国土交通大臣の諮問機関である運輸審議会は2026年10月1日、JTA(日本トランスオーシャン航空)による大阪/伊丹~沖縄/那覇線への新規参入を「許可することが適当」と答申しました。JTAが伊丹空港に乗り入れるのは2007年3月の撤退以来、19年ぶりとなります。
運航開始日と便数
JTAは2026年10月25日から始まる冬ダイヤ(2027年3月27日まで)で、伊丹~那覇線を1日2往復運航します。JALグループ全体では同路線を1日4〜6往復体制とする計画で、このうち2往復をJTAが担当します。現在、伊丹~那覇線はANAとJALが運航していますが、JTAの参入によって運航主体が3社に増えることになります。
運輸審議会は9月10日から審議を始め、JTAの参入によって「競争が促進されるほか、便数の増加で利用者の選択肢が広がる」と評価し、伊丹・那覇両空港の発着時間帯や運航体制が確保できていることも確認したうえで、今回の答申に至りました。
なぜ今、JTAが伊丹へ戻ってくるのか
伊丹空港(大阪国際空港)は、1994年の関西国際空港開港にあわせて国際線の大半を関西空港に移管し、以後は国内線中心の空港として運用されています。騒音問題を背景とした訴訟の歴史から発着回数は1日370回(ジェット機枠200回、低騒音機枠170回)に制限されており、22時以降の離着陸も原則禁止されています。発着枠に限りがあるため、新規就航や新規参入は既存の枠配分を見直さなければ実現しにくい空港です。JTAが2007年3月に伊丹~那覇線から撤退した具体的な経緯は公表されていませんが、以後19年間、JTAは伊丹に定期便を持たない状態が続いていました。
今回の動きは、JTAだけの判断ではなく、JALグループ全体の2026年度下期路線計画の一部です。JALグループは同時期、伊丹発着で帯広線を新設し、夏季限定だった旭川線・女満別線も冬季まで運航区間を広げるなど、伊丹を起点とした北海道・沖縄方面の路線網を拡充する方針を示しています。JTAの那覇再参入も、この「伊丹発の地方・観光路線強化」という流れの中に位置づけられます。
同じタイミングでANAも伊丹発着路線を再編しており、伊丹~那覇線を5〜6往復に増便し、伊丹~札幌(新千歳)線を6〜7往復、伊丹~函館線を2往復に増やす一方で、看板路線である羽田~伊丹線は1日15往復から14往復に減らしています。JALグループ・ANAグループの双方が同じ冬ダイヤで、ビジネス需要が中心の羽田線をわずかに絞り、観光需要の高い北海道・沖縄方面へ発着枠を再配分しているのは偶然ではありません。限られた発着枠という制約の中で、両グループが伊丹空港の役割を「出張の東京線」から「関西からの観光路線の拠点」へ少しずつシフトさせていることの表れと見られます。JTAの参入は、その再配分の中で生まれた枠を活用する形で実現したと考えられます。
利用者への影響と対処法
関西から沖縄へ向かう人にとっては、伊丹発着の選択肢が実質的に増えることになります。これまで関西圏から那覇へ飛ぶ場合、関西国際空港発のPeachやJAL・ANAの便を選ぶことが多かったと思いますが、伊丹発着の便数が増えることで、自宅や勤務先から伊丹空港への近さを優先したい人にも選びやすくなります。運航会社が増えれば、同じ時間帯でも運賃や空席状況を比較する余地が広がるため、搭乗日が近い場合は複数社の運賃を見比べてから予約するとよいでしょう。
一方で、伊丹空港は22時以降の離着陸が原則禁止されているため、那覇からの最終便は到着時間に注意が必要です。天候不良などで出発が遅れた場合、関西空港へ目的地を変更する「ダイバート」が発生することもあるため、最終便に近い時間帯を選ぶ場合は余裕を持った後続の予定を組んでおくことをおすすめします。JTAの新規便は10月25日からの運航開始となるため、それより前の日程で伊丹~那覇を予定している人は、現行のANA・JALの時刻表で予約する必要があります。


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