FDAが仙台〜出雲線を10月25日に復活 2年9か月ぶりの季節運航は37日間限定

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フジドリームエアラインズ(FDA)が、2024年1月から運休していた仙台〜出雲線を2026年10月25日に復活させます。出雲縁結び空港で7月30日に開かれた開港60周年の記念式典で発表されました。運航期間は11月30日までの37日間で、1日1往復です。

いったん運休した路線が戻ってくるのは、その地域にとって明るいニュースです。ただし今回は通年の定期便としてではなく、秋の行楽シーズンに絞った季節運航という形をとっています。この形になった理由を、過去の数字から読み解いていきます。

発表された運航内容

運航期間は2026年10月25日から11月30日までです。便数は1日1往復で、FDAは期間を通じておよそ4,500人の利用を見込んでいます。

37日間で1日1往復ということは、片道37便、往復で74便が飛ぶ計算です。4,500人を74便で割ると、1便あたりおよそ60人という数字になります。FDAの主力機材はエンブラエル170系・175系で、座席数は76席から84席です。つまり搭乗率にすると7割台を前提に置いた計画ということになります。地方路線としては強気とまでは言えないものの、赤字を出さない水準を狙った現実的な設定に見えます。

FDAの本田社長は、地元からの強い要望があったこと、この期間であれば採算がとれると判断したことを再開の理由として挙げています。2027年度以降の運航については、今回の実績を確認したうえで検討するとしています。

なぜ2024年に運休し、なぜ季節便で戻ってきたのか

仙台〜出雲線は2018年4月に1日1往復で就航しました。しかし2024年1月8日をもって運航を終え、FDAは仙台から撤退しています。

運休の理由として説明されたのは、燃油価格の高止まりなどで収益の改善が見込めないという判断でした。2022年の搭乗率はおよそ5割にとどまっていたとされています。76席から84席の機材で搭乗率5割では、1便あたり40人前後です。この水準では通年運航は成り立ちません。

ここで注目したいのは、FDAが運休後もこの区間を完全に手放していなかったことです。2024年11月29日から12月3日にかけて、出雲〜仙台間でチャーター便を計9往復運航し、需要の確かめ直しを行っています。時期は今回の季節運航とほぼ重なる晩秋です。

この流れを並べると、今回の再開が思いつきではないことがわかります。通年では成り立たない、しかし特定の時期なら成り立つかもしれない、という仮説を立て、チャーター便で検証し、そのうえで37日間の季節運航に踏み出したという順序です。運休か復活かの二択ではなく、需要の大きさに見合った運航形態を選び直したと捉えるべき事例だと考えています。

秋という時期の選び方に意味がある

10月下旬から11月末という設定にも理由があります。

山陰は秋に観光需要が集まる地域です。出雲大社周辺は紅葉の時期にあたり、旧暦10月にあたるこの時期は全国の神々が出雲に集まるとされる神在月の行事も行われます。松江や足立美術館、石見銀山といった周辺の観光地も、暑さの落ち着いた秋に人が動きます。逆方向を見ても、宮城・東北方面の紅葉が見ごろを迎える時期と重なります。

需要の山がはっきりしている時期だけを切り取って飛ばすというのは、通年運航のリスクを負わずに収益を取りにいく手法です。1日1往復を1年間飛ばせば365往復ですが、37日間なら37往復で済みます。うまくいかなくても損失は限定され、うまくいけば翌年度以降の拡大につなげられます。低リスクの市場テストとしてよくできた設計ではないでしょうか。

FDAが2027年度以降を「実績を見て検討する」としているのも、この設計と整合しています。今回の37日間は、路線が戻ってくる期間であり、同時に次の判断材料を集める期間でもあります。

出雲空港の現状も後押しになっている

出雲縁結び空港は1966年に開港し、2026年で60年を迎えました。7月30日の記念式典には島根県の丸山知事や日本航空の関係者らおよそ30人が出席しています。

同空港の昨年度の利用者数はおよそ113万人で、2年連続で100万人を超えました。現在の定期路線は羽田・伊丹・名古屋(小牧)・福岡・隠岐の5路線で、夏には新千歳線の季節運航も加わります。中国地方の空港のなかで、東京・大阪・名古屋の三大都市圏すべてに直行便を持つのは出雲空港だけです。

利用者数が回復し、地元の受け入れ体制も整っているという状況が、FDAの判断を後押ししたと見られます。地元の要望が「熱いラブコール」と表現されるほど強かったのも、空港側に数字の裏づけがあったからだと考えられます。

旅行者はどう使えばよいか

仙台と出雲の間を陸路で移動すると、新幹線と在来線を乗り継いでおよそ7時間30分かかります。東京での乗り換えを挟み、さらに岡山や大阪から山陰へ入る形になるため、実際には1日仕事です。これが直行便なら1時間35分程度で結ばれます。時間の差は5時間以上あり、日帰りや1泊での往復が現実的になる違いです。

ただし、今回は37日間の限定運航です。使いたい方は日程の側を合わせる必要があります。10月25日から11月30日という枠から外れると、伊丹や羽田での乗り継ぎに戻ることになります。

予約開始の時期については、JALがコードシェアを行っている関係もあり、10月25日以降の便のスケジュールは8月下旬ごろの案内が見込まれます。具体的な時刻と運賃はその発表を待つことになりますので、日程だけ先に押さえて、詳細が出た時点で予約を入れる進め方が確実です。

そして、この路線の今後は今回の実績にかかっています。2027年度以降に残るかどうかは、37日間でどれだけの人が乗るかで決まります。東北から山陰へ、あるいは山陰から東北へ行く予定がある方にとっては、この秋が判断の分かれ目になります。

まとめ

FDAの仙台〜出雲線は、2018年に就航して2024年に運休し、チャーター便による検証を経て、37日間の季節運航として戻ってきました。通年では採算が合わない路線を、需要の集まる時期だけ切り出して飛ばすという判断です。

秋の山陰、あるいは秋の東北を訪ねたい方にとっては、5時間以上の時間短縮が手に入る期間です。日程が合う方は、8月下旬に出る予定のスケジュール発表を待って予約を検討してみてください。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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