イースター航空は2026年10月29日、徳島阿波おどり空港とソウル(仁川)を結ぶ路線を2027年1月2日から当面運休すると徳島県に正式に通知し、発表しました。この路線は2024年12月26日に就航し、週3往復で運航されてきました。運休により、徳島空港発着の国際定期便はなくなります。県はこれに代わり、2027年1月下旬から3月上旬にかけて大韓航空によるチャーター便を調整しています。
発表の内容
イースター航空が示した運休の理由は「厳しい事業環境が続く中、安定した収益の確保に至らず、運航継続が困難」というものです。徳島県と同社の間では、路線を維持するための支援条件について協議が行われていましたが、折り合わなかったとみられています。後藤田正純知事は「運休は誠に残念ですが、これまで築き上げた交流基盤と高まった認知度を活かし、国際定期便の再開と新たな誘致に向け積極的に挑戦を続ける」とコメントしています。
代替として調整が進められている大韓航空のチャーター便は、2027年1月下旬から3月上旬にかけて合計10往復運航される予定です。徳島県はこのチャーター便の利用状況を見ながら、将来的な定期便就航につなげることも視野に入れて協議を続けています。
なぜ搭乗率が好調でも運休に至ったのか
数字の改善と運休判断が矛盾しているように見える理由
この路線をめぐって注目すべきなのは、搭乗率の推移です。就航から1年がたった2025年11月末時点の平均搭乗率は76%で、延べ約4万2000人が利用していました。そこからさらに改善が進み、2026年4月から8月の平均搭乗率は83%まで上がっています。前年同期の69%から大幅な改善で、徳島県も2026年4月から運航支援金の補助率を引き上げ、韓国人学生を招く事業なども実施して路線の後押しを続けていました。
搭乗率だけを見れば、運休ではなく継続・拡大の方向に進んでもおかしくない状況です。それでも運休に至った以上、イースター航空が問題にしていたのは搭乗率そのものではなく、収益構造の面だったと考えるのが自然です。LCCの収益は搭乗率に加えて、座席あたりの単価(イールド)や燃料費、ウォンの対円レートといった複数の要素で決まります。搭乗率が上がっても、割安な価格設定で席を埋めていたのであれば、利益には結びつきにくくなります。徳島線のような地方路線は便数が少なく、1往復あたりの固定費を割り振る母数も小さいため、搭乗率の改善だけでは採算を補いきれない構造的な弱さを抱えやすいという事情もあります。徳島県からの支援があったとしても、それを上回るコスト圧力がかかっていたと見るのが、今回の運休を説明する上では妥当です。
地方空港の国際線に共通する採算の難しさ
徳島線の運休は、地方空港の国際線が抱える構造的な難しさを示す一例でもあります。2026年冬ダイヤ全体では、主要空港以外の地方発着の国際線で韓国便が21%増えているなど、路線網全体としては拡大基調にあります。その一方で、茨城空港では燃料価格の高騰を理由に韓国・清州便の運休が続き、ソウル便も冬場は運休や減便の扱いになっています。つまり、地方と韓国を結ぶ路線は全体としては伸びていても、個々の路線単位で見ると採算が合わずに運休する例が同時に発生しているということです。徳島線の運休は、こうした「全体としては拡大、個別路線では脱落」という地方国際線に共通する構造の中で起きた出来事だと位置づけられます。
旅行者への影響と今後の動き
徳島から直接韓国へ行く手段は、2027年1月2日以降いったんなくなります。すでに徳島〜仁川線での往復を予定している人は、1月2日より前の搭乗であれば従来どおり利用できますが、それ以降の日程を考えている場合は、関西国際空港など他の空港からの韓国便に切り替える必要があります。
2027年1月下旬から3月上旬にかけては、大韓航空のチャーター便が運航される予定です。定期便とは異なり運航期間や便数が限定されているため、この時期に韓国への旅行を計画している人は、チャーター便の具体的なスケジュールや予約開始時期を徳島県や旅行会社の発表でこまめに確認しておくとよいでしょう。チャーター便の利用状況が今後の定期便再開の判断材料にもなるとされているため、徳島〜仁川間の移動手段そのものが今後どう変わっていくかにも注目が必要です。


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