓という大きな歴史物語よりも、れんこんという一つの農産物の流通史に絞って語られている企画だと捉えるのが実態に近いと考えられます。

旅行者への影響と対策

今回の発表は貨物輸送の話題が中心ですが、旅行者にとっては茨城空港という選択肢を再確認する機会になります。東京から北海道へ向かう際、羽田や成田が混雑する時期であれば、茨城空港発着のスカイマーク便は空港内の移動や手続きの負担が少なく、早期予約を使えば片道の運賃を抑えやすいという利点があります。ただし東京駅からの直行バスが運休中である現状を踏まえると、常磐線で水戸駅または石岡駅まで出てからバスに乗り継ぐ時間を事前に調べたうえで、空港までの移動時間に余裕を持たせて計画することが欠かせません。

玉里れんこんそのものは、11月13日と16日の大丸札幌店「茨城フェア」限定販売のため、札幌に用がない読者が店頭で直接手に入れる機会は限られます。れんこんの白さやシャキシャキとした食感を実際に味わいたい場合は、産地である茨城県を訪れて味わう方法のほうが現実的です。霞ヶ浦周辺は国内で流通するれんこんのおよそ半分を生産する日本一の産地で、11月は出荷のピークを迎える時期にあたります。地元の直売所や飲食店では、天ぷらや煮物、きんぴらなど、れんこんを使った料理を旬の時期に合わせて提供しているところが多く見られます。茨城空港を使って北海道へ向かう前後に、産地である小美玉市周辺に立ち寄って、空輸される前の玉里れんこんを現地で味わってみるという楽しみ方もできます。

今回のような地方路線を使った地域産品のPR企画は、路線の存在を知ってもらう効果を持つ一方で、天候や運航状況によっては実施できない場合もあると発表資料にも明記されています。茨城空港と新千歳空港を結ぶ直行便を実際に使う予定がある場合は、出発直前まで運航状況を公式サイトで確認しておくことをおすすめします。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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