スカイマークは2026年8月21日、2026年度冬ダイヤ(2026年10月25日〜2027年3月27日)の運航便数と各種運賃を決めたと発表しました。全23路線で1日82往復164便を運航し、神戸発着や茨城発着を中心に4往復を増やします。同時に、大人普通運賃を10月25日搭乗分から引き上げます。航空券の販売は8月25日(火)午前7時に始まります。増便と値上げが同時に来る形なので、年末年始や春休みに使う予定のある方は、内容を確認したうえで動いたほうがよさそうです。
冬ダイヤの運航便数
冬ダイヤの路線別運航便数は次のとおりです。
| 路線 | 便数 |
|---|---|
| 羽田〜札幌(新千歳) | 8往復16便/日 |
| 羽田〜神戸 | 6往復12便/日 |
| 羽田〜福岡 | 13往復26便/日 |
| 羽田〜鹿児島 | 4往復8便/日 |
| 羽田〜那覇 | 6往復12便/日 |
| 羽田〜宮古(下地島) | 1往復2便/日 |
| 神戸〜札幌(新千歳) | 4往復8便/日 |
| 神戸〜仙台 | 3往復6便/日 |
| 神戸〜茨城 | 4往復8便/日 |
| 神戸〜長崎 | 3往復6便/日 |
| 神戸〜鹿児島 | 3往復6便/日 |
| 神戸〜那覇 | 4往復8便/日 |
| 神戸〜宮古(下地島) | 1往復2便/日 |
| 札幌(新千歳)〜茨城 | 3往復6便/日 |
| 札幌(新千歳)〜名古屋(中部) | 3往復6便/日 |
| 札幌(新千歳)〜福岡 | 1往復2便/日 |
| 茨城〜福岡 | 2往復4便/日 |
| 茨城〜那覇 | 1往復2便/日 |
| 名古屋(中部)〜鹿児島 | 2往復4便/日 |
| 名古屋(中部)〜那覇 | 3往復6便/日 |
| 福岡〜那覇 | 3往復6便/日 |
| 鹿児島〜奄美大島 | 2往復4便/日 |
| 那覇〜宮古(下地島) | 2往復4便/日 |
一部の日程で便数が増減する路線があります。
前年の2025年度冬ダイヤと比べると、増えたのは4路線です。神戸〜仙台が2往復から3往復へ、神戸〜茨城が3往復から4往復へ、札幌(新千歳)〜茨城が2往復から3往復へ、札幌(新千歳)〜名古屋(中部)が2往復から3往復へ、それぞれ1往復ずつ増えます。全体では78往復から82往復になります。減便された路線はありません。
なお、2026年夏ダイヤで6月19日から10月24日まで運航している福岡〜宮古(下地島)線は、冬ダイヤには設定されていません。この路線はもともと季節運航で、2025年度の冬ダイヤにも入っていませんでした。
運賃はいつから、どれだけ上がるのか
大人普通運賃は全23路線で3〜7%引き上げられ、10月25日搭乗分から適用されます。値上げ幅は路線によって異なり、年末年始や連休などの繁忙期で800円から3,400円、それ以外の通常期で600円から3,700円です。
一方で、値上げされないもの、むしろ下がるものもあります。
- 若者向け運賃「BonvoYoung」は4,100円〜9,600円で継続します(搭乗時12歳〜25歳が対象、別途国内線旅客施設使用料が必要)
- 小児運賃は値下げされます
- 0〜6歳の子どもの急病によるキャンセル料無料トライアルは2027年3月31日まで継続します(搭乗日前後3日以内に受診した病院の領収書が必要、旅行代理店で購入したツアー商品・団体航空券は対象外)
- 事前の座席指定は引き続き無料です
値上げと増便を同時に打つ理由
スカイマークがこの内容を出した背景には、直近の決算がはっきりと表れています。
2027年3月期第1四半期(2026年4月〜6月)の事業収益は249億9,600万円で、前年同期比6.0%増、第1四半期として過去最高を更新しました。ところが営業損益は33億2,900万円の赤字で、前年同期の16億3,000万円の赤字から倍以上に膨らんでいます。原油高と円安による市況の悪化が13億2,000万円の減益要因となったほか、新機材ボーイング737-8の導入に伴う費用や整備費の増加が重なりました。
つまり、売上は過去最高なのに利益が出ていません。しかも席が空いているわけでもありません。2026年7月の座席利用率は82.3%で、前年同月の78.8%から3.5ポイント上がっています。席は埋まっているのに赤字という状態は、1席あたりの単価が費用の増加に追いついていないことを意味します。この状況で打てる手は、単価を上げるか、費用を下げるかのどちらかです。同社は前者を選んだということになります。
通期予想は事業収益1,208億円(前年比9.4%増)、営業利益15億円(同16.7%減)で、ドバイ原油価格が1ドル動くと通期の燃油費に約1億円の影響が出るとしています。原油と為替という自社では動かせない変数に利益が左右される構造で、そのぶんを運賃で吸収しようとしていると読めます。
ここで注目したいのは、値上げの対象が「大人普通運賃」に絞られている点です。普通運賃は当日や直前に買う人が使う運賃で、出張や急な移動が中心です。この層は価格が上がっても移動をやめにくい。一方、若者向けのBonvoYoungは据え置き、小児運賃は値下げしています。家族連れや学生など、価格が上がれば別の手段に流れる層には手をつけていません。全面的な値上げではなく、価格に鈍感な需要から取り、価格に敏感な需要は逃さないという、はっきりした選別が行われています。
増便先の顔ぶれにも意図が出ています。増えたのは神戸〜仙台、神戸〜茨城、札幌〜茨城、札幌〜中部の4路線で、いずれも羽田を経由しない路線です。羽田は発着枠に限りがあり、大手2社との競争も激しい。それに対して神戸空港と茨城空港は、発着枠に余裕があり、着陸料などの費用面でも羽田より有利です。羽田に依存しない地方間路線を厚くする方向は、ここ数年のスカイマークの動きと一致しています。神戸空港は2025年4月に新ターミナルが供用を開始し、国際チャーター便の受け入れも始まった拠点で、同社はそこを国内線でも強化しているわけです。
利用者はどう動けばいいか
まず日付の区切りを押さえてください。値上げが適用されるのは10月25日搭乗分からです。10月24日までに搭乗する分は現行運賃のままなので、10月中の移動を検討している方は、24日と25日で運賃が変わる点を意識して日程を組む価値があります。
冬ダイヤの航空券は8月25日(火)午前7時から販売されます。年末年始の帰省や春休みの旅行を考えている方は、この日に押さえるのが基本です。スカイマークの「いま得」「たす得」といった割引運賃は空席状況によって価格が変動するため、早く買うほど安い席に当たる確率が高くなります。
今回上がるのは大人普通運賃です。普通運賃は変更や払い戻しの条件がゆるい代わりに元から高い運賃で、割引運賃を使う人には直接の影響が及びにくい設計になっています。予定が確定しているなら、割引運賃を早めに押さえるのが実質的な値上げ回避策です。
12歳から25歳の方は「BonvoYoung」が4,100円から使えます。この価格帯は他社のLCCと比べても十分に競争力があります。小児運賃は値下げされるので、子ども連れの旅行は前年より安くなる可能性があります。
福岡から宮古(下地島)へ行く予定の方は、冬ダイヤの間はスカイマークの直行便がありません。那覇乗り継ぎになるので、那覇〜宮古(下地島)の2往復と組み合わせて行程を組む必要があります。
増便された路線を使う方にとっては、選べる時間帯が広がります。神戸〜仙台が2往復から3往復になったことで東北と関西の往復がしやすくなり、札幌〜中部が3往復になったことで名古屋から北海道への日帰りに近い行程も組みやすくなります。
まとめ
今回の発表は、値上げのニュースとして読むだけでは実態を捉えきれません。上がるのは普通運賃であって、若者向け運賃は据え置き、小児運賃は値下げです。座席利用率82.3%という高い水準で赤字という状況を、価格に鈍感な層への単価改定で埋めにいく判断だと見ると筋が通ります。10月24日までに移動できる方は現行運賃で予約を、年末年始や春休みに使う方は8月25日午前7時の販売開始に合わせて割引運賃を押さえるのが得策です。神戸・茨城・中部発着の路線を普段使っている方は、便数が増えて選びやすくなる冬になります。


コメント