フィリピン航空が新千歳〜マニラ線を年末年始に1日1往復へ 12月14日から増便し一部の日は機材も大型化

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時期ごとに変わる運航スケジュール

新千歳〜マニラ線の運航は11月23日のマニラ発から始まります。その後の便数は次のように変化します。

期間 運航日 週あたり便数
2026年11月24日〜12月13日 月・火・水・金・土 週5往復
2026年12月14日〜2027年1月13日 毎日 週7往復
2027年1月14日〜2月27日 月・火・水・金・土 週5往復
2027年2月28日以降 月・水・金・土 週4往復

時刻は次のとおりです。

便名 区間 時刻
PR405 新千歳→マニラ 13時30分発/18時40分着
PR406 マニラ→新千歳 06時35分発/12時30分着

通常の使用機材はエアバスA321neo型機で、ビジネスクラス12席とエコノミークラス156席の合わせて168席です。これに加えて、2026年12月23日・25日と2027年1月4日・6日の4日については、より大型のエアバスA330型機に変更して運航します。

冬だけ飛ぶ季節路線という位置づけです

この路線は通年で飛んでいるわけではありません。11月下旬に運航を再開し、冬のあいだ飛ばして、需要が落ちる時期には便数を絞るという季節運航です。2027年2月28日以降に週4往復へ減るのは、冬の需要期を過ぎるためです。

そのうえで今回の発表を読むと、フィリピン航空が「冬のなかでも、どこが山なのか」をかなり細かく見ていることがわかります。増便される12月14日から1月13日までという区切りは、クリスマスから正月をはさむ、日比双方の移動が最も膨らむ1か月です。さらにその内側で、12月23日・25日と1月4日・6日というピンポイントの4日だけを大型機に置き換えています。A321neoの168席に対してA330はより多くの座席を持つため、この4日は輸送力が跳ね上がります。年末の出国と年始の帰国が集中する日を狙い撃ちした設定です。

フィリピン航空が日本路線を積み増している背景を考えます

新千歳線の増便は、単独の判断ではありません。同社は2026年冬ダイヤ全体で日本路線を大きく積み増しています。

成田〜マニラ線と関西〜マニラ線は、2026年10月26日から2027年3月27日まで、それぞれ現在の週14便から週21便へ増便され、1日3往復のトリプルデイリー体制になります。新千歳線も週3便から週5便への拡大が予定されており、これらを合わせると同社の日本路線は最大で週87便という規模になります。フィリピン航空はマニラから成田、羽田、中部、関西、福岡、新千歳の6都市、セブから成田、関西の2都市に就航しており、フィリピンの航空会社としては最大の日本ネットワークを持っています。その最大ネットワークを、さらに厚くしにいっている状況です。

この積極姿勢を支えているのが、訪日フィリピン人の伸びです。2025年の訪日フィリピン人数は885,100人で、2024年の818,659人から8.1%増え、3年連続で過去最高を更新しました。旅行消費額も1,636億円で過去最高です。ASEANのなかではタイに次ぐ2番目の規模になっています。2026年に入ってからも1月から5月までの累計が前年同期比7.7%増と、伸びは止まっていません。

ただ、この路線の乗客を「訪日観光客」だけで説明するのは正確ではないと考えられます。フィリピン市場の特徴として、繰り返し指摘されているのが親族訪問の需要です。日本にはフィリピン国籍の住民が多く、永住者だけで134,272人、定住者が54,141人、日本人の配偶者などが25,677人、技能実習が28,132人といった構成になっています。この人たちが年末に帰省し、あるいはフィリピンにいる家族が日本へ来るという往来が、クリスマスから正月にかけて集中します。訪日フィリピン人のハイシーズンが4月と12月とされているのも、この構造の反映です。

12月14日から1月13日までという増便期間の切り方は、観光の繁忙期というより、この帰省需要のカレンダーにきれいに重なります。観光需要だけを見るなら、北海道の雪のシーズンは1月から2月がむしろ本番です。それでも1月14日以降を週5往復に戻すということは、この路線の年末年始の山を作っているのは観光客よりも帰省客だという見方ができるのではないでしょうか。

同じ路線でセブパシフィックとの正面衝突が起きます

もうひとつ見落とせないのが競合です。セブパシフィック航空も、同じ新千歳〜マニラ線を2026年10月25日に運航再開します。同社はこの路線を2026年6月2日から運休していました。再開後は火・木・土の週3往復で始まり、11月27日・29日、そして12月2日から2027年2月28日にかけては月・水・金・日にも便を設定して毎日運航になります。機材はA321neo型機です。

つまり2026年12月から2027年1月にかけて、新千歳〜マニラ線には2社が毎日1往復ずつ、合計で1日2往復を飛ばす時期が生まれます。それまで週3往復の季節路線だった区間としては、かなりの過密です。

フィリピン航空がフルサービスキャリア、セブパシフィックがLCCという立ち位置の違いはありますが、同じ空港間で同じ規模の機材を毎日飛ばす以上、運賃の押し合いは避けられないでしょう。フィリピン航空が12月14日という早い段階からデイリー化を決めたのは、セブパシフィックが12月2日にデイリー化することへの対抗という側面もありそうです。先に座席を出して予約を押さえてしまえば、後発は値段を下げるしかなくなります。

この構図は旅行者にとっては悪い話ではありません。2社が同時に毎日飛ばす期間は、運賃が下がる可能性が高くなります。

旅行者への影響と、いつ・どう予約すべきか

まず押さえておきたいのは、この路線が時期によって便数の変わる季節路線だという点です。「新千歳からマニラへ直行便が飛んでいる」と考えて日程を組むと、対象期間の外だったということが起こります。旅行の日程が決まったら、その日に便があるかを最初に確認してください。とくに2027年2月28日以降は火曜と日曜の便がなくなり、週4往復になります。

次に、ダイヤの向き不向きです。PR406便はマニラ06時35分発で新千歳12時30分着です。マニラを早朝に出るので、前泊するか深夜に空港へ向かう必要があります。一方で新千歳に昼過ぎに着くため、到着日を丸ごと使えるという利点があります。帰りのPR405便は新千歳13時30分発なので、最終日の午前中は北海道で過ごせます。北海道側の時間を長く取れるダイヤだといえます。

3つめに、機材の違いです。12月23日・25日と1月4日・6日はA330型機での運航が予定されています。同じ路線でも座席配置や機内設備が変わるので、機材にこだわりがある人はこの4日を狙う、あるいは避けるという選び方ができます。

4つめに、2社が飛ぶ時期の使い分けです。12月から2月にかけてはフィリピン航空とセブパシフィックの両方が新千歳〜マニラ線を運航します。運賃だけで選ぶならセブパシフィックが安くなる場面が多いはずですが、預け入れ手荷物や機内食が別料金である点、遅延時の振り替えの選択肢が限られる点は考慮したほうがよいでしょう。年末年始の帰省のように、荷物が多く、日程を動かせない旅行なら、フルサービスキャリアを選ぶ意味があります。

最後に、予約のタイミングです。年末年始の1か月は、増便しても座席が埋まりやすい時期です。とくに帰省需要が中心の路線では、直前に価格が下がるという期待は持たないほうがよいでしょう。逆に、増便の対象外である11月下旬から12月上旬、あるいは1月中旬以降は、北海道の雪を目的にするなら十分に良い時期でありながら運賃は落ち着きます。日程を動かせるなら、この「山を外した冬」を狙うのが賢い選択です。

まとめ

フィリピン航空の札幌/新千歳〜マニラ線は、2026年11月23日に運航を再開したあと、12月14日から2027年1月13日まで1日1往復に増便されます。その前後は週5往復、2027年2月28日以降は週4往復です。12月23日・25日と1月4日・6日はエアバスA330型機での運航が予定されています。

年末年始にフィリピンへ帰省する人、北海道からフィリピンへ直行で出かけたい人にとっては、選べる日が大きく増える変更です。同じ時期にセブパシフィック航空も同じ路線を毎日運航するため、運賃を比較しやすくなるのも利点でしょう。一方で、この路線は冬だけの季節運航で便数も時期によって変わります。3月以降の旅行を考えている人は、直行便が飛んでいる前提で計画を立てないよう気をつけてください。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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