ユナイテッド航空が関西〜ロサンゼルス線を2027年3月27日に再開 約27年ぶり、787-9でデイリー運航

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ユナイテッド航空が2026年8月25日、大阪/関西〜ロサンゼルス線を2027年3月27日から運航すると発表しました。1999年以来、約27年ぶりの再開です。運航は1日1往復のデイリーで、機材はボーイング787-9型機が充てられます。関西空港からは同社のサンフランシスコ線がすでに毎日飛んでおり、今回の再開で米国本土の2都市へ直行できることになります。関西から北米へ向かう選択肢が、久しぶりに増えます。

運航ダイヤと機材

発表されたダイヤは次のとおりです。

便名 区間 出発 到着 運航日
UA801 ロサンゼルス→関西 14時40分 翌日18時50分 毎日
UA802 関西→ロサンゼルス 20時50分 15時25分(同日) 毎日

ロサンゼルス発は2027年3月27日から、関西発は翌28日からの運航です。機材はボーイング787-9型機です。

このダイヤで目を引くのは、関西発が20時50分という夜遅い時刻に設定されている点です。関西空港は24時間運用ができる海上空港なので、こうした深夜寄りの出発が組めます。伊丹空港のように午後9時の門限がある空港では、そもそも成立しないダイヤです。

利用者から見ると、この時刻設定は使い勝手が良いほうに働きます。関西圏に住んでいる方なら、当日の日中を普通に過ごしてから空港へ向かえます。地方からの乗り継ぎも、国内線の最終便に近い時間帯まで選択肢があります。到着はロサンゼルスの15時25分で、日付は同じ日です。到着後に市内へ移動して夕方から動けるので、初日を無駄にしません。

一方の帰国便は、ロサンゼルス14時40分発で関西着が翌日の18時50分です。現地で午前中を使ってから空港へ向かえる時刻で、こちらも組みやすい設定です。

関西空港の北米路線は「1都市だけ」の状態が続いていた

今回の再開が意味を持つのは、関西空港の北米路線がかなり薄い状態だったからです。

現在、関西空港から米国本土へ飛んでいるのは、ユナイテッド航空のサンフランシスコ線です。同社は関西〜グアム線も運航していますが、グアムは米国領であって本土ではありません。日本の航空会社は、成田・羽田から北米へ多くの路線を持つ一方、関西空港発の北米路線は持っていません。

つまり関西圏から北米へ直行しようとすると、サンフランシスコに行くか、成田・羽田まで移動するかという二択でした。ロサンゼルス線が加わることで、この構図が変わります。ユナイテッド航空は今回の発表で、米国本土の2都市から大阪へ直行便を運航する唯一の航空会社になると説明しています。

ロサンゼルスは、サンフランシスコとは需要の性格が違います。サンフランシスコはユナイテッド航空のハブ空港で、そこから米国各地やカナダ、中南米へ乗り継ぐための入口という色が濃い空港です。対してロサンゼルスは、それ自体が目的地になります。観光でも、ビジネスでも、留学でも、ロサンゼルスに用がある人が一定数います。加えて、日系企業の拠点や日系人コミュニティの厚みという点でも、西海岸で最大級の都市です。

乗り継ぎのための路線と、目的地そのものへの路線。この2本が揃うことで、関西空港の北米ネットワークは初めて選択肢と呼べる形になります。

ユナイテッド航空はなぜいま関西を厚くするのか

この判断の背景には、関西空港の需要構造の変化があると考えられます。

関西空港の2026年7月の実績を見ると、総旅客数は248万2,521人で前年同月比11パーセント減、国際線旅客は197万1,467人で12パーセント減でした。前年割れは8か月連続です。原因ははっきりしていて、中国路線の落ち込みです。7月の中国方面の外国人旅客は29万4,000人で前年同月比63パーセント減、中国便の発着回数は1,425回で72パーセント減となりました。訪日客に占める中国の割合は、前年同月の36パーセントから15パーセントまで下がっています。

中国政府は2025年11月14日、自国民に対して日本への渡航を控えるよう呼びかけました。2026年1月には春節期間についても改めて自粛を呼びかけており、中国路線の減便は長期化しています。関西空港は、成田・羽田と比べて中国路線への依存度が高い空港でした。そこが崩れたわけです。

ここに、ユナイテッド航空にとっての機会があります。中国便が7割減れば、発着枠にも地上施設にも余裕が生まれます。空港側にとっては、旅客を運んでくれる航空会社を増やすことが最優先の課題になります。新規路線を開設する側から見れば、条件の交渉がしやすい局面ではないでしょうか。

もうひとつは、ロサンゼルス側の事情です。ロサンゼルスは2028年夏季オリンピック・パラリンピックの開催都市です。2027年3月の就航は、その前年にあたります。大会そのものの需要を狙うなら、直前に路線を立ち上げるより、1年以上前から運航して路線を安定させておくほうが確実です。搭乗率や旅客の流れを把握したうえで大会期間を迎えられます。

そして関西側にも中期的な材料があります。2025年の大阪・関西万博で関西の知名度は国際的に上がりました。さらに2030年秋には、夢洲で大阪IRの開業が予定されています。北米からの旅行者を関西へ直接運ぶ路線は、この先の需要を先に押さえておく意味を持ちます。

ユナイテッド航空は今回の那覇線と合わせて、2027年に国際線ネットワークを大きく広げる計画を示しています。関西線の再開は、その一環として位置づけられています。

27年間、この路線が飛ばなかった理由

逆に考えると、1999年から2026年まで、なぜこの路線は復活しなかったのでしょうか。

ひとつは、日本の航空会社が関西空港から北米路線を縮小してきた流れです。関西空港は開港当初こそ国際線の拠点として期待されましたが、2000年代以降は成田・羽田への集約が進みました。羽田空港の国際線枠が拡大したことで、首都圏発着の長距離路線に資源が集中し、関西からの長距離便は減っていきました。

もうひとつは、太平洋線の機材と経済性の問題です。関西〜ロサンゼルスは、大型機を毎日飛ばして採算を合わせるには需要がやや細く、かといって長距離を飛べる小型機がなかった時期が長く続きました。この状況を変えたのが787型機です。座席数を抑えつつ長距離を経済的に飛べる機材が普及したことで、これまで成立しなかった都市間の路線が組めるようになりました。今回投入されるのも787-9です。

つまり、需要が突然増えたというより、飛ばせる条件が揃ったところに関西空港側の事情が重なった、という見方ができます。

旅行者への影響と、押さえておきたい点

まず、関西圏から北米へ向かう方にとっては、成田・羽田への移動が要らなくなる選択肢が増えます。伊丹や新幹線で首都圏へ移動して乗り継ぐ場合、移動時間だけで3時間から4時間、前泊が必要になることもあります。関西空港から直接飛べるなら、その分がまるごと不要になります。

次に、乗り継ぎの使い分けです。米国内の目的地がロサンゼルス以外の場合、サンフランシスコ経由とロサンゼルス経由のどちらが速いかは行き先によります。ユナイテッド航空のハブはサンフランシスコで、乗り継ぎ便の選択肢はこちらのほうが多くなります。一方、ロサンゼルスは中南米方面やハワイへの便が多い空港です。目的地が決まっている方は、両方の経路で所要時間を比較してみてください。

運航開始は2027年3月27日で、まだ7か月先です。ただし、こうした路線は運航開始のかなり前から予約を受け付けます。2027年の春休みや夏休みに北米へ行く計画がある方は、販売開始の時期を追っておく価値があります。新規路線は就航直後に割安な運賃が出ることがあり、既存のサンフランシスコ線と比べてみるのも一案です。

なお、関西発が20時50分という時刻は、地方から乗り継ぐ方には有利ですが、当日中に空港へ着けるかどうかは出発地によります。国内線の最終便で関西空港へ入る場合、国際線の搭乗手続き締切に間に合うかを事前に確認してください。国際線は出発の相当前に締め切られます。

深夜に近い時間の出発は、機内での過ごし方にも影響します。関西を21時前に出てロサンゼルスへ向かう便は、離陸後すぐに機内が消灯される可能性が高い設定です。到着が現地の15時25分ですから、機内でしっかり眠っておくと、到着日の夕方から動きやすくなります。

まとめ

関西空港の北米路線は、長らくサンフランシスコ1都市だけという状態が続いていました。そこにロサンゼルス線が加わることで、乗り継ぎ用の路線と目的地そのものへの路線という2本立てになります。関西圏から北米へ向かう方にとっては、成田・羽田を経由しない選択肢が実質的に増えるという意味を持ちます。

再開の背景には、787型機によって成立した経済性、中国路線の急減で余裕が生まれた関西空港の状況、2028年ロサンゼルス五輪と2030年大阪IRという中期の材料が重なっています。運航開始は2027年3月27日で先の話ですが、2027年春以降に北米への旅行を考えている方は、販売開始の情報を追っておくとよさそうです。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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