金沢〜名古屋を安く移動する方法|JR・バス料金を徹底比較

北陸新幹線の敦賀延伸により、金沢と名古屋を結ぶ交通手段は大きく変化しました。
本記事では、2025年10月時点の最新ルートをもとに、鉄道・高速バスそれぞれの料金・所要時間・特徴を徹底比較します。
「しらさぎ」や「EXサービス限定乗継きっぷ」、「WEB早特7」など、割引を活用したお得なルートも紹介します。


JRを利用する場合

2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸により、金沢〜名古屋間の鉄道移動ルートは大きく変わりました。
現在は次の2系統が主な選択肢です。

  • 北陸新幹線+特急しらさぎ(敦賀で乗り継ぎ)
    └ 名古屋から通しで乗るほか、名古屋〜岐阜間を新快速などで移動し、岐阜から「しらさぎ」を利用する方法も可能。
  • 東海道新幹線経由(米原で乗り換え)
    └ 同じルートで「EX/スマートEX+[EXサービス限定]乗継きっぷ」や「WEB早特7」を利用すれば割引が適用可能。

※本記事の料金はすべて2025年10月15日時点の「通常期」基準です。繁忙期・閑散期・最繁忙期には最大±400円の変動があります。


北陸新幹線+特急しらさぎ(敦賀で乗り継ぎ)

もっとも標準的なルートです。敦賀で「しらさぎ」から北陸新幹線に乗り継ぐ際には、幹特在特(かんとくざいとく)という特例が適用され、特急料金が約10%割引されます。

料金(通常期)

  • 乗車券(名古屋〜金沢) … 4,510円
  • 特急料金(しらさぎ+北陸新幹線/幹特在特適用) … 4,570円

→ 合計:9,080円(指定席・通常期)

名古屋〜岐阜間を新快速などで移動し、岐阜から「しらさぎ」を利用する場合

乗車券は名古屋→金沢(4,510円)のままですが、岐阜から乗ることで特急料金が 3,980円 となり、合計は 8,490円 です。所要時間もやや短くなります。

所要時間

  • 名古屋から利用する場合:約2時間50分
  • 岐阜から利用する場合:約3時間

特徴

  • 幹特在特により特急料金が割安。
  • 米原での乗換が不要で、敦賀で北陸新幹線に接続できる。
  • 全席指定席で快適。

東海道新幹線経由(米原乗り換え)

名古屋〜米原を東海道新幹線、米原〜敦賀〜金沢を「しらさぎ」+北陸新幹線で結ぶルートです。同一経路でEX/スマートEXやe5489を利用する場合は、各種割引が適用されます。

通常きっぷ(紙・e5489など)

種別乗車券特急料金合計
全区間指定席4,510円名古屋〜米原 2,290円+米原〜金沢 3,580円10,380円
新幹線のみ自由席4,510円名古屋〜米原 1,760円+米原〜金沢 3,580円9,850円

EX/スマートEX+「[EXサービス限定]乗継きっぷ」

現在、金沢〜名古屋間をJRで最も安く移動できる方法です。EXまたはスマートEXで米原発着の新幹線を予約すると、e5489で「[EXサービス限定]乗継きっぷ」が購入できます。米原〜金沢間の特急(しらさぎ+北陸新幹線)を特別割引で購入でき、通常より2,000円以上安くなります。

利用方法名古屋〜米原(EX/スマートEX)米原〜金沢(乗継きっぷ)合計
EX自由席3,100円4,640円7,740円(最安)
EX指定席3,360円4,640円8,000円
スマートEX指定席3,430円4,640円8,070円

所要時間

約2時間20分

注意点

  • この乗継きっぷはJR西日本の指定席券売機またはみどりの窓口でしか受け取れません。
  • 名古屋駅などJR東海エリアでは発券不可。
  • 名古屋から利用する場合、米原駅で受け取る必要があります。
  • 米原駅にはJR西日本の指定席券売機が1台のみしか設置されていないため、混雑時は発券に時間がかかる場合があります。

e5489「WEB早特7」

同じくJR西日本が提供する「WEB早特7」は、乗車日の7日前までにe5489で予約すると適用される割引きっぷです。「特急しらさぎ」+「北陸新幹線(敦賀経由)」に対応しており、名古屋〜金沢間でも利用できます。

主な条件と料金

  • 対象区間:名古屋〜金沢(敦賀経由・普通車指定席)
  • 発売期間:乗車日の 1か月前から7日前まで
  • 利用期間:2025年4月1日〜2026年3月31日(ただしGW・お盆・年末年始は除外)
  • 支払い:e5489でクレジット決済
  • 受取方法:駅の指定席券売機または窓口
  • 変更:不可(払い戻しのみ手数料あり)
  • 料金:8,170円(通常9,080円から約910円引き)

経路の選択

「WEB早特7」は、名古屋〜米原間で

  • 名古屋〜米原を 特急しらさぎで通し利用
  • 名古屋〜米原を 東海道新幹線(自由席)で利用

のいずれかを選択できます。東海道新幹線経由を選ぶ場合は、新幹線区間のみ自由席利用となり、しらさぎ・北陸新幹線区間は指定席が含まれます。

備考:「WEB早特7」は通常のしらさぎ利用より安くなるものの、EX+乗継きっぷ(最安7,740円)には及びません。ただし、e5489のみで予約・決済・受け取りが完結し、米原での発券作業が不要な点は大きな利便性です。


乗車券を分割購入してさらに節約

この方法は、名古屋から直接「しらさぎ+北陸新幹線」に乗車する場合(通常9,080円)にも適用できます。名古屋〜金沢の通し乗車券(4,510円)を下記のように分けて購入すると合計4,200円となり、運賃だけで310円安くなります。したがって合計金額は 9,080円 → 8,770円 に修正可能です。

区間乗車券運賃
名古屋 → 尾張一宮310円
尾張一宮 → 垂井590円
垂井 → 近江塩津990円
近江塩津 → 金沢(経由:敦賀・北陸新幹線)2,310円
合計4,200円(通しより310円安い)

また、名古屋〜岐阜を新快速などで移動し、岐阜から「しらさぎ」に乗車する場合(8,490円)にも同様に適用でき、8,490円 → 8,180円 にできます。


高速バスを利用する場合

鉄道より時間はかかりますが、料金を大幅に抑えたい人には高速バスも有力な選択肢です。昼行便・夜行便・白川郷経由便の3タイプを以下に紹介します。

昼行便(北陸鉄道・名鉄バス 共同運行)

  • 運賃:3,600〜5,800円(カレンダー運賃制)
  • 所要時間:約3時間40分〜4時間
  • 発着:金沢駅西口 ⇔ 名鉄バスセンター
  • 設備:4列シート・トイレ・Wi-Fi付き便あり

夜行便(北陸ドリーム名古屋号)

  • 運賃:4,900〜5,600円
  • 所要時間:約6時間45分〜7時間
  • 発着:金沢駅西口 ⇔ 名古屋駅JRバスターミナル
  • 設備:3列独立シート・トイレ・コンセント・毛布付き

白川郷経由便

  • 運賃:5,000〜6,000円
  • 所要時間:約4時間10分
  • 経由:白川郷(途中停車あり)

各ルートの比較(通常期)

ルート総額所要時間座席特徴
北陸新幹線+しらさぎ(幹特在特・名古屋発)9,080円(分割で8,770円)約2時間50分指定席米原乗換不要で安定。
名古屋〜岐阜を新快速利用+岐阜からしらさぎ8,490円(分割で8,180円)約3時間指定席名古屋より安く出発可。
東海道新幹線経由(全指定)10,380円約2時間20分指定席最速ルート。
東海道新幹線経由(自由席)9,850円約2時間20分一部自由少し安く速い。
JR最安(EX+乗継きっぷ)7,740〜8,070円約2時間20分指定席中心JR内で最安。
WEB早特7(e5489)8,170円約2時間50分指定+一部自由7日前予約で割安。
高速バス(昼行)3,600〜5,800円約3時間40分〜4時間4列直通で安い。
高速バス(夜行)4,900〜5,600円約6時間45分〜7時間3列独立宿代節約向き。
高速バス(白川郷経由)5,000〜6,000円約4時間10分4列経由地を楽しみたい人向け。

まとめ

  • 鉄道では幹特在特適用の9,080円が標準ルート。
  • 東海道新幹線経由は最速ルート。
  • EX+乗継きっぷがJR内で最安(7,740円)。
  • WEB早特7は7日前予約でお得、e5489のみで完結。
  • 分割購入や岐阜からの利用でさらに節約可能。
  • 高速バスは最安だが所要時間が長め。

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