アユタヤは、バンコクから北へ約60㎞の場所に位置する、かつてタイの王都として栄えた都市で、現在も数多くの遺跡が点在する歴史的な観光地です。バンコクから日帰りで訪れることができる一方、遺跡の数が多く、「どこを回ればいいのか分からない」「効率的な巡り方が知りたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アユタヤ観光が初めての方でも全体像をつかめるように、遺跡群の特徴やエリア感、主要遺跡の位置関係、モデルコース、移動手段の考え方をまとめています。
アユタヤとは
アユタヤの位置と概要
アユタヤは、タイの首都バンコクから北へ約60kmに位置する古都です。
かつて栄えたアユタヤ王朝の都であり、現在は多くの仏教遺跡が残る遺跡観光の街として知られています。
バンコクから日帰りで訪れることもでき、「バンコク観光+歴史遺跡」という組み合わせで旅程に組み込みやすいのも特徴です。
アユタヤの歴史
かつて世界屈指の国際都市として栄えたアユタヤ。その歴史を知ることで、遺跡の見え方が大きく変わります。
王朝の誕生
アユタヤは1351年、ウートン王によってアユタヤ王朝の首都として開かれました。川に囲まれた地形で防衛に優れていたため、この地が首都として選ばれたと言われています。
繁栄の時代
15世紀から17世紀にかけて、アユタヤは目覚ましい発展を遂げます。最盛期には100万人以上が暮らす大都市となり、中国、インド、ヨーロッパ、そして日本からも交易船が集まる国際都市として栄えました。
また、17世紀には日本の商人たちが朱印船にてアユタヤと交易を行い、アユタヤには日本人街も形成されました。最盛期には3000人ほどが暮らしたと言われています。山田長政が町長を務めたことでも知られています。しかし、江戸時代に鎖国政策が完成すると日本人街は衰退しました。
突然の終焉
しかし1767年、隣国のビルマ(現ミャンマー)との戦争に敗北。ビルマ軍によってアユタヤは陥落し、街は焼失してしまいます。多くの寺院が破壊され、修行を無効化するという目的で、数え切れないほどの仏像の首が切り落とされました。
その後のアユタヤ
王朝はその後トンブリー朝、チャクリー朝へと続きましたが、いずれもバンコクに遷都。アユタヤは遺跡の街として歴史に残ることとなりました。
1991年、「古都アユタヤ」として世界遺産に登録され、現在も多くの観光客が訪れる貴重な歴史遺産となっています。
世界遺産としての価値
アユタヤの遺跡群は、1991年にユネスコ世界遺産に登録されています。
評価されているのは、
- かつて東南アジア屈指の王都として繁栄した都市遺構が残っているため
- アユタヤ文明を示す独自の文化・歴史の重要な証拠となっているため(登録基準iii)
- 王宮・寺院・仏塔など、当時の政治・宗教・都市構造を示す遺跡が広範囲に残存しているため
- 国際交易都市として発展し、多文化交流を反映した建築や都市計画が見られるため
- 滅亡後も大規模な考古学遺跡として歴史的景観が保存されているため
これらの価値が評価され、アユタヤは単なる遺跡群ではなく、かつての王国の繁栄と文化の発展を現代に伝える貴重な歴史遺産として世界的に認められています。
アユタヤ遺跡群の全体像
遺跡が点在する理由
アユタヤの遺跡は、ひとつの場所に集まっていません。
これは、かつての王都が島状の地形全体を使って形成されていた都市だったためです。
寺院・王宮・居住区が広範囲に配置されており、
現代の「遺跡公園」というより街そのものが遺跡という感覚に近いです。
主要エリアの分かれ方(島内/周辺部)
大きく分けると以下のイメージになります。
- 島内エリア
→ 王宮跡・主要寺院が集中(初訪問者の中心) - 川を越えた周辺部
→ 大型寺院や夕景が美しい遺跡が点在
このエリア感を理解していないと、
「思ったより遠い」「移動だけで疲れる」
という事態になりがちです。

アユタヤ観光の周り方
徒歩・自転車・トゥクトゥクの違い
アユタヤ観光では移動手段の選び方が非常に重要です。
- 徒歩
→ 1〜2遺跡なら可能だが、基本的には非効率。 - 自転車
→ 平坦で走りやすく、島内観光に最適。 - トゥクトゥク
→ 料金交渉は必要だが、時間で貸し切れ好きな場所に連れて行ってもらえる。
体力・気温・滞在時間に応じて選ぶのがおすすめです。
効率よく回るための考え方
重要なのは、
「全部は回れない」前提で計画することです。
- 行きたい遺跡を3〜5か所に絞る
- 島内中心 → 余裕があれば周辺部
この考え方をすると、満足度が一気に上がります。
主要遺跡の概要
ワットプラマハタート

木の根に包まれた仏頭で知られる、アユタヤを象徴する遺跡です。
かつては王室儀礼や宗教の中心的役割を担っていた重要な寺院であり、現在でも多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。
崩れた仏塔や静かな遺跡の雰囲気から、アユタヤ王朝の栄華と衰退を感じることができ、初めて訪れるなら外せない場所です。
ワットプラシーサーペント

アユタヤ王宮に隣接していた格式の高い王室寺院で、王族専用の儀式や宗教行事が行われていた特別な存在です。
整然と並ぶ三基の大きな仏塔(チェディ)はアユタヤを代表する景観として知られ、王朝の権威と繁栄を象徴しています。
寺院としての装飾は比較的シンプルですが、そのスケール感と美しい配置は圧倒的で、遺跡群の中でも特に象徴的なスポットの一つです。
かつては巨大な黄金の仏像が安置されていたとも伝えられ、王都の中心的役割を担っていました。
ワットローカヤスターラーム

巨大な寝釈迦仏(リクライニング・ブッダ)で知られる遺跡です。
屋外に横たわる大きな仏像は非常に印象的で、写真スポットとしても人気があります。現在見られる像は修復されたものですが、静かな雰囲気の中でゆったりと見学できるのが特徴です。
周辺には広い草地が広がり、他の遺跡とはまた違った開放感を楽しめます。
バンコクからアユタヤへの行き方
鉄道、乗り合いバス、タクシー、ライドシェア、ツアー等があります。
詳しくは別記事で解説しているのでそちらを参照してください。
詳しくはこちら▼
観光時の注意点
アユタヤの遺跡は屋外に点在しているため、暑さ対策が非常に重要です。遺跡エリアは日陰が少ない場所も多く、長時間の観光では想像以上に体力を消耗します。帽子や日傘、サングラスなどを活用し、こまめな水分補給を意識しましょう。特に乾季や日中は気温が高くなるため、無理のないスケジュールを組むことが大切です。
服装については、寺院や仏教遺跡であることを意識し、肩や膝が隠れる服装を選ぶと安心です。厳格なドレスコードが設けられていない場所もありますが、仏像や宗教的空間への敬意を忘れず、節度ある服装や行動を心がけましょう。
また、遺跡観光ならではの注意点として、足場が悪い場所や段差の大きい箇所があります。滑りにくい歩きやすい靴がおすすめです。遺跡の中には、保存のため立ち入りが禁止されているエリアもあるため、案内表示や現地の指示を必ず確認して行動してください。



