フィリピン航空が2027年にワンワールド加盟へ——JALマイルでフィリピン旅行が変わる

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2026年6月6日(日本時間6月7日)、フィリピン航空(PR)がワンワールドへの加盟合意を発表しました。ブラジル・リオデジャネイロで開催されたIATA(国際航空運送協会)第82回年次総会の場で、フィリピン航空とワンワールドが加盟に向けた覚書(MOU)に署名しています。正式加盟の完了は2027年6月ごろを目標としており、実現すればワンワールドの16社目のメンバーとなります。

フィリピン航空とはどんな航空会社か

フィリピン航空は1941年創設のアジア最古の航空会社です。マニラのニノイ・アキノ国際空港を拠点に、フィリピン国内29都市と、アジア・北米・オーストラリア・中東の計40都市を結んでいます。

フィリピンは7,600以上の島々からなる島嶼国で、島と島を結ぶ移動において航空が欠かせない交通手段です。フィリピン航空が持つ国内ネットワークの充実度は、ワンワールドへの加盟価値として特に注目されています。

一方で、フィリピン航空は2021年に米国連邦破産法(チャプター11)を申請するという経営危機を経験しましたが、2022年に再建手続きを完了。その後は路線の回復と収益改善を進め、今回のアライアンス加盟という新たなステージに踏み出しました。

なぜ今、ワンワールドへ加盟するのか

フィリピン航空がこれまで無所属(どのアライアンスにも属さない状態)からワンワールド加盟に踏み切ったのには、複数の要因があります。

経営再建後の成長戦略として

チャプター11からの再建を経て、フィリピン航空は路線網の効率化と収益改善を達成しました。次の成長フェーズとして、アライアンス加盟による旅客の相互送客と、上級会員向けサービスの拡充が求められていました。独立系のままでは難しいロイヤルティプログラムの充実と、乗り継ぎ需要の取り込みが今回の決断を後押ししたと考えられます。

ワンワールド側のアジア島嶼ネットワーク強化

ワンワールドはJAL(日本)、キャセイパシフィック(香港)、マレーシア航空(マレーシア)とアジアに複数の加盟会社を持ちます。しかし東南アジアの島嶼国内ネットワークという点では手薄でした。フィリピン航空の加盟により、フィリピン国内29都市というアーキペラゴ特有の広大な国内ネットワークが加わり、セブ島・ボラカイ・パラワンなどの離島観光地への接続がワンワールド全体として強化されます。

今回の加盟でワンワールドネットワークには31の新規目的地が加わる見通しです。

フィリピンへの旅行需要の成長

フィリピンへの外国人観光客はコロナ後に急回復しており、日本からも人気の高い渡航先のひとつです。観光需要の増加とアライアンスネットワーク強化が重なるタイミングで、フィリピン航空の加盟価値はさらに高まっています。

日本人旅行者への影響

フィリピン航空のワンワールド加盟は、日本人旅行者に以下の変化をもたらす可能性があります。いずれも2027年の正式加盟完了後を想定した内容で、JALなど各社からの正式発表はまだありません。

JALマイルでフィリピン航空が使えるようになる可能性がある

現在、ワンワールド加盟航空会社のフライトはJALマイルでの特典航空券発行の対象ですが、フィリピン航空は加盟していないため対象外です。加盟が完了すれば、ワンワールドの仕組み上、JALマイルでフィリピン航空を組み込んだ特典航空券の発行対象となる可能性が高いと考えられます。ただし、JALからの具体的な条件の発表は現時点ではなく、詳細は正式加盟後に案内される見通しです。実現すれば、マニラを経由したセブ島・ボラカイへの乗り継ぎなど、フィリピン国内観光地への特典利用が現実的な選択肢になります。

フィリピン航空搭乗でJALマイルが積算される可能性がある

現時点では、フィリピン航空への搭乗でJALマイルは積算されません。加盟後は積算対象に加わる可能性が高いとみられますが、積算率などの具体的な条件についてJALからの正式発表は現時点でなく、詳細は正式加盟後に案内される見通しです。

JAL上級会員のフィリピン航空での恩恵

JALサファイアやダイヤモンドなどワンワールド上級会員資格を持つ方は、フィリピン航空の便でも優先搭乗・追加荷物無料・ラウンジ利用といった特典が受けられるようになります。マニラやセブのフィリピン航空ラウンジを、ワンワールド上級会員として利用できるようになるわけです。

2027年の加盟完了まで、今できることと注意点

正式加盟の完了まであと1年ほどあります。今できることと注意点を整理します。

現時点(2026年6月)ではまだ加盟前のため、JALマイルでのフィリピン航空予約や、フィリピン航空搭乗でのJALマイル積算はできません。フィリピン旅行を2026年内に計画している方は、現行のJAL直行便(東京〜マニラなど)か、別の方法を使うことになります。

2027年以降のフィリピン旅行を計画している場合は、加盟後に確認できるJALの特典発表を待ってから詳細を詰めると確実です。加盟完了の正式な日付と、積算率・特典航空券の発行条件は改めてJALより案内される予定です。

ANAとの連携、今後見直される可能性はあるか

現時点でフィリピン航空・ANAのどちらからも公式な発表はありません。以下はアライアンス加盟の構造的な観点からの考察です。

現在、フィリピン航空とANAはコードシェア協定を結んでおり、ANAマイルでフィリピン航空搭乗時のマイル積算も可能です。フィリピン旅行にANAマイルを活用してきた方にとっては、今回のワンワールド加盟がこの関係にどう影響するかは気になるところでしょう。

ワンワールド加盟が持つ構造的な矛盾

フィリピン航空がワンワールドに加盟してJALとの提携を深化させていくと、JALと同じ日本国内市場で競合するANAとも同等の深い連携を並行維持することは難しくなります。これはANAがどのアライアンスに属するかという問題ではなく、同一市場内で直接競合する2社と等しく深い関係を続けることへの矛盾です。

フィリピン航空にとって日本は重要な市場であり、ワンワールド加盟後はJALを日本における「アライアンスの仲間」として遇することになります。その状況でJALの最大の国内競合相手であるANAに対して同等レベルのコードシェアやマイル連携を与え続けることは、JALとの信頼関係の観点から続けにくくなるというのが自然な見方です。

他の航空会社でも見られてきた動き

同様のパターンは、過去に他の航空会社がアライアンスに加盟した際にも繰り返されてきました。一般的に、航空会社がアライアンスに加盟すると、そのアライアンスに既に属している同一市場の航空会社が主要パートナーとなり、その競合他社との関係は時間をかけて後退していきます。

マレーシア航空が2013年にワンワールドに加盟した際も、それ以前に持っていた他アライアンス系各社との一部コードシェアが加盟後に徐々に縮小されました。即時の全廃ではなく、数年かけて整理されていく流れが一般的です。フィリピン航空のANAとの関係も、こうした文脈で見ておく必要があります。

逆に関係が維持される論拠もある

一方で、コードシェアは収益に直結します。日本〜フィリピン路線でのANAとの協力は、両社にとって乗客獲得の面でメリットがあります。ANAがフィリピン国内にJALと直接競合する路線を持っていない区間であれば、コードシェアを通じた相互送客に実害はないとも言えます。ワンワールドはコードシェア自体を禁止するものではなく、ビジネス上の判断で継続する余地は残ります。

ANAマイルユーザーが注意しておくべきこと

フィリピン旅行のためにANAマイルを積算しているか、これから貯めようとしている方は、正式加盟前後のフィリピン航空・ANAの公式発表を注目しておくことをおすすめします。加盟完了後にANAマイルでのフィリピン航空積算条件が変わるようであれば、それまでに使い切る方が有利になるケースもあります。

いつ見直しが発表されるかは現時点ではわかりません。ただ、アライアンス加盟後の整合性調整は1〜3年のスパンで進むことが多く、2027年の加盟完了から数年以内に何らかの動きがある可能性は念頭に置いておいて損はないでしょう。

まとめ

フィリピン航空のワンワールド加盟合意は、日本人旅行者にとってフィリピン旅行の使い勝手を改善するニュースです。正式加盟完了は2027年6月ごろが目標で、JALマイルとフィリピン旅行の相性が大きく良くなる可能性があります。セブ島・ボラカイ・パラワンといった人気の離島リゾートへのアクセスに、ワンワールドネットワークを通じた新たな選択肢が生まれます。加盟後の具体的な条件は正式発表を待つ必要がありますが、フィリピン旅行を計画している方は動向を注目しておくとよいでしょう。

参考リンク

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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