タイガーエア台湾が函館〜台北線を毎日運航へ 10月27日から週7往復に

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台湾のLCC、タイガーエア台湾が、函館〜台北/桃園線を2026年10月27日(火)から毎日運航に切り替えます。現在の週5往復から週7往復への増便で、冬ダイヤ期間を通じて毎日1往復が飛ぶことになります。

函館空港にとって、これは小さくない変化です。函館空港の国際線定期便は台北線しかありません。その1本しかない国際線が、初めて特定の1社によって毎日運航される形になります。

週5往復から毎日運航へ、10月27日から

タイガーエア台湾の函館〜台北/桃園線は、現在は月曜日・水曜日・木曜日・金曜日・日曜日の週5往復です。ここに火曜日と土曜日が加わり、全曜日での運航になります。増便分の初便が10月27日(火)です。

冬ダイヤ期間中のスケジュールは次のとおりです。

  • IT237便 函館12:20発 → 台北/桃園16:00着(土曜日は12:40発・16:20着)
  • IT236便 台北/桃園06:45発 → 函館11:10着(火曜日は06:25発・11:10着、土曜日は07:00発・11:30着)

機材はエアバスA320型機です。曜日によって出発時刻が20分前後ずれる設定になっているため、予約の際は自分の搭乗日の時刻を個別に確認しておくことをおすすめします。

函館〜台北はスターラックス航空との競合路線

函館空港の国際線は、現在この台北線だけで成り立っています。タイガーエア台湾が週5往復、スターラックス航空が週5往復という構成です。

スターラックス航空は月曜日・火曜日・水曜日・金曜日・土曜日の運航で、JX861/JX860便として飛んでいます。この便はエティハド航空とのコードシェアが設定されており、EY5168/EY5169便としても販売されています。時刻は函館17:45発・台北20:55着、台北12:00発・函館16:45着で、タイガーエア台湾とは発着時間帯が大きく異なります。

両社の運航曜日を並べると、興味深い状態になっています。タイガーエア台湾は火曜日と土曜日が空いており、スターラックス航空は木曜日と日曜日が空いています。互いの空白を埋め合う形で、結果として函館〜台北は毎日どちらかの便が飛ぶ状態になっていました。

今回タイガーエア台湾が火曜日と土曜日を埋めることで、この均衡が崩れます。10月27日以降、火曜日と土曜日は2社が同じ日に飛ぶ日になり、路線全体では週12往復体制になります。

タイガーエア台湾がデイリー化に踏み切った理由

週5往復から週7往復への増便は、便数だけ見れば2往復の追加です。しかし、LCCにとって「毎日運航かどうか」は便数以上の意味を持ちます。

毎日運航が販売のしやすさを変える

隔日運航に近い週5往復では、旅行者は「行きたい日」ではなく「飛んでいる日」に合わせて日程を組む必要があります。3泊4日や4泊5日といった一般的な日程を、運航曜日の制約の中で成立させなければなりません。これは個人客にとって予約のハードルであり、旅行会社にとってはパッケージ商品を組みにくい条件でもあります。

毎日運航になると、この制約が消えます。どの曜日に出発しても翌日以降のどの曜日でも帰れるため、日程の自由度が一気に上がります。とくに台湾側からの旅行者にとっては、週末を絡めた2泊3日から、1週間の長期滞在まで、同じ路線で組めるようになります。座席の販売単価を落とさずに搭乗率を上げるうえで、この効果は無視できません。

さらに、毎日運航は機材の運用効率も変えます。週5往復では、飛ばない2日間にその機材をどこかで使う必要があり、スケジュールの組み立てが複雑になります。毎日同じ路線を往復させるほうが、乗務員の配置も含めて計画が単純になります。

台湾市場の伸びが増便を支えている

背景には、訪日台湾人の急増があります。日本政府観光局が2026年8月19日に発表した7月の訪日外客数によると、台湾は76万3800人で前年同月比26.4%増でした。単月として初めて70万人を突破しています。全体の訪日外客数が344万2100人・前年同月比0.1%増と横ばいだった中での26.4%増ですから、台湾市場だけが突出して伸びていることになります。

同じ7月の統計では、韓国が89万4700人(31.9%増)、香港が27万2500人(54.8%増)と伸びる一方、中国は42万8200人で56.1%減と半分以下になりました。中国市場が急速に縮んでいる分を、台湾・韓国・香港が埋めている構図です。

この構図の中では、台湾路線に機材を厚く配分する判断に合理性があります。中国路線が読めない状況で、確実に伸びている市場の便数を積み増すのは、リスク管理としても理にかなっています。

函館という行き先の性格

そのうえで、なぜ函館なのかという点も考えてみる価値があります。

台湾から日本への路線は、東京・大阪・名古屋・福岡といった大都市圏では既にデイリー以上の便数が飛び、価格競争が激しくなっています。函館のような地方空港は、便数が少ない分だけ1便あたりの重みが大きく、価格も崩れにくい市場です。競合が実質1社しかいない状態で毎日運航を確立できれば、その路線の主導権を握ることができます。

冬ダイヤでの増便という点も重なります。函館を含む道南は、冬の雪景色と海産物という、台湾からの旅行者にとって分かりやすい魅力があります。台湾には雪が積もる場所がほとんどないため、冬の北海道は目的地としての訴求力が高い。10月25日に始まる冬ダイヤに合わせて増便するという判断は、この季節性を取りにいく動きだと考えられます。

ただし、函館の国際線が台北一本に依存している状態は、地域の側から見れば脆さでもあります。台湾市場が好調な今は問題になりませんが、台湾側の景気や日台関係、あるいは航空会社の路線戦略の変更ひとつで、函館の国際線が丸ごと細る構造になっています。今回の増便は歓迎すべき話ですが、同時にその一極集中がさらに進むということでもあるのではないでしょうか。

旅行者への影響と使い方

日本発の旅行者にとって、この増便は函館発着で台湾旅行を組む際の自由度が上がる話です。

函館発の日程が組みやすくなる

これまでは、函館12:20発の便が飛ばない火曜日と土曜日を避けて日程を組む必要がありました。10月27日以降はその制約がなくなるため、出発日を自由に選べます。

とくに使いやすいのが、金曜日午後に出て月曜日に戻るような週末型の日程です。函館12:20発は午前中に自宅を出れば間に合う時間帯で、台北には16:00に着きます。帰りの台北06:45発は早朝ですが、函館11:10着なのでその日のうちに道内各地へ戻れます。

復路の早朝発には準備が必要

注意したいのは復路です。台北/桃園を06:45(火曜日は06:25)に出る便のため、桃園空港には遅くとも05:00前後には入っておく必要があります。台北市内から桃園空港までは、MRT桃園空港線で40分前後かかります。始発が空港に着く時刻を考えると、市内のホテルからでは間に合わない可能性があります。

現実的な対応は2つあります。1つは桃園空港周辺のホテルに前泊すること、もう1つは24時間運行の空港バスを使うことです。國光客運1819路は台北轉運站(台北バスターミナル)と桃園空港を24時間結んでおり、所要時間は55分ほどです。空港MRTが動いていない時間帯でも移動できます。いずれにしても、最終日の夜の過ごし方を最初から日程に織り込んでおいたほうが安心です。

運賃を比べる際の視点

タイガーエア台湾はLCCのため、受託手荷物や座席指定は基本的に別料金です。機内持ち込みは2点・合計10kgまでという設定になっています。荷物が多くなりがちな旅行では、追加料金を含めた総額でスターラックス航空と比較したほうが実態に近い判断ができます。

スターラックス航空の便は函館17:45発・台北20:55着で、時間帯がまったく違います。午後にゆっくり出たい人、あるいは台北で夜の便に乗り継ぎたい人にはこちらのほうが合う場合があります。台北着の時刻が20:55だと、市内へ着くのは22時過ぎになるため、初日は移動だけで終わる前提です。逆にタイガーエア台湾の16:00着なら、初日の夜から夜市に出られます。

どちらが良いかは日程次第ですが、選択肢が2社・週12往復まで増えることで、比較して選ぶ余地が確実に広がります。

まとめ

タイガーエア台湾が函館〜台北/桃園線を2026年10月27日から毎日運航に切り替えます。現在の週5往復に火曜日と土曜日を加えた週7往復で、機材はA320型機、冬ダイヤ期間を通じての運航です。

背景には、7月の訪日台湾人が76万3800人・26.4%増と単月初の70万人超えを記録するなど、台湾市場の力強い伸びがあります。中国市場が半減する中で、確実に伸びている市場に便数を寄せる判断と読めます。

函館から台湾へ行きたい人、あるいは台湾から道南を訪れたい人にとっては、日程を組むうえでの制約が1つ減ります。スターラックス航空の便と合わせて路線全体が週12往復になるため、時間帯と運賃を比べて選ぶこともできるようになります。復路が早朝発である点だけ、日程に織り込んでおくとよいでしょう。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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