ANA・JALの2026年お盆予約状況 国内線は堅調、国際線は5%減で「年末年始待ち」が鮮明に

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ANAとJALは2026年7月31日、2026年のお盆期間にあたる8月7日から8月16日までの予約状況を発表しました。数字を並べてみると、国内線は前年と同じ水準を保っている一方で、国際線ははっきりと沈んでいます。両社を合わせた国際線の予約人数は約44万人で、前年から5%減りました。

海外に出かける人が減った理由は、旅行意欲の低下ではなさそうです。燃油サーチャージが過去最高を更新した影響が、路線ごとにくっきりと表れています。数字から見えてくるものを整理します。

発表された数字

ANAの予約状況

ANAグループの国内線は、予約人数が1,629,105人(ピーチを含む)で前年比97.8%、予約率は83.6%でした。混雑のピークは下りが8月8日、上りが8月16日です。

方面別に見ると、最も予約率が高いのは沖縄方面の88.7%でした。以下、東北・北陸方面が86.0%、中国・四国方面が84.9%、北海道方面が84.4%と続きます。リゾート地と帰省先が、どちらも高い水準で埋まっている状況です。

国際線は予約人数が320,671人(ピーチを含む)で前年比96.2%、予約率は80.1%でした。ピークは日本発の便が8月8日、海外発の便が8月15日です。路線別ではハワイ線が過去最多の予約となり、予約率は9割を超えました。欧州ではイスタンブール線とミラノ線、アジアではシンガポール線が好調とされています。

JALの予約状況

JALグループの国内線は予約率77.0%で、予約数は前年並みでした。ピークは上り・下りともに8月11日です。北海道方面と沖縄方面が特に好調と説明されています。

国際線は予約率75.2%で、予約数は前年から10%減りました。予約率も前年から7ポイント以上下がっています。ピークは出発が8月8日、到着が8月15日です。ただし方面別ではハワイ・グアム方面が前年を上回る予約率で推移しており、ここはANAと共通する動きです。

北海道発着の便については、JALの予約数が前年比で12%増え予約率82%、ANAは2%減で予約率84%という結果でした。

数字が示しているのは「値上げの偏り」

国内線が前年並みで国際線だけが落ちた、という構図は、旅行需要そのものの変化ではうまく説明できません。むしろ、値上げがどこに集中したかを見ると腑に落ちます。

ANAとJALが2026年7月1日から8月31日の発券分に適用している燃油サーチャージは、欧州・北米・中東・アフリカ・オセアニア・中南米の各路線で片道6万5000円と、過去最高を更新しました。5月から6月の発券分が5万6000円でしたから、わずか2か月で9000円上がったことになります。往復では13万円を超える負担が、航空券の本体価格とは別に乗ってきます。1ドルが160円台後半という歴史的な円安と、中東情勢の悪化による航空燃料の高騰が重なった結果です。

一方で、韓国や台湾、香港といった近距離のアジア路線は、この期間の値上げ幅が数百円から千円程度にとどまっています。ハワイ線も4万400円で、欧米路線より2万円以上低い水準です。

ここに、JALの国際線が10%減った理由が見えてきます。長距離路線の比重が大きいほど、燃油サーチャージの上昇が予約に直接響きます。逆にハワイ・グアムが両社ともに前年を上回っているのは、サーチャージの負担が相対的に軽く、しかも家族旅行の定番として代替の効きにくい行き先だからではないでしょうか。

「夏を我慢して年末年始を待つ」という選択

日本経済新聞は、今回の落ち込みについて、旅行者が夏を見送り、値下がりが期待できる年末年始など秋以降に目を向けていると分析しています。この見立ては、数字の動き方とよく合っています。

燃油サーチャージは搭乗日ではなく発券日で決まる仕組みです。つまり、いま高い水準にあっても、燃料価格や為替が落ち着けば、次の改定で下がった後に買えば安くなります。旅行そのものを諦めるのではなく、買う時期をずらすという判断は、消費者として自然な行動です。この意味で、今回の5%減は需要の消失ではなく、需要の先送りと読むほうが実態に近いと考えられます。

ただし、この先送りが本当に年末年始の増加につながるかどうかは、燃料価格と為替が落ち着くかどうかにかかっています。中東情勢が改善せず円安も続けば、先送りした人がそのまま国内旅行に流れる可能性もあります。国内線が前年並みを保っているのは、すでにその一部が起きている結果なのかもしれません。

ANAとJALで差がついた理由

同じ市場にいながら、国際線でANAが前年比96.2%、JALが10%減と差がついた点も見ておきたいところです。

ANAは提供座席数を増やしたうえで予約人数をほぼ維持し、予約率80.1%を確保しました。JALは予約数が10%減り、予約率も7ポイント以上下げています。座席を増やしながら予約率で上回ったANAのほうが、この夏の商戦をうまく組み立てられたと言えます。

ハワイ線の扱いも影響しているのではないでしょうか。ANAのハワイ線は過去最多の予約で予約率9割超という結果で、大量の座席を安定して埋められる路線を持っていることの強みが出ています。加えてANAはイスタンブール線やミラノ線といった、欧州のなかでも競合の少ない路線を好調路線として挙げています。値上げが直撃する欧州路線でも、路線の選び方次第で結果が変わることを示しています。

旅行者への影響と、いまからできること

お盆に出かける予定がある人にとって、まず押さえるべきは混雑日です。ANAの国内線は下りが8月8日、上りが8月16日にピークが来ます。JALは上り・下りともに8月11日をピークとしています。両社で違いがあるのは路線構成の差によるものと考えられますが、実質的には8月8日・11日・16日の3日間が特に混み合うと見ておくのが安全です。この3日を外せるなら、座席の選択肢は大きく広がります。

予約率が83.6%(ANA国内線)ということは、平均すれば16%ほどの席がまだ空いている計算になります。ただしこれは全路線・全便を平均した数字です。沖縄方面は88.7%まで埋まっており、ピーク日の便に限ればほぼ満席と考えたほうがよいでしょう。いまから国内線を押さえるなら、方面よりも日付と時間帯をずらすほうが現実的です。

国際線については、予約率がANAで80.1%、JALで75.2%と国内線より低く、まだ席が残っている状況です。特にJALは前年より7ポイント以上予約率が下がっているので、直前でも取れる便が例年より多いはずです。すでに燃油サーチャージを織り込んだ価格帯にはなりますが、「お盆は取れないから諦める」という前提は今年に限っては当てはまりません。

これから海外旅行を計画する人が意識したいのは、発券日のタイミングです。燃油サーチャージは航空券を買った日で決まるため、8月31日までの発券分は片道6万5000円が適用されます。9月1日以降の発券分がどうなるかは改定内容次第ですが、燃料価格と為替が落ち着けば下がる可能性があります。逆に、いま予約を入れておきたい場合は、8月31日までに発券してしまうか、9月以降の発表を待つかの判断が必要です。秋以降の旅行を考えているなら、慌てて8月中に発券するより次の改定を確認してからのほうがよさそうです。

行き先の選び方でも工夫の余地があります。欧米が片道6万5000円なのに対し、近距離アジアの上げ幅は数百円から千円程度にとどまっています。同じ予算で行ける範囲を考えるなら、今年の夏は韓国・台湾・香港といった近距離が相対的に有利です。ハワイも4万400円と欧米より2万円以上低く、家族連れには選びやすい水準が保たれています。

まとめ

2026年のお盆は、国内旅行を考えている人にとっては例年並みの混雑を想定しておくべき状況です。8月8日・11日・16日を避けられるかどうかが、快適さを大きく左右します。

一方、海外旅行では今年ならではの余地があります。国際線の予約率が国内線より低く、特にJALは前年から大きく下げているため、直前でも席を確保できる可能性があります。ただし燃油サーチャージが過去最高水準にあるため、欧米への長距離路線は負担が重くなります。今年の夏に限れば、近距離アジアやハワイを選ぶか、あるいは旅行そのものを秋以降にずらして次の燃油サーチャージ改定を待つほうが、費用対効果は高くなりそうです。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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