ジェットスター・ジャパン、那覇~高雄線に12月6日就航 日本勢唯一の直行便に

成田空港に駐機するジェットスター・ジャパンのエアバスA320型機 交通・観光ニュース
Photo by lkarasawa via Wikimedia Commons (CC BY 2.0)

ジェットスター・ジャパンは2026年9月9日、沖縄・那覇と台湾第2の都市である高雄を結ぶ新路線を2026年12月6日に開設すると発表しました。水・金・日曜の週3便で、使用機材はエアバスA320型機、片道運賃は8,990円から(燃油サーチャージ不要、諸税等別途)です。同社にとって那覇空港を発着する初の国際線であり、那覇と高雄を直行便で結ぶ日本の航空会社としては現時点で唯一の存在になります。

運航スケジュールは、GK97便が那覇12:40発・高雄13:35着、GK98便が高雄14:35発・那覇17:15着で、飛行時間は片道約2時間です。ジェットスター・ジャパンはすでに2025年12月18日に成田~高雄線を開設しており、今回の那覇線は台湾・高雄をつなぐ2路線目になります。2026年冬ダイヤでは成田~台北(桃園)線を週18往復、関西~台北線を週14往復体制にする計画も明らかになっており、これらを合計すると同社の台湾路線は週最大42往復に達する見込みです。

沖縄~高雄路線は「4社競合」の激戦区に

那覇~高雄線は、実はジェットスター・ジャパンが初めて開設する路線ではありません。台湾のLCCであるタイガーエア台湾がすでに定期便を運航しており、2026年3月30日には週7便から週9便に増便されています。さらにチャイナエアラインが2026年9月17日から2027年3月27日まで定期チャーター便を運航するほか、台湾の新興航空会社スターラックス航空も2027年1月1日から毎日運航での新規就航を予定しています。ジェットスター・ジャパンの参入とスターラックス航空の就航がそろうと、この路線は2027年にはタイガーエア台湾・チャイナエアライン・スターラックス航空・ジェットスター・ジャパンの4社が競合する路線に変わります。

一つの地方路線に短期間で複数の航空会社が相次いで参入する背景には、需要の裏付けがあります。沖縄県への外国人観光客のうち台湾からの旅行者が占める割合は約35%と国籍別で最大で、2026年7月には訪日台湾人数が単月として初めて70万人を超えました。高雄は台北に次ぐ台湾第2の都市圏を抱えながら、これまで沖縄へ向かうには台北で乗り継ぐか、タイガーエア台湾の直行便を利用するかの選択肢しかありませんでした。日本トランスオーシャン航空(JTA)も2026年2月に那覇~台北(桃園)線を自社初の国際線として開設しており、那覇は沖縄本島から台湾へ向かう複数の航空会社が路線を積み増す拠点になりつつあります。

カンタス撤退後、JAL主導のジェットスター・ジャパンが地方発国際線を拡大

もう一つの背景として、ジェットスター・ジャパンの株主構成の変化があります。豪カンタスグループは2026年8月4日、保有していたジェットスター・ジャパン株33.32%を日本政策投資銀行らに売却する正式契約を締結しました。日本航空が50.0%、東京センチュリーが16.7%の株式を維持したまま、2026年10月にはブランド名の刷新も予定されており、2027年6月をめどに日本資本主導の新体制へ完全移行する計画です。

カンタスグループ側は、超長距離直行便計画「プロジェクト・サンライズ」を含む機材更新やオセアニア市場の基盤強化を優先する方針から、日本での合弁事業を手放す判断をしたとみられます。一方の日本航空は、2029年に予定される成田国際空港の滑走路新設を見据え、ZIPAIR・スプリングジャパンと合わせた3ブランド体制で成田を拠点とするLCC事業を強化する狙いを持っています。今回の那覇~高雄線は、成田・関西という基幹拠点だけでなく那覇という地方拠点でも国際線網を広げる動きであり、JAL主導となったジェットスター・ジャパンが新体制の下で収益源を分散させようとしている一例と見ることができます。

旅行者への影響と対処法

那覇~高雄線の開設で、沖縄から台湾南部へ足を延ばす際の選択肢が広がります。これまで高雄へは那覇からタイガーエア台湾の直行便を使うか、台北で国内線・高速鉄道に乗り継ぐ必要がありました。ジェットスター・ジャパンの就航により、日系LCCの予約サイトやマイル・ポイントを普段使っている旅行者でも、両替や海外サイトでの決済を経ずに予約できる直行ルートが増えます。

価格面では、片道8,990円からという設定自体は他社のLCC運賃と大きくは変わりませんが、今後スターラックス航空が2027年1月に毎日運航で参入すると、路線全体の座席供給量が増えて運賃競争が働きやすくなります。就航直後の12月6日以降しばらくは新規就航セールが行われる可能性が高いため、高雄方面への旅行を検討している場合は、ジェットスター・ジャパンの公式サイトや航空券比較サイトで運賃の動きをこまめに確認しておくと良いでしょう。

便数は週3便(水・金・日)と限られているため、旅程を組む際は曜日の制約に注意が必要です。那覇発は12時40分、高雄発は14時35分という時間帯のため、那覇側では前泊・後泊を含めた沖縄本島観光や離島への周遊と組み合わせやすく、高雄側では夕方到着後に台湾南部の観光地(旗津・駁二芸術特区など)へ向かう1日目の行程を確保しやすいダイヤになっています。LCCのため受託手荷物やシートの有料オプションは別料金になる点も、予約時にあわせて確認しておく必要があります。

那覇空港は近年、JTAの台北線開設やタイガーエア台湾・チャイナエアラインの増便・再開など、台湾方面の国際線が短期間で厚みを増しています。沖縄在住者にとっても、関西や成田を経由せず那覇から直接台湾各都市へ渡航できる選択肢が増えていることは、旅行計画の自由度を高める変化といえます。今後もスターラックス航空の就航(2027年1月)など那覇発着の台湾路線には動きが続く見込みのため、目的地や日程に応じて複数の航空会社の運賃・スケジュールを比較しながら検討することをおすすめします。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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