台湾のスターラックス航空は2026年8月21日、高雄〜沖縄/那覇線と高雄〜神戸線を2027年1月1日に開設すると発表しました。どちらも1日1往復の運航です。同社は同じ日に高雄を第3の拠点として稼働させる予定で、これにより日本路線は21路線に拡大します。この2路線については、8月13日に台湾の立法委員がSNSで計画を明かしていましたが、今回、運航ダイヤを伴う正式発表となりました。
高雄〜沖縄/那覇線の内容
高雄〜那覇線は2027年1月1日に開設され、週7往復の毎日運航です。
| 便名 | 区間 | 出発 | 到着 |
|---|---|---|---|
| JX362 | 高雄→那覇 | 17時15分 | 20時00分 |
| JX363 | 那覇→高雄 | 21時00分 | 22時05分 |
使用機材はエアバスA321neoで、ビジネスクラス8席とエコノミークラス180席の計188席という構成です。
時刻を見ると、那覇での折り返し時間は1時間しかありません。機材を那覇に留め置かず、高雄側の運用で1日のうちに戻す形です。夕方に高雄を出て夜に那覇へ着き、その日のうちに高雄へ帰る組み方なので、日本側から見ると那覇を夜に出発することになります。台湾南部から沖縄へ向かう需要を主に見たダイヤと考えられます。
那覇〜高雄線には、すでにチャイナエアライン、タイガーエア台湾、タイライオンエアの3社が就航しています。スターラックスの参入で4社が競合する路線になります。
高雄〜神戸線はチャーター便として毎日運航
高雄〜神戸線も2027年1月1日の開設で、1日1往復です。ただしこちらは国際チャーター便としての運航になります。機材は那覇線と同じA321neoの188席仕様です。
所要時間は神戸発が3時間45分、高雄発が2時間50分と、往路と復路で55分の差があります。西向きに飛ぶ神戸発が向かい風、東向きに飛ぶ高雄発が追い風になるためです。
毎日飛ぶのにチャーター便という扱いになるのは、神戸空港の制度上の位置づけによるものです。神戸空港は2025年4月に新ターミナルの供用を開始し、国際チャーター便の受け入れを始めました。国際定期便の本格的な受け入れは2030年ごろを目標に準備が進められている段階で、現時点では定期便の枠がありません。そのため、実態として毎日運航でも、形式はチャーター便になります。
スターラックスが高雄を第3拠点にする狙い
スターラックス航空はこれまで台北/桃園を主力拠点とし、台中を加えた体制で路線を広げてきました。2027年1月1日から高雄を第3の拠点にすることで、台湾の北・中・南に拠点が並ぶことになります。
高雄を選んだ理由として、まず桃園空港の混雑があると考えられます。桃園は台湾の玄関口として発着が集中しており、新規の枠を確保するのは年々難しくなっています。高雄であれば発着枠に余裕があり、地上施設の使用条件も桃園より有利です。同社は2026年に入ってから、札幌(新千歳)〜台中線や名古屋(中部)〜台中線を開設し、熊本〜台中線を10月26日からデイリー化するなど、桃園以外を発着する日本路線を立て続けに強化してきました。今回の高雄2路線は、その延長線上にあります。
第二に、台湾南部の需要を直接取りにいく狙いがあります。高雄都市圏は台湾第2の人口規模を持ちますが、日本へ行こうとすると桃園まで高速鉄道で移動するのが一般的でした。高雄発の直行便が増えれば、その移動時間ぶんが丸ごと不要になります。日本側から見ても、高雄は台南・墾丁といった台湾南部の観光地への入口です。
第三に、那覇線については路線の性格が桃園線とは異なります。那覇〜高雄は飛行時間2時間前後の短距離路線で、A321neoのような小型機で高頻度に回すのに向いています。すでに3社が飛んでいる路線に4社目として入るわけですが、既存の3社のうちタイガーエア台湾とタイライオンエアはLCCです。スターラックスはビジネスクラス8席を積んだ機材で入るので、価格だけの勝負にはしないという構えが読み取れます。沖縄〜台湾は距離が短いぶん運賃も安くなりがちな市場で、そこにあえて上位クラスを持ち込む点が同社らしい選択です。
神戸線をチャーターの形で先に始めるのも、制度の隙間を使った先行投資と見ることができます。2030年ごろに神戸空港の国際定期便が始まったとき、すでに毎日の運航実績と旅客の流れを持っている会社と、そこから参入する会社では立ち位置がまるで違います。定期便化を待たずに枠を押さえておく判断ではないでしょうか。
旅行者への影響と使い方
沖縄から台湾へ行く選択肢が1社増えます。那覇〜高雄は4社競合になるため、運賃競争が起きる可能性があります。ただしスターラックスの参入時期は2027年1月1日で、年末年始の繁忙期の初日に当たります。就航直後の運賃がどう出るかは、販売開始を待って各社を比較するのが確実です。
那覇発の便が21時発である点には注意が必要です。那覇空港を21時に出るということは、沖縄本島内の観光を丸1日楽しんでから乗れる反面、高雄着が22時05分となり、その日のうちに台湾南部の宿へ入るには時間が遅くなります。高雄市内の宿を押さえておくのが無難です。逆に高雄発は17時15分で那覇着が20時00分ですから、那覇での宿泊が前提になります。
ビジネスクラスが8席あるので、2時間ほどのフライトでも上位クラスを試してみたい方には手頃な選択肢になります。短距離路線のビジネスクラスは長距離線より運賃が抑えられることが多く、初めてビジネスクラスに乗ってみる路線としても向いています。
神戸から台湾へ行く方にとっては、関西空港まで移動しなくても済む便ができます。ただしチャーター便扱いのため、販売方法が定期便と異なる場合があります。旅行会社経由の販売になるのか、航空会社が直接販売するのかは、発売時の案内を確認してください。神戸空港はポートライナーで三宮から18分と市街地に近く、関西空港へのアクセスと比べれば所要時間の差は明確です。
スターラックス航空の日本就航空港は、成田・関西・神戸・札幌(新千歳)・函館・仙台・中部・高松・福岡・熊本・那覇・下地島の12空港です。今回の2路線で日本路線は21路線となり、台湾の航空会社としてはかなり細かく日本の地方空港を押さえている状態になります。
まとめ
高雄を第3拠点にするという判断は、桃園の混雑を避けつつ台湾南部の需要を取りにいく、はっきりした戦略に基づいています。那覇線は4社競合の激戦区への後発参入ですが、ビジネスクラスを積んだ機材で価格以外の勝負を仕掛ける形です。神戸線は制度上チャーター便ですが、2030年ごろの国際定期便化を見据えた布石と考えると意味がはっきりします。沖縄から台湾南部へ行きたい方、関西空港まで出るのが負担な神戸周辺の方にとっては、2027年1月から選択肢が増えます。年末年始の台湾旅行を考えている方は、就航初日が1月1日である点を踏まえて、販売開始の情報を追っておくとよさそうです。


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