台風15号(チャンホン)が8月11日の夕方から夜にかけて茨城県付近に上陸する見込みになりました。お盆の帰省と旅行が重なる時期に、関東と東北の交通が直撃を受ける形です。ANAはすでに8月11日発着の一部の便で手数料無料の変更と払い戻しを始めており、JR東日本も東北新幹線で遅れや運休が出る可能性があると案内しています。この記事は2026年8月11日朝の時点で公表されている内容をまとめたものです。実際の運休や欠航は当日の状況で変わりますので、出発前に必ず各社の最新情報を確認してください。
台風15号は日本の東から西へ進む異例の進路です
台風15号は8月11日3時の時点で日本の東の海上にあり、時速35キロで北西へ進んでいます。中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートルです。この日の夕方から夜にかけて、茨城県付近に上陸する可能性が高いと見られています。
注目したいのは進路です。日本に近づく台風の多くは南の海上から北上してきますが、今回は日本のはるか東から西へ向かって本州に接近します。上陸後も東日本を西へ横断し、11日夜から12日朝にかけて東海地方、続いて北陸地方へ進む予想です。台風が東から西へ抜けていくため、影響を受ける地域が関東から東海、北陸へと日をまたいで移っていきます。
風と雨の見込みも強めです。関東と東北の太平洋側では最大瞬間風速35メートルが予想され、東北南部の太平洋側と茨城県から千葉県の沿岸では暴風と高波に厳重な警戒が必要とされています。雨は夕方以降に強まり、1時間に40ミリ以上、局地的には50ミリ以上の非常に激しい雨になる可能性があります。11日正午から12日正午までの24時間雨量は、東北の太平洋側で150ミリ、北関東で120ミリと予想されています。
ANAは11日の羽田・成田・仙台・福島発着便で手数料を無料にしています
ANAは8月10日正午の時点で、8月11日に東京/羽田、東京/成田、仙台、福島を発着する便を対象に特別対応を始めました。実際の運航状況にかかわらず、対象便の航空券は手数料無料で便の変更、振り替え、払い戻しができます。
ここで大事なのは「実際の運航状況にかかわらず」という条件です。自分の便が欠航にならなくても、台風を避けて日程を前後にずらしたい人は手数料なしで動かせます。8月10日の時点でANAとJALはどちらも欠航の予定はないとしていましたが、上陸が夕方から夜になる以上、午後便を中心に欠航や遅延が出る可能性は残っています。
JALについても、悪天候で運航に影響が見込まれる場合は手数料なしで予約変更や払い戻しに応じる仕組みがあります。対象便は公式サイトの「運航状況のご案内(国内線)」で公表されますので、11日に該当空港を発着する予約がある人は確認してみてください。
| 会社 | 8月10日時点の対応 |
|---|---|
| ANA | 8月11日の羽田・成田・仙台・福島発着便を対象に、運航状況にかかわらず手数料無料で変更・振替・払い戻し |
| JAL | 8月10日時点で欠航の予定なし。悪天候時の特別対応は公式サイトで対象便を公表 |
鉄道は東北新幹線と常磐線の特急に影響が出る見込みです
JR東日本は、8月11日の日中を中心に東北新幹線で遅れや運休が発生する可能性があると案内しています。首都圏の在来線については通常運転の予定ですが、常磐線の特急「ひたち」はいわき(福島県)から仙台までの区間で一部列車の運休が予定されています。あわせて、11日の午後から夜にかけて北関東エリアの一部の線区で遅れや行き先変更、運休が発生する可能性があるとしています。
8月10日16時の時点では、11日の新幹線と在来線を運転見合わせにするかどうかは決まっていませんでした。台風の上陸が夕方から夜という予想なので、午前中は動き、午後から夕方以降にかけて規制がかかる展開が考えられます。
東海道新幹線については、11日午前の下り「のぞみ」がほぼ満席という予約状況が伝えられていました。台風を避けて午前中に移動しようとする人が集中したためと見られます。台風は11日夜から12日朝にかけて東海地方へ進むため、12日の東海道新幹線も無風では済まない可能性があります。
高速道路は11日以降も渋滞が続く見込みで、帰省ラッシュのピークは8月13日とされています。
航空会社が欠航を決める前に無料変更を出すのはなぜでしょうか
ANAが「実際の運航状況にかかわらず」手数料を無料にしたのは8月10日の正午、上陸予想の1日以上前です。欠航が決まっていない段階で払い戻しまで認めるのは、一見すると自社の売上を減らす判断に見えます。
ここには、お盆特有の事情があると考えられます。この時期の国内線は座席がほぼ埋まっており、欠航が確定してから振り替え先を探しても、空いている便がありません。当日の朝に欠航が決まれば、数千人が同時に空港カウンターへ押し寄せ、それでも席は用意できないという事態になります。前日までに手数料を無料にしておけば、動ける人から先に日程をずらしてくれるため、当日の混雑と滞留が目に見えて減ります。
つまりこれは旅客のための配慮でありながら、欠航時に発生する再手配のコスト、カウンター要員の増員、宿泊対応といった負担を前倒しで減らす合理的な手段でもあります。日本には欧州のような遅延・欠航に対する定額補償の制度がなく、天候による欠航で航空会社が負うのは原則として運賃の払い戻しまでです。だからこそ、旅客の損失を小さくする方法は「早く知らせて、早く選ばせる」ところに集約されるのではないでしょうか。
鉄道の判断が航空より遅くなりがちなのも、構造の違いから説明がつきます。飛行機は機材と乗務員が全国を循環しており、1か所の欠航が翌日の別路線にまで波及します。だから早く切り離す必要があります。一方の新幹線は、風速や雨量の規制値を超えた時点で運転を止め、列車を駅や安全な場所に留置すれば、それ以上被害は広がりません。座席数も1本あたり1,000席前後と多く、翌日以降の振り替え余地が航空より大きいという事情もあります。「航空は前日に特別対応、鉄道は当日判断」という差は、事業者の姿勢の違いというより、止め方と戻し方の違いから来ていると考えられます。
11日から12日に移動する人が今日やるべきこと
まず、8月11日に羽田・成田・仙台・福島を発着するANA便の予約がある人は、手数料無料で変更できるうちに判断してください。午後便から夜便にかけてが最も荒れる時間帯なので、動かせるなら午前中の便に前倒しするか、12日以降に回すのが現実的です。無料期間の締め切りは各社の案内で変わるため、早めに手を打つほど選択肢が広がります。
鉄道の場合、列車が運休したときは未使用の乗車券と特急券が手数料なしで払い戻せます。指定席を取っている人は、運休が決まってから慌てて窓口へ行くより、先に運行情報を追っておき、動きそうにないと判断した時点で予定を組み替えるほうが確実です。えきねっとなど予約サイトから手続きできる場合もあります。
東北方面へ向かう人は、常磐線の特急「ひたち」でいわき〜仙台の一部が運休予定になっている点に注意してください。この区間が使えないと、仙台方面へは東北新幹線に頼ることになりますが、その東北新幹線も日中を中心に遅れと運休の可能性があります。11日中にどうしても北へ移動する必要があるなら、午前中に動くのが最も確率が高い選択です。
12日に西へ向かう人は、台風が東海から北陸へ抜けるタイミングと重なります。東海道新幹線や北陸方面の在来線も、11日夜から12日朝にかけて規制がかかる可能性があります。11日の関東の情報だけを見て「もう通り過ぎた」と判断しないほうがよさそうです。
まとめ
台風15号は8月11日夕方から夜にかけて茨城県付近に上陸し、そのまま東日本を西へ横断する予想です。関東と東北の太平洋側では最大瞬間風速35メートル、1時間に40ミリを超える雨が見込まれています。
ANAは8月11日の羽田・成田・仙台・福島発着便を対象に、運航状況にかかわらず手数料無料の変更と払い戻しを受け付けています。JR東日本は東北新幹線で日中を中心に遅れと運休の可能性を示し、常磐線特急「ひたち」はいわき〜仙台で一部運休が予定されています。
お盆の移動は代わりの席を確保しにくい時期です。動かせる予定は早く動かし、動かせないなら午前中に前倒しする。この2つを今日のうちに決めておくことが、いちばん効きます。


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