2026年夏「はなあかり」で琵琶湖へ!大阪発・全車グリーン車の観光列車が7月4日から運行

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2026年5月15日、JR西日本が観光列車「はなあかり」の2026年夏の運行計画を発表しました。昨年の秋冬に広島・山口エリアを走った「はなあかり」が、今夏は大阪から琵琶湖方面へコースを変えます。7月4日から9月27日の間、大阪を起点におごと温泉(滋賀県)と大津(滋賀県)を結ぶルートで計23日間運行されます。全車グリーン車の快適な車内で、琵琶湖沿いの車窓と滋賀ならではの食を楽しむ旅が用意されています。

「はなあかり」とはどんな列車か

「はなあかり」は2024年8月に運行を開始したJR西日本の観光列車で、「THE列車」シリーズに属します。「地域の華を集めて沿線にあかりを灯す」をコンセプトに、3両編成・全車グリーン車という構成で、定員は54名。完全予約制の指定席です。

1号車は「スーペリアグリーン車」と呼ばれる上位クラスで、ゆとりのある座席配置と専用サービスが設けられています。2〜3号車はグリーン車指定席です。秋冬は広島・山口エリアで運行されており、季節と路線を変えながら西日本各地をめぐっています。

2026年夏の運行計画

ルートと時刻

2026年夏は土曜日におごと温泉方面、日曜日に大津方面へ向かいます。どちらも大阪を10時11分に出発します。

方面経由路線大阪発終着・到着
おごと温泉(土曜・一部祝日)JR京都線・琵琶湖線・北陸本線・湖西線10:11おごと温泉 14:38
大津(日曜・一部休日)JR京都線・湖西線・北陸本線・琵琶湖線10:11大津 15:00

おごと温泉行きは琵琶湖線から北陸本線を経て湖西線へ進むルートで、大津行きは湖西線から北陸本線を経て琵琶湖線へ折り返す経路です。琵琶湖をぐるりと囲むように走ることで、どちらのルートも湖面を望む車窓が続きます。

運行日数

おごと温泉行きは7月4日から9月26日の土曜日(一部を除く)と7月20日・9月21日・9月23日の祝日を合わせた計12日間、大津行きは7月5日から9月27日の日曜日(一部を除く)と9月22日の休日を合わせた計11日間です。夏休みシーズンを通じて計23日間の運行となります。

料金

乗車には普通乗車券に加えて特急料金と座席指定料が必要です。以下は大人1名・片道・通常期の料金です。

座席タイプ大阪〜おごと温泉大阪〜大津
スーペリアグリーン9,930円9,770円
グリーン車指定席7,730円7,570円

繁忙期(お盆・連休など)は料金が加算されます。帰路に「はなあかり」を利用しない場合は、在来線特急や新快速で大阪へ戻ることで交通費を抑えられます。

車内サービス

1号車のスーペリアグリーン車では、滋賀県の工芸品やアート作品が展示されます。車内アテンダントが滋賀ならではの飲食物や土産品・グッズを販売するサービスも設けられています。食事サービスの詳細については、JR西日本の公式サイトで最新情報をご確認ください。

なぜ「おごと温泉」が終点なのか——温泉地の再生とJRの狙い

2025年の「はなあかり」夏の運行は大阪から敦賀が終点でした。おごと温泉は途中停車駅のひとつでしたが、2026年夏は土曜運行の折り返し地点として終点に格上げされています。この変化の背景には、JR西日本とおごと温泉観光協会の連携強化という事情があります。

前年の運行でも観光協会がホームでのお出迎えや地産品販売に参加するなど、地域側の積極的な取り組みがありました。そこで2026年は「終点」として全旅客をおごと温泉へ誘導する設計にしたと考えられます。観光列車の終点が温泉地であれば、「到着したら温泉に入る」という旅行動線が自然に生まれます。JR西日本にとっては利用客の満足度向上と湖西線の週末需要創出、観光協会にとっては宿泊・日帰り客の増加という、双方にとってわかりやすいwin-winの構図です。

「雄琴温泉」から「おごと温泉」へ——イメージ刷新の歩み

もうひとつ注目したいのが、おごと温泉そのものの歴史的な変遷です。

約1,200年前に最澄が開いたとされる由緒ある温泉地ですが、昭和40年代以降にソープランドなどの歓楽施設が進出し、「近畿最大規模の歓楽街型温泉地」として知られるようになりました。温泉地としての側面と歓楽街としての側面が長らく共存する複雑な状況が続いたエリアです。

転換点となったのは2000年代です。風俗店の廃業が相次ぐ中、旅館経営者や地元自治体が「観光温泉地」への本格的な再生を決断しました。表記を漢字の「雄琴」からひらがなの「おごと」に変え、2008年3月にはJR最寄り駅の名称も「雄琴駅」から「おごと温泉駅」へと変更されています。駅名改称は鉄道会社も巻き込んだ地域再生の象徴的な出来事でした。

その後も全旅館が近江牛の認定店として登録するなど食のブランド化を推進し、2011年には「大津市立おごと温泉観光公園」も開業。家族やカップルが普通に訪れる温泉地として、少しずつ認知が変わってきています。

そうした文脈で見ると、JR西日本の最上位クラス観光列車が「おごと温泉」を終点として選び、観光協会とおもてなしを組み立てるという今回の取り組みは、この地域の再生の流れと噛み合っています。「はなあかり(花の灯り)」という列車名が、文字通りこのエリアに新たな灯りをともす役割を担いつつある、といえるかもしれません。

おごと温泉・大津への旅のポイント

おごと温泉は琵琶湖の西岸に旅館が立ち並ぶ温泉地です。日帰り入浴を受け付けている施設もあり、「はなあかり」で到着後に温泉に入ってから帰るプランが組みやすいエリアです。再生が進んだ現在は旅館の料理にも力が入っており、近江牛や琵琶湖の湖魚を使った夕食目当てに宿泊する旅行者も増えています。

大津は近江神宮や三井寺(園城寺)が近く、琵琶湖観光船「ミシガン」の乗り場にもアクセスできます。京阪電車のびわ湖浜大津駅周辺にはショッピング施設も集まっており、時間に応じてさまざまな楽しみ方ができます。

予約方法

予約はJR西日本のインターネット予約サービス「e5489」か、JRの「みどりの窓口」で受け付けています。乗車1か月前の10時から発売が始まります。人気列車のため、発売開始直後に席が埋まることも珍しくありません。希望の日程が決まったら、発売開始日の朝に早めに動くことをおすすめします。

クラブツーリズムやJR西日本の旅行商品「tabiwaトラベル」から、宿泊とセットになったツアー商品も発売される場合があります。

まとめ

JR西日本の観光列車「はなあかり」の2026年夏は、大阪から琵琶湖を一周するように走るルートが設定されました。おごと温泉が終点に据えられた背景には、観光協会との連携強化と、温泉地の再生という地域の文脈があります。全車グリーン車でゆったり過ごしながら琵琶湖の車窓を楽しむ旅は、夏の週末旅行を探している方にとって試してみる価値があります。乗車1か月前の発売開始日を確認しておき、早めに予約を進めてみてください。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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