「EXサービス」と「e5489」が10月20日連携 新幹線と在来線特急の予約が1つのアプリに並びます

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新幹線を降りて在来線の特急に乗り継ぐとき、予約内容を確かめるために別々のアプリを開いた経験はないでしょうか。JR東海・JR西日本・JR九州は2026年8月6日、新幹線のネット予約サービス「EXサービス」(エクスプレス予約・スマートEX)と、JR西日本の「e5489」を連携させると発表しました。開始は2026年10月20日です。

同じ日に、新幹線の自動改札を通ると出てくる紙の「EXご利用票」を電子化し、2027年2月に紙の発行を終えることも明らかになりました。予約から乗車までの流れが、アプリの中に寄せられていきます。

10月20日から変わること

サービスをまたいでもログインし直さずに済みます

いちばん体感しやすいのは、ログイン操作が減ることです。WESTER IDで「e5489」にログインしたあと、「エクスプレス予約」や「スマートEX」へ移動しても、移動先であらためてログインする必要がなくなります。逆方向、つまりEXサービスから「e5489」へ移る場合も同じです。

ただし自動でそうなるわけではありません。「エクスプレス予約」「スマートEX」のメニュー画面にある「外部ID利用サービスの管理」から、WESTER IDの紐づけ登録を事前に済ませておく必要があります。

新幹線と在来線特急の予約が同じ画面に並びます

これまでは、新幹線から在来線特急に乗り継ぐ旅程を組むと、新幹線の予約はEXサービス、在来線特急の予約はe5489と、それぞれのサービスにログインして確認する必要がありました。10月20日以降は、「EXアプリ」でe5489の予約情報が、「WESTERアプリ」でエクスプレス予約・スマートEXの予約情報が表示されるようになります。

WESTERアプリに表示されるのは、列車名・座席種別・座席番号などです。EXアプリ側も同様に、e5489で予約済みの列車を確認できます。運行情報にもそのまま移動できる作りになっています。

注意点として、この予約情報の表示に対応するのは「EXアプリ」だけで、ブラウザ版は対象外です。サービス開始前に予約した分も反映されますが、当日以降の予約情報に限られます。

会員登録の入力が自動で埋まります

新しくWESTER会員に登録する際、すでにEX会員IDを持っている人が会員情報の利用を許可すると、氏名や生年月日などがWESTER会員登録の入力フォームに自動で入ります。逆に、EXサービスへ新規登録する際にWESTER会員情報が自動入力される流れも同じです。

EX会員IDを使ってWESTER会員登録をした場合は、紐づけ登録があらかじめ完了した状態になります。その状態では、EX会員IDでe5489にログインできるほか、エクスプレス予約・スマートEXでJR西日本エリアの新幹線に乗ったときにWESTERポイントが付くようになります。

なお、「エクスプレス予約」の一部法人会員と、「スマートEX」の海外向けサービス会員は対象外です。「LINEからEX」も今回の取り組みには含まれていません。

紙の「EXご利用票」は2027年2月で発行を終えます

新幹線の自動改札を通ると発行される紙の「EXご利用票(座席のご案内)」が電子化されます。2026年9月15日から、乗車日になるとEXアプリで座席のご案内を確認できるようになり、自動改札を通過するとプッシュ通知が届きます。

紙から電子に変わることで、載る情報が増えます。列車名と座席に加えて、紙では案内できなかった発車番線と、列車の遅延・運休情報が表示されるようになります。発車番線の表示は10月以降、準備が整い次第の開始で、遅延・運休・発車番線の表示は東海道・山陽新幹線(東京〜博多間)が対象です。

紙の発行終了は2027年2月の予定です。この廃止時期については、当初2026年夏ごろとされていたものが後ろ倒しになった形になります。アプリでの代替機能を先に用意してから紙を止める順番に変わったと考えられます。

項目 開始・終了時期 内容
EXご利用票の電子化 2026年9月15日 EXアプリで「座席のご案内」を表示、改札通過でプッシュ通知
発車番線の表示 2026年10月以降 準備が整い次第。東京〜博多間が対象
EXサービスとe5489の連携 2026年10月20日 ログイン操作の省略、予約情報の相互表示
紙のEXご利用票の発行終了 2027年2月(予定) 自動改札機からの発行を終了

JR3社がいま予約サービスをつなぐ理由

この連携は、突然出てきた話ではありません。2025年9月19日に、JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の4社が、それぞれのネット予約サービスを連携させる方針で合意したと発表しています。対象は「えきねっと」「EXサービス」「e5489」「JR九州インターネット列車予約サービス」の4つで、JRのネット予約サービス同士が連携するのは初めてのことでした。その第一歩として2025年10月4日にEXサービスとe5489の相互ログイン認証が始まり、今回の発表はその続きにあたります。

乗り継ぎ需要が実際に増えています

背景として見逃せないのが、新幹線と在来線特急を乗り継ぐ利用そのものが増えていることです。JR西日本が同じ2026年8月6日に公表した2025年度の区間別平均通過人員によると、山陽新幹線(新大阪〜博多)は86,716人/日で、2024年度の81,316人/日から6.6%増えました。区間別に見ると新大阪〜岡山は124,261人/日、岡山〜広島は97,652人/日で、いずれも前年度を上回っています。

山陽新幹線の主要駅では、岡山で「やくも」「しおかぜ」「南風」、新山口や小倉で山陰・九州方面の特急へと、在来線特急への乗り継ぎが日常的に発生します。この乗り継ぎ客が、これまで予約サービスの境目でつまずいていました。利用が伸びている区間ほど、境目の不便さが目立ちます。

窓口を減らした分をネットで受け止める必要があります

もうひとつの動機は、みどりの窓口の縮小です。窓口では新幹線と在来線特急を1回の手続きでまとめて買えるのに、ネット予約では別々のサービスに分かれてしまう。この落差が残っている限り、複雑な旅程を組む客は窓口に戻ってきます。窓口を減らしながら顧客満足を保つには、ネット側で「窓口と同じことができる」状態に近づけるしかありません。今回の連携は、その差を埋める作業の一部と考えられます。

会員基盤の取り合いという側面もあります

3社の思惑は、必ずしも同じ方向を向いているわけではありません。JR西日本にとって、この連携はWESTER会員を増やす手段でもあります。WESTERポイントの会員数は2025年2月末に1,000万人を突破しており、グループの経済圏づくりの中核に置かれています。EX会員IDからWESTER会員登録ができるようになれば、東海道新幹線を使う関東圏の利用者をWESTERの側に呼び込む入口ができます。

JR東海の側から見ると、東海道・山陽新幹線を降りたあとの移動が快適になることは、新幹線という商品自体の価値を保つことにつながります。航空との競争が続く区間で、乗り継ぎのしにくさが理由で選ばれなくなる事態は避けたいはずです。両社の利害が一致する数少ない領域が、この「乗り継ぎ」の部分だったのではないでしょうか。

便利になる範囲と、変わらない部分

期待しすぎないほうがよい点もあります。今回発表されたのは、ログイン操作の省略と、予約情報を相互に表示する機能、それに会員登録の入力補助です。新幹線と在来線特急を1回の操作でまとめて購入できるようになる、といった内容は含まれていません。支払いもそれぞれのサービスで別々に行う形です。

つまり「2つのサービスを行き来する手間が減る」段階であり、「1つのサービスに統合される」わけではありません。JR4社の連携は2027年度以降も順次進む予定なので、通し購入のような機能が将来的に出てくる可能性はありますが、10月20日の時点でできることは上に挙げた範囲にとどまります。

旅行者への影響と、10月20日までにしておくこと

新幹線と在来線特急を乗り継ぐ旅行をする人ほど、恩恵は大きくなります。準備は登録作業だけです。

したいこと 必要な事前登録 登録場所
e5489からEXサービスへログインなしで移動 WESTER IDの紐づけ エクスプレス予約・スマートEXの「外部ID利用サービスの管理」
WESTERアプリでEXサービスの予約を表示 EX会員IDの紐づけ WESTER会員サポートページの「外部ID利用サービス登録・照会」
EXアプリでe5489の予約を表示 双方のサービス連携操作 各サービスのメニュー画面

このほか、機能によってはEXアプリやWESTERアプリの更新が必要になります。10月20日を過ぎても表示が変わらない場合は、まずアプリが最新版かどうかを確認してみてください。

9月15日以降に東海道・山陽新幹線に乗る人は、紙のEXご利用票が出ることを前提にした行動を見直しておくとよさそうです。座席番号を紙で確認する習慣がある人は、改札を通ったあとにEXアプリを開く流れに慣れておくと、2027年2月の廃止時にあわてずに済みます。スマートフォンの電池が心配な場合は、乗車前に座席番号を控えておく方法も有効です。

まとめ

今回の連携は、新幹線と在来線特急を乗り継ぐ旅程を組む人、特に山陽新幹線から山陰・四国・九州方面の特急へ乗り継ぐ人にとって、実際の手間が減る変更です。逆に、新幹線しか使わない人にとっては、紙のEXご利用票が電子化されることのほうが影響が大きいでしょう。

やっておくべきことは、EX会員IDとWESTER IDの紐づけ登録と、アプリの更新です。どちらも数分で終わります。10月20日を待たずに済ませておけば、開始日からそのまま使えます。

ぴりか

地理や旅行が大好きな一般人。東京出身ですが、四国、九州など転々と移住し、今は北陸に住んでいます。学生時代に47都道府県を自転車で制覇。国内旅行業務取扱管理者の資格あり。JGC取得済み。

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