追加されるのは夕方の1往復
チェジュ航空が、広島〜ソウル(仁川)線を2026年10月1日から12日にかけて期間増便します。月・金・土・日曜に週4往復を追加し、この12日間だけ週18往復という体制になります。同じ時期、大韓航空の地上業務を担う会社が広島空港でのスタッフ募集を始めたことも明らかになりました。長らくチェジュ航空1社だけが飛ばしてきた広島〜ソウル線が、この秋から冬にかけて動き出そうとしています。
増便の内容は次のとおりです。使用機材はボーイング737型機です。
| 便名 | 区間 | 時刻 | 運航日 | 期間 |
|---|---|---|---|---|
| 7C1674 | 広島→ソウル/仁川 | 18時30分発/20時10分着 | 月・金・土・日 | 10月1日〜12日 |
| 7C1673 | ソウル/仁川→広島 | 15時50分発/17時30分着 | 月・金・土・日 | 10月1日〜12日 |
広島〜ソウル(仁川)線は現在、チェジュ航空が1日2往復で運航しています。朝と昼に広島を発つ便が設定されており、これが週14往復にあたります。ここに夕方の1往復が加わることで、対象の12日間は週18往復まで積み増されることになります。この路線を運航しているのはチェジュ航空だけですので、増便分はそのまま路線全体の座席供給の増加になります。
チェジュ航空がこの路線を開設したのは2023年7月で、当初は週3便でした。2024年1月からは1日2往復のダブルデイリーとなり、以降は季節ごとに便数を調整しながら運航を続けています。3年で週3便から週14往復まで育った路線ということになります。
なぜ10月1日から12日という短い期間なのか
12日間だけの増便という設定は、一見すると中途半端に見えます。しかし2026年の韓国のカレンダーを重ねると、この期間の意味がはっきりします。
10月3日の開天節は土曜日にあたり、10月5日の月曜日が振替休日になります。続いて10月9日のハングルの日は金曜日で、こちらも3連休です。9月下旬の秋夕(9月24日から27日)に続いて、10月上旬は連休が2回並ぶ形になります。増便の対象曜日が月・金・土・日に限定されているのも、この2つの連休の出入り日をねらったものと考えるのが自然です。
さらに、追加される便の時間帯にも意図が読み取れます。仁川15時50分発で広島に17時30分着、折り返しは広島18時30分発で仁川20時10分着というダイヤです。韓国から見ると、金曜日の夕方に広島へ入り、連休最終日の夜に帰国できる組み合わせになります。既存の朝便・昼便では、金曜日に休みを取らなければ連休を丸ごと使えませんでしたが、夕方便が加わることでその制約がなくなります。連休需要を取りにいくうえで、便数だけでなく時間帯まで含めて設計された増便だといえます。
チェジュ航空にとって、この形は費用の面でも合理的です。通年で1往復増やせば機材と乗務員を年間を通じて確保しなければなりませんが、12日間なら既存の機材繰りのなかで対応できます。需要が確実に見込める期間だけ供給を足し、それ以外の時期は現状維持という判断です。運賃が高く売れる時期に座席を集中投入するという、LCCらしい収益の作り方が表れています。
大韓航空の広島就航に向けた準備が始まっている
もうひとつ、広島〜ソウル線をめぐって見逃せない動きがあります。大韓航空とジンエアーの旅客サービス業務を担う韓進インターナショナルジャパンが、広島空港で旅客サービス業務を担当するオープニングスタッフの募集を始めました。入社予定時期は2026年10月中旬とされています。
地上業務のスタッフを新たに雇い、10月中旬に配置するという動きは、冬ダイヤに合わせた就航準備と考えるのが自然です。冬ダイヤの開始は10月25日ですので、その少し前に人員を配置して訓練を行うという流れは、新規就航時の一般的な段取りと合致します。ただし現時点で、大韓航空から広島線の就航日・便数・機材についての正式な発表はありません。あくまで採用情報から見えてきた段階の話であり、路線計画として確定したものではない点は押さえておいてください。
もし大韓航空が広島に入ってくれば、この路線の性格は変わります。これまではLCC1社による運航でしたが、フルサービスキャリアが加わることで、預け入れ手荷物や機内サービスが運賃に含まれた選択肢が生まれます。加えて仁川はスカイチームのハブ空港ですので、ヨーロッパや北米への乗り継ぎという使い方も現実的になります。広島空港から欧米へ向かう場合、これまでは羽田や関西へ出るのが基本でしたが、仁川乗り継ぎという経路が加わることの意味は小さくありません。
広島空港側の数字を見ると、この動きの背景も理解しやすくなります。2025年度の広島空港の総旅客数は2,954,942人で、前年度比2.9%増と5年連続の増加でした。なかでも国際線は約48万人と前年度から約30%伸び、1993年の開港以来の最多を2年連続で更新しています。空港側はこの伸びの要因として、韓国の清州線の新規就航に加え、ハノイ線と上海線の増便を挙げています。韓国路線が広島空港の国際線を押し上げてきた実績があり、そこにさらに1社を呼び込む余地があると各社が判断していると考えられます。
旅行者はどう動けばよいか
広島から韓国へ行く立場で考えると、10月1日から12日は注意が必要な期間です。この時期は韓国側の連休需要で座席が埋まりやすく、日本発の運賃も上がりやすくなります。安く行きたいのであれば、この12日間を避けて9月中や10月中旬以降を選ぶほうが有利です。
逆に、この期間だからこそ使える組み合わせもあります。追加される夕方便は広島18時30分発で仁川20時10分着ですので、土曜日の夕方に広島を発ち、日曜日の夕方の便で戻るという短い旅程が組めます。復路の7C1673は仁川15時50分発ですから、最終日の午前中から昼過ぎまでソウル市内で過ごせます。既存の午前の便で行き、追加の夕方便で戻れば、滞在時間を最大限に使うこともできます。
大韓航空の広島就航については、期待して待つ価値はありますが、旅程を先に固めるのはまだ早い段階です。正式発表が出るまでは、現時点で予約できるチェジュ航空の便、あるいは関西や福岡から出る便を軸に検討してください。広島空港は現在、旅客ターミナルビルの増築改修工事も進んでおり、国際線の受け入れ体制そのものが変わっていく途中にあります。秋以降の広島発の海外旅行は、選択肢が増える方向で動いていると考えてよさそうです。
まとめ
チェジュ航空が広島〜ソウル(仁川)線を2026年10月1日から12日にかけて期間増便し、月・金・土・日曜に1往復を追加して週18往復とします。追加便は広島18時30分発と仁川15時50分発の夕方の時間帯で、韓国の開天節とハングルの日の連休をねらった設定です。
あわせて、大韓航空の地上業務を担う会社が広島空港でのスタッフ募集を始めており、冬ダイヤでの広島就航に向けた準備が進んでいる可能性があります。広島から韓国へ出かけたい人は、10月上旬は運賃が上がりやすいことを前提に日程を選び、大韓航空については正式な発表を待ってから判断するのがよいでしょう。広島空港の国際線旅客数は2年連続で過去最多を更新しており、韓国路線はその中心にあります。この秋は、その厚みがさらに増す時期になりそうです。


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