Peachの2026年度下期計画|関西〜釧路・女満別は冬季運休、成田〜石垣は2月20日まで1日1往復

Peach Aviationのピンク塗装のエアバスA320型機 交通・観光ニュース
Photo by byeangel via Wikimedia Commons (CC BY-SA 2.0)

ANAグループは2026年8月18日、2026年度下期の航空輸送事業計画を発表しました。このなかでPeach Aviation(ピーチ)は、運航便数を国際線で前年同期比109%、国内線で110%に拡大する計画を示しています。

全体としては拡大方向ですが、路線ごとに見ると増減がはっきり分かれます。とくに関西〜釧路線と関西〜女満別線は冬の間まるごと運休し、成田〜石垣線も2月中旬まで減便されます。北海道や石垣島への旅行を計画している方は、日程によって選択肢が変わる点を押さえておく必要があります。

国内線は「増やす」と「止める」を同時に進める

国内線全体では便数を増やしつつ、需要動向や競争環境に応じて路線を調整するという方針です。具体的に発表された変更は次のとおりです。

路線 変更内容 期間
関西〜釧路 運休(現行は週4往復) 2026年10月25日〜2027年3月27日
関西〜女満別 運休(現行は週3往復) 2026年10月25日〜2027年3月27日
成田〜石垣 1日2往復から1日1往復へ減便 2026年10月25日〜2027年2月20日
成田〜石垣 1日2往復へ復便 2027年2月21日以降

関西発着の道東2路線は、冬ダイヤの期間を通じて運休です。10月25日から2027年3月27日まで、関西空港から釧路と女満別へ直行するピーチ便はなくなります。

成田〜石垣線は運休ではなく減便で、2月20日までは1日1往復、2月21日からは1日2往復に戻ります。春休みと卒業旅行の時期に合わせた復便です。

国際線は成田〜ソウル線をデイリーで維持する

国際線では、2026年9月20日に新規開設する成田〜ソウル/仁川線を、下期も引き続きデイリー運航します。ピーチにとって7年ぶりとなる成田空港発着の国際新路線です。

このほか、関西発着の仁川線・香港線・台北線、そして成田〜台北線などでは、需要動向に応じた期間増便・期間減便を柔軟に行うとしています。特定の便数を通年で固定するのではなく、時期ごとに調整する運用です。

冬の道東路線から、なぜLCCが引くのか

同じ2026年8月18日、JALは伊丹〜帯広線を12月1日に新設し、季節運航だった伊丹〜旭川線と伊丹〜女満別線を通年運航に切り替えると発表しています。同じ日に、片方は冬の道東路線を新設・通年化し、片方は運休する。この対比には意味があります。

冬の道東には需要があるが、LCCが埋め切れる量ではない

冬の道東は観光地として魅力がないわけではありません。流氷、タンチョウ、阿寒湖の氷上、釧路湿原の冬景色と、この時期にしか見られないものが並びます。ただし、夏の北海道旅行のような大量の人が動くシーズンではありません。

LCCの収益構造は、低い運賃で座席を高い割合まで埋めることで成り立ちます。1便あたりの利益が薄いぶん、空席が出ると一気に赤字に転びます。週3往復や週4往復であっても、冬季に安定して満席近くを維持できないなら、飛ばさないほうが損失は小さくなります。

一方、フルサービスキャリアは運賃の幅が広く、上位クラスや正規運賃で乗るビジネス客・帰省客からの収入があります。同じ路線でも、埋めるべき座席数と1席あたりの単価が違うため、成立する需要規模の下限が変わります。JALが1日1往復で通年化できて、ピーチが週3往復を冬に維持できないのは、この違いによるものだと考えられます。

路線を残すか廃止するかの二択ではなく、需要の規模と単価に見合った担い手が季節ごとに入れ替わっている、と見るほうが実態に近いのではないでしょうか。

機材を遊ばせないことが、LCCにとって最優先になる

ピーチが「需要動向に応じた柔軟な期間増減便」を国際線でも国内線でも繰り返し掲げているのは、機材の稼働率を落とさないためです。

LCCは1機あたりの1日の飛行時間を最大化することで、機材コストを薄めています。閑散期の路線に機材を張り付けて低い搭乗率で飛ばすくらいなら、その機材を需要のある路線に回したほうが、会社全体の収支は改善します。関西〜釧路・女満別を止めて浮いた分は、冬でも埋まる路線に振り向けられます。

国内線全体の便数が前年同期比110%になるという計画と、特定路線の運休が同時に成り立つのはこのためです。減らしているのではなく、配置を変えているということになります。

成田〜石垣線の2月21日復便は、春の需要を狙った線引き

成田〜石垣線を10月25日から2月20日まで1日1往復とし、2月21日から2往復に戻すという日付の切り方は、かなり細かく需要を読んだ結果に見えます。

2月下旬から3月にかけては、卒業旅行と春休みが重なります。石垣島はまだ泳ぐには早い時期ですが、本土より暖かく、観光としては十分成立します。逆に11月から2月中旬までは、リゾート目的の需要が最も薄い時期です。

1往復と2往復では、旅行者にとっての使い勝手がまったく変わります。それでも需要の薄い時期に2往復を維持しないのは、埋まらない便を飛ばすリスクを取らないという判断でしょう。

成田を国際線の第2の拠点にしようとしている

国内線で調整を進める一方、成田〜ソウル/仁川線をデイリーで維持する点は注目に値します。ピーチにとって7年ぶりの成田発着国際新路線であり、下期も便数を落としません。

ピーチは関西空港を本拠地としてきましたが、成田にも国内線・国際線の拠点を持っています。ANAとのデュアルブランド戦略のもとで、ANAが飛ばさない路線や価格帯を担う役割が明確になってきており、成田からアジアへ向かう短距離路線はその中心になります。ソウル線をデイリーで安定運航させることは、成田拠点を国際線で育てるうえでの土台になります。

旅行者への影響と、代わりに使える手段

関西から冬の道東へ行く予定がある方が、いちばん影響を受けます。2026年10月25日から2027年3月27日まで、関西空港から釧路・女満別への直行便はありません。

代わりの手段はいくつかあります。ひとつは伊丹空港からJALの直行便を使う方法で、伊丹〜帯広線が2026年12月1日から、伊丹〜女満別線が2027年2月1日から1日1往復で運航されます。帯広からは釧路方面へ鉄道やバスでつなげます。もうひとつは関西から新千歳へ飛び、そこから鉄道や道内の航空便で道東へ入る方法です。所要時間は延びますが、便の選択肢は多くなります。

流氷観光やタンチョウの撮影を目的に女満別・釧路へ入る方は、伊丹発の直行便が飛ぶ時期と、自分の旅行日程が合うかを先に確認してください。伊丹〜女満別線は2027年2月1日からですので、1月に行く場合は新千歳経由か帯広経由になります。

成田から石垣島へ行く方は、2026年10月25日から2027年2月20日までが1日1往復である点に注意してください。1往復しかない期間は、往路と復路の時刻が固定されるため、現地での滞在時間を柔軟に組みにくくなります。日程に余裕がある方は、2月21日以降の2往復体制になってからのほうが計画を立てやすくなります。

成田からソウルへ行く方は、9月20日の就航後もデイリー運航が続きます。羽田や関西を使わずに成田から韓国へ入れる選択肢が定着しますので、成田周辺にお住まいの方や、成田で国内線から乗り継ぐ方には便利になります。

関西発着の仁川・香港・台北線、成田〜台北線を利用する方は、期間によって便数が変わります。予約の際は、自分の旅行日程にどれだけ便があるかを都度確認してください。「いつも週◯便あるから」という前提が通用しなくなっています。

まとめ

ピーチの2026年度下期は、便数全体としては国際線109%・国内線110%へ拡大しつつ、路線ごとに大きく調整する内容です。関西〜釧路線と関西〜女満別線は10月25日から2027年3月27日まで運休、成田〜石垣線は2月20日まで1日1往復に減ります。成田〜ソウル/仁川線はデイリー運航を継続します。

冬の道東からLCCが引き、同じ時期にフルサービスキャリアが伊丹発の直行便を増やすという構図は、需要の規模と単価に応じて担い手が入れ替わっている実例です。

関西から冬の道東へ行く方は、伊丹発のJAL便か新千歳経由に切り替える必要があります。成田から石垣へ行く方は、2月21日以降のほうが日程を組みやすくなります。安さを重視して行き先を決めている方ほど、この冬は早めに便の有無を確認しておいたほうがよいでしょう。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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