JR四国が2026年度の日中集中工事を発表|予讃線・高徳線・土讃線で特急運休、代行バスの日程と対策

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JR四国は2026年8月18日、2026年度に実施する日中時間帯の集中工事の内容を発表しました。予讃線・高徳線・土讃線の5つの区間で、昼間の6時間ほど列車の運転を止めて線路設備の改良工事を行います。特急列車を含む多くの列車が運休し、一部の列車にはバスによる代行輸送が設定されます。

最初の実施は2026年9月29日からの土讃線で、以降2027年2月まで断続的に続きます。四国方面の旅行を計画している方は、日程が重なっていないか早めに確認しておくことをおすすめします。

5つの区間で、昼の6時間を止めて工事する

今回発表された実施区間と日程は次のとおりです。工事区間と運休区間が一致しない箇所があるため、どちらも確認してください。

線区 運休区間 実施日 施工時間帯
土讃線 高知駅〜窪川駅(工事は須崎駅〜窪川駅) 2026年9月29日・30日・10月1日 9時30分頃〜15時30分頃
予讃線 松山駅〜八幡浜駅(山回り・内子経由。工事は伊予市駅〜八幡浜駅) 2026年12月7日〜10日 9時頃〜15時頃
予讃線 八幡浜駅〜宇和島駅 2027年1月12日・13日・18日・19日 10時頃〜16時頃
土讃線 高知駅〜窪川駅(工事は伊野駅〜須崎駅) 2027年2月2日〜4日 9時30分頃〜15時30分頃
高徳線 三本松駅〜徳島駅(工事は三本松駅〜板野駅) 2027年2月8日〜10日 9時30分頃〜15時30分頃

いずれも6時間程度の施工時間帯が設定されています。夜間ではなく日中に止める点が今回の特徴です。

運休本数がもっとも多いのは予讃線と高徳線

区間ごとの運休本数を見ると、影響の大きさに差があります。

予讃線の松山駅〜八幡浜駅(内子経由)では、特急列車が上下各6本運休します。普通列車は伊予市駅〜伊予大洲駅で上下各3本、伊予大洲駅〜八幡浜駅で上下各3本が対象です。この区間の特急は松山駅と宇和島駅を結ぶ「宇和海」で、日中の便がまとまって止まる形になります。

予讃線の八幡浜駅〜宇和島駅も、特急が上下各6本、普通列車が上下各2本の運休です。

高徳線の三本松駅〜徳島駅では、特急が上下各6本運休します。普通列車は三本松駅〜引田駅で上り5本・下り4本、三本松駅〜板野駅で上下各1本が対象です。高松駅と徳島駅を結ぶ特急「うずしお」の日中便が影響を受けます。

土讃線は2回に分かれます。2026年9月29日からの回は、高知駅〜窪川駅で特急上下各1本、須崎駅〜窪川駅で特急上下各2本、普通列車が須崎駅〜窪川駅で上下各1本です。2027年2月2日からの回は、高知駅〜須崎駅で特急上下各2本、高知駅〜窪川駅で特急上下各1本、普通列車は高知駅〜須崎駅で上り2本・下り1本、伊野駅〜須崎駅で上下各4本が対象になります。高知駅から中村駅・宿毛駅方面へ向かう特急「あしずり」が該当します。

代行バスは停車駅が絞られる

運休する列車のうち、一部にはバスによる代行輸送が用意されます。ただし、いずれも通常の列車とは停車駅が大きく異なります。

予讃線の松山駅〜八幡浜駅では、代行バスの停車駅は伊予市駅・内子駅・伊予大洲駅のみです。八幡浜駅〜宇和島駅では卯之町駅のみが停車駅になります。高徳線の三本松駅〜徳島駅の代行バスは途中の駅にいっさい停車せず、三本松駅〜板野駅の便が引田駅に停車するだけです。土讃線も、高知駅〜窪川駅の代行バスは須崎駅・土佐久礼駅のみ、2027年2月の回は佐川駅・須崎駅のみといった具合に絞られます。

途中の小さな駅で乗り降りする予定だった場合、代行バスでは目的の駅に降りられません。この点は事前に確認が必要です。

動く区間・動く路線もある

全部が止まるわけではありません。予讃線の松山駅〜八幡浜駅の工事期間中も、予讃海回り線の伊予市駅〜伊予大洲駅(愛ある伊予灘線)を走る列車は運行されます。八幡浜駅〜宇和島駅の工事期間中は、予土線の列車が運行されます。

海回りは内子経由より所要時間が長くなりますが、選択肢として残ります。

なぜ夜ではなく昼に工事をするのか

線路の保守工事は、これまで終電から始発までの夜間に行うのが基本でした。旅客への影響が出ないからです。それを昼間に切り替えるということは、運休という代償を払ってでも昼にやりたい理由があるということになります。

JR四国は今回のリリースで、労働人口の減少に伴い線路設備の保守を行う作業員の確保が困難になりつつあること、老朽化した線路設備の改良工事を効率的に進める必要があること、作業員の働き方改革を図ることの3点を挙げています。

夜間作業は1日あたりの実働時間が短すぎる

夜間工事は、終電後に線路への立ち入りが許可され、始発前に撤収を終える必要があります。準備と撤収の時間を差し引くと、実際に作業できるのは2時間から3時間程度にとどまります。今回設定された日中の施工時間帯は6時間程度ですから、単純に見ても1日あたり2倍以上の作業ができる計算です。

同じ工事量なら日数が半分以下で済み、動員する作業員の延べ人数も減ります。人が集まらない前提で計画を立てるなら、1回あたりの作業効率を上げるしかありません。

深夜労働が続く限り、保線の人手不足は解消しない

作業員が集まらない理由は賃金だけではありません。深夜に働き、日中に眠るという生活が常態化する職種は、他業種と条件を比べられたときに不利になります。建設業界全体で働き方改革が進むなかで、鉄道の保線だけが従来どおりの夜間シフトを続けるのは現実的ではなくなってきました。

JR西日本も同じ2026年8月18日に、山陰線で日中と夜間の集中工事を実施すると発表しています。そちらのリリースでも、線路保守を担う建設業界の働き方改革の進展が理由として挙げられています。特定の会社の事情ではなく、鉄道各社に共通する構造的な問題として広がっていると見るべきでしょう。

収支の厳しさが「日中運休」への抵抗感を下げている

JR四国の2024年度の鉄道事業の営業損失は148億円台でした。線区別で見ても、全18線区の営業損失は共通費を含めて138億円に達しています。

日中の特急を6本止めれば、その分の運賃・料金収入は失われます。しかし、もともと収支が大きく赤字の区間であれば、失う収入も限られます。逆に、工事を先送りして設備の老朽化が進めば、将来的な修繕費や事故リスクのほうが重くのしかかります。収支が厳しい会社ほど、日中運休という選択に踏み切る合理性は高くなります。

今回の対象がいずれも都市部の通勤路線ではなく、日中の本数がもともと限られる区間である点も、この判断を裏づけていると考えられます。

旅行者への影響と、避けるための具体策

四国の鉄道旅行を計画している方が取るべき対応は次のとおりです。

まず、旅程の日程が実施日と重なっていないかを確認してください。とくに2026年9月29日から10月1日の土讃線と、2027年2月上旬の土讃線・高徳線は、秋の行楽と冬の連休前後にあたります。四万十・中村方面や徳島方面へ抜ける行程を組んでいる方は要注意です。

重なっている場合は、午前の早い時間帯か夕方以降に移動時間をずらすのが最も確実です。施工時間帯は9時前後から15時から16時頃までなので、その前後の列車は動きます。松山から宇和島方面へ向かうなら、朝のうちに移動を済ませてしまう組み方が現実的です。

代行バスを使う場合は、目的の駅に停車するかを必ず確認してください。内子駅・伊予大洲駅・卯之町駅・須崎駅・土佐久礼駅・佐川駅・引田駅といった限られた駅にしか停まりません。それ以外の駅が目的地なら、家族の送迎や路線バス、タクシーなど別の手段を考える必要があります。

指定席を持っている場合も、列車が運休すれば当然乗れません。運休列車名と時刻の詳細は、リリースの別紙に掲載されています。関係する駅では準備が整い次第、告知文が掲出されます。予約済みの方は、購入した窓口や予約サイトで払い戻し・変更の扱いを確認してください。

予讃線の松山駅〜八幡浜駅が対象の期間は、海回りの愛ある伊予灘線が動きます。時間に余裕があるなら、内子経由をあきらめて海沿いを回るという選び方もできます。所要時間は延びますが、伊予灘の景色を眺めながら移動できるという意味では、悪い選択肢ではありません。

まとめ

JR四国が2026年度に行う日中の集中工事は、予讃線・高徳線・土讃線の5区間が対象です。実施は2026年9月29日から2027年2月10日まで、それぞれ3日から4日間ずつ行われます。日中の6時間ほど特急を含む列車が運休し、代行バスは停車駅が大きく絞られます。

背景にあるのは保線作業員の確保難と、夜間作業の効率の低さです。今後も同様の日中運休は各社で増えていくと考えられます。

四国方面へ列車で旅行する予定がある方、とくに松山から宇和島方面、高松から徳島方面、高知から四万十方面へ移動する行程を組んでいる方は、日程の重なりを先に確認してください。移動を午前中や夕方以降にずらせる方であれば、影響はほぼ回避できます。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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