JR東海、訪日客向けアプリで東海道新幹線のリアルタイム運行情報とプッシュ通知を提供開始

交通・観光ニュース

JR東海と株式会社ナビタイムジャパンは2026年9月7日、訪日外国人観光客向けナビゲーションアプリ「Japan Travel by NAVITIME」で、東海道新幹線のリアルタイム運行情報の提供を同日から開始したと発表しました。JR東海の運行状況ホームページと連携し、アプリ内に列車の遅延時分を表示するほか、JR東海の自社サービス以外では初めて、遅延発生時にプッシュ通知で知らせる機能も搭載します。

なぜ「自社サービス以外で初めて」の連携なのか

観光庁が実施した訪日外国人旅行者の受入環境に関する調査では、観光地や交通機関の混雑・渋滞に困った人のうち、その理由として「情報が発信されていない・情報量が不足している」ことを挙げた人が、都市部・地方部ともに41%にのぼるという結果が出ています。日本語が読めない旅行者にとって、遅延や運休の情報がどこにあるかを探すこと自体が高いハードルになっているのが実情です。

JR東海はこれまでも自社の運行状況ホームページで東海道・山陽新幹線の情報を提供してきましたが、これは基本的に日本語話者を主な利用者として想定したものでした。今回の取り組みが「自社サービス以外では初めて」と位置づけられているのは、情報そのものを新しく作ったのではなく、すでに手元のスマートフォンに入っている多言語アプリへ、既存の運行情報を届ける経路を新設したという点に意味があります。旅行者が別のサイトを探しに行かなくても、普段使っているアプリの通知だけで遅延を把握できるようにする、情報の「最後の1マイル」を埋める施策と言えます。

東海道新幹線が最初の対象路線に選ばれた理由

JR東海の発表では、東海道新幹線は「Japan Travel by NAVITIME」において経路検索ニーズの高い路線の一つだと説明されています。東京・京都・大阪を結ぶ東海道新幹線は、訪日旅行の定番ルートである「ゴールデンルート」を支える基幹路線であり、外国人観光客の利用密度がもともと高い区間です。日本政府観光局(JNTO)の統計によると、2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万人と過去最多を更新し、2026年も月ごとに最高記録の更新が相次いでいます。増え続ける訪日客のうち、これから東海道新幹線を利用する人の割合が大きいからこそ、まず優先的にこの路線から対応したと考えられます。

サービス内容

「Japan Travel by NAVITIME」は、アプリとWebサービスを合わせて月間アクティブユーザー数200万を超える訪日外国人向けナビゲーションアプリです。訪日前のプランニング・予約から旅行中の移動、旅行後の体験シェアまでを一貫してサポートする機能を、英語・中国語(繁体字・簡体字)・韓国語・スペイン語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語の13言語で提供しています。今回の連携により、このアプリ内で東海道新幹線の列車の遅延時分を確認できるようになるほか、遅延が発生した際にはプッシュ通知で知らせを受け取れます。

旅行者への影響と活用法

このサービスの直接の対象は訪日外国人観光客ですが、日本人旅行者にとっても無関係ではありません。外国人の同行者や家族がいる旅行では、このアプリを共有しておくことで、言語の壁なく運行情報を確認し合えるようになります。東海道新幹線を利用する予定があるなら、出発前にアプリをスマートフォンにインストールし、通知を有効にしておくと、乗車前や乗り換え時に遅延が発生していないかをその場で確認できます。

一方で、この機能はあくまでJR東海の運行状況ホームページの情報をアプリに転載するものであり、指定席の変更や払い戻しといった手続きそのものはこれまで通り駅の窓口や公式の予約サービスで行う必要があります。日本語で情報を確認したい人や、えきねっと・JR東海ツアーズなど自社の予約サービスをすでに使っている人は、従来通りそちらの情報源を使う方が確実です。今回の取り組みは、あくまで多言語対応が手薄だった訪日客の情報格差を埋めるための一手だと理解しておくとよいでしょう。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

ぴりかをフォローする
交通・観光ニュース

コメント