JR西日本とANAが訪日外国人向け鉄道予約システムを連携開始

交通・観光ニュース

JR西日本とANAが2026年10月8日、訪日外国人向けのMaaS(移動のサービス化)連携を始めたと発表しました。ANAの経路検索サービス「Travel CUBE」で検索した内容を、そのままJR西日本の訪日客向け予約サイト「JR-WEST ONLINE TRAIN RESERVATION」に引き継げるようになります。飛行機を降りてから新幹線や特急に乗り継ぐまでの手続きが、どう変わるのか見ていきます。

何がどう変わるのか

これまで訪日外国人が空港から新幹線や特急に乗り継ぐ場合、ANAなど航空会社のサイトで経路を検索したあと、JR西日本の予約サイトを別途開き直して、出発駅・到着駅・日時をもう一度入力する必要がありました。今回の連携により、Travel CUBEで検索した乗降駅や時刻などの条件がJR-WEST ONLINE TRAIN RESERVATIONの予約画面に自動で引き継がれ、再入力なしでそのまま予約・決済まで進めます。検索から決済まで一貫して英語UIで操作できるため、日本語に不慣れな利用者でも迷いにくい設計です。対象は関西エリアの新幹線・特急が中心で、JR-WEST ONLINE TRAIN RESERVATIONが取り扱う区間・列車の一部はTravel CUBEとの連携範囲外になる点には注意が必要です。

なぜいま鉄道会社と航空会社が手を組むのか

この連携は、JR西日本がJALとANAそれぞれと2026年4月30日に締結した「西日本エリアの社会課題解決に向けた連携強化」協定に基づく具体策の一つです。協定そのものは2030年代をめどにした鉄道・航空の一括予約という長期構想を掲げていましたが、今回はその第一弾として、ANA側のMaaSプラットフォームとJR西日本の予約システムという、実際に動くシステム同士をつないだ点が異なります。

訪日外国人数の推移を見ると、2026年7月は344万2100人で同月として過去最多を記録した一方、6月は前年同月比6.8%減の314万8600人、1月も4年ぶりに前年を下回るなど、月によって増減を繰り返しています。中国からの旅行者数が大きく落ち込んだ時期もあり、国・地域によって動きが異なるのが2026年のインバウンド市場の特徴です。数の増減が安定しないからこそ、個々の旅行者が使いやすい予約環境を整え、1人当たりの満足度や周遊範囲を広げることが収益確保の手段になります。JR西日本にとっては、新幹線や特急の利用を鉄道単体で完結させず、空港からの移動と一体で設計することで、関西から山陽・山陰・北陸方面への周遊需要を取りこぼさないようにする狙いがあると考えられます。ANA側も、自社の国際線で日本に到着した旅行者を、提携する鉄道の二次交通までシームレスに案内できれば、航空券単体の販売では得られない顧客接点を持てるというメリットがあります。JALとも同様の協定を結んでいますが、具体的なシステム連携を先に実装したのはANAで、JR西日本との協業を先行させることで、西日本エリアの訪日需要の取り込みで一歩先行する形になりました。

旅行者への影響とすべきこと

今回の連携は訪日外国人向けのサービスのため、日本在住者が日本語で予約する場合はこれまでと変わりません。海外在住の家族・友人を日本に招く予定がある場合は、ANAの国際線を利用し関西方面へ新幹線や特急で移動する行程であれば、Travel CUBE経由で予約すると入力の手間が減ることを案内してあげるとよいでしょう。ただし対象は関西エリアの新幹線・特急が中心で、全国すべての区間が連携しているわけではないため、山陽新幹線区間や在来線特急の細かな対応範囲は、利用前にJR西日本・ANAそれぞれの公式サイトで確認することをおすすめします。また、JR西日本とJALの間でも同様の協定に基づく取り組みが今後出てくる見込みなので、どちらの航空会社を使うかによって使える予約連携が変わる可能性がある点も覚えておくとよいでしょう。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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