実施概要 対象区間と列車
高速走行の対象になるのは、青函トンネル内の上下線約54kmです。実施日時は、12月30日が始発から正午ごろまで、12月31日から2027年1月4日までは始発から15時30分ごろまでとなっています。
対象列車は、定期列車が下り7本・上り7本(12月30日のみ下り5本・上り4本)、臨時列車として下り「はやぶさ53号」(12月30日)、上り「はやぶさ60号」(1月2日~4日)です。これにより、東京~新函館北斗間の所要時間は、通常の最速3時間57分から3時間51分へ、6分短縮されます。
新幹線の時刻変更にあわせて、接続する「はこだてライナー」の一部も時刻が変わります。新函館北斗~函館間で、12月30日は3本、12月31日~1月4日は8本が対象で、繰り上げ・繰り下げの幅は3分から最大10分程度です。また、木古内に停車する「はやて93号」「はやぶさ1号」「はやぶさ17号」は発時刻が繰り上がりますが、新青森発「はやて91号」は6分繰り下げて木古内の着発時刻を変えないよう調整されています。この取り組みは国土交通省のホームページでも同日公表されています。
なぜ年6日間だけなのか 共用走行区間という制約
青函トンネルは、新幹線と貨物列車が同じ線路を共有して走る「共用走行区間」です。新幹線が高速で走行すると、すれ違う貨物列車に風圧の影響を与える懸念があるため、通常は青函トンネル内で時速160km、トンネル前後の区間では時速140kmに制限されています。
この制約を部分的に解くために導入されたのが「時間帯区分方式」です。新幹線の始発から昼過ぎまでの時間帯を、新幹線だけが走る時間として区分し、その時間帯に限って260km走行を可能にする仕組みです。JR北海道は2024年のゴールデンウィークにこの方式を初めて導入し、以降はゴールデンウィーク・お盆・年末年始という、貨物列車の運行自体が少なくなる繁忙期に限って実施してきました。今回の年末年始も、その枠組みの延長です。
年間を通じた260km走行ではなく、繁忙期の数日間に絞っているのは、貨物輸送側の年間計画への影響を抑える必要があるためと考えられます。時間帯を区分すればいつでも高速走行は可能になりますが、それは貨物列車のダイヤを圧迫することになります。貨物列車の本数が自然に減る帰省ラッシュの時期を選んで実施することで、新幹線利用者の速達ニーズと、貨物輸送への影響の小ささを両立させているとみられます。
もう一点注目したいのは、この取り組みが北海道新幹線の札幌延伸(2031年3月予定)が実現しても解消されない課題への対応だという点です。共用走行区間は新青森~木古内間に限られ、延伸区間となる新函館北斗~札幌間には含まれません。つまり青函トンネルの速度制限は、札幌延伸後も残り続ける構造的な課題です。貨物列車との共存を前提にした抜本的な解決策(貨物輸送の時間帯分離の恒久化や、別線整備など)が整うまで、JR北海道は繁忙期ごとに高速走行の実績を積み重ねている段階だと見るのが実情に近いでしょう。
利用者への影響と対処法
年末年始に北海道新幹線で帰省や旅行を予定している場合、まず自分が利用する列車が時刻変更の対象になっていないかを確認してください。特に木古内で乗り降りする予定がある人は、発時刻が繰り上がる列車があるため、乗り遅れに注意が必要です。接続する「はこだてライナー」の時刻も変わるため、函館市内への移動を予定している場合はあわせて確認しておくと安心です。
高速走行の対象になるのは、新幹線の始発から正午~15時30分ごろまでの列車に限られます。夕方以降に東京~新函館北斗間を移動する場合は、通常の所要時間(最速3時間57分)のままなので、6分の時短効果を当て込んで乗り換え時間を詰め過ぎないようにしてください。
260km走行による時短効果自体は6分程度で、体感できるほど大きな変化ではありません。年末年始の帰省ラッシュでは、速達性より座席の確保が実務上は重要になるため、北海道新幹線を利用する予定がある人は、通常の繁忙期以上に早めの指定席予約を心がけることをおすすめします。


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